換氣のワークショップの後、
「自分の身体の癒しをしている間、息を吸うのはどのようにするのが良いか」
との質問を受けた。
今回の指導では、息は胸やお腹ではなく、背中に吸い込むように伝えた。
背中を意識した場合、身体に余分な力が入りにくいため吸い込みやすく、たくさん入る。
それ以上は息の吸い方について何も伝えなかったため、この質問を受けたわけだ。
吐き出す時に開放に向かいやすいのは事実なのだけれど、僕は吸う際も意識は途切らせずに、開放を続けている。
これについてはまだ公開するほどにはまとまっていないため、ごく大雑把なところだけの説明にとどめる。
次回以降ワークショップなどの機会があれば、この点も改良して伝えていきたい。
息を吸う時には、「触られているポイント」を主に意識する。
そして、できるならば、そのポイントとつながっているためにこれから動きそうなお腹の場所を意識する。
慣れてくると、このお腹の場所の特定は容易だ。
同時に二点を感じることになる。
息を吸って入ってくるエネルギーがこの二点に触れて、この箇所が動き出しやすくなるようにイメージする。
これらに焦点が当たることにより、息を吐いた時に効果的に換氣が起きていく。
実は、この二点は息を吐く時にも意識していて良い。
そうあるのも自然なことなのだ。
だが、臍下丹田の呼吸の流出口への意識の方が重要だから、慣れないうちはそちら重視で進めてもらいたい。
なぜなら、そこを意識することで、呼吸をより細部まで濃密に感じることができるからだ。
呼吸に集中することで、雑念に気を取られにくくなるのだ。
余分な不安や過去の不満に心が絡め取られると、自分への癒しが起きにくくなる。
この換氣の手法は、同時に自分の内面意識を研ぎ澄ませて精妙な感覚に誘い、自分自身の「即今只今」に向き合いやすくするテクニックでもある。