仕事を辞めたいとか人間関係がとか、悩みとしては深刻なのは分かるのだけれど、まずは身体に目を向けてどうにかしましょう、と提案したい。
身体の不調のせいで気持ちも滞り、日頃の実力も気遣いの能力も思うように発揮できず、自己嫌悪に陥って逃げに入っているのではないのか。
まずは正常な思考を取り戻すことが先決だ。
身体を元通りにするだけで、思いのほか容易にそれは戻ってくることが多いのだ。
自分がどうあれば良いのか、そもそも悩むに足ることなのか、問題が違って見えてくることだろう。
具合が悪くなると、具合が悪いなりにしか頭は働かない上に、後ろ向きな思考ばかりを寄越してくる。
調子の良いときの考え方は再現できない。
体調は悪くないと思い込んでいた人が、身体のケアを通じて元に戻ったときに、ああ本当はこんなに軽いものだったか、と感慨に浸る。
人って器用にできていないものだと僕は思うのだ。
逆もある。
体調が良いと、悪い人の観点を自分のものにしにくい。
これも気をつけなくてはいけないことだ。
考えがまとまらないときは寝転んでしまう。
本を読んでいて頭に入らなくなったな、と気づいたらさっさと寝転がり身体を変えてしまう。
それが僕の日常のケアだ。
疲れ始めで気づいてあげて気の入れ替えをしてしまえば、おおごとに至らない。
食べるのは解決にならない。
気分転換にはなってもそれ以上のものではなく、かえって重くなる場合も出てくるし、食べるものによっては長期的には健康に影響が出てくる。
生産的な考え方ができないときにはいくら考えても前に進まない。
時間の無駄になるから、ほんの10分ほど寝転がって身体を変える。
生産的に考えられる時間が増えると、それが脳の自然な状態になっていく。
いつも良い状態にしておいてから考える、それだけだ。
そうせずに身体が重いまま頭を使うのは、「悩む」ということになる。