そらみつ みそら file  ~To Provide You With Unity~

こころとからだについて、気がついたことを書いていきます。
『』の中の言葉は、見えない世界から伝わってきたものです。

攻めよう

2022-12-07 11:21:00 | 癒し
ついさっきまで異状は何もなかったのに、ふと、背中に寒気が差したのに気づく。
窓を開けて冷たい空気を入れたせいかと暖房を強めにするが、ピリッとした寒気がやってくる間隔は少しずつ狭まってくる。
熱を出すときというのはこういうものだったかななどと昔の記憶をたどりつつ、これではいけないとベッドに横になって首をさぐる。
腹はすぐに小さく動くのだけれど、身体全体に緩んだ効果が及ばない。
ここまで経過があって
「あ、次に来る人か。」
とこれから来る人の身体のキツさを思いやってみる。

「くすぐったい」と「痛い」は、どちらもその部分に緊張があるという意味で共通している。
僕の感覚には痛みで伝わってくるものでも、セッションを受ける側にとってはくすぐったさで感じることがあるらしい。
もちろん、何も感じないよりいい。
くすぐったいと感じる人は、どちらかというと若い人に多いのかもしれない。
くすぐったさという覆いが取り払われると、
「さっきから「痛いでしょ?」と聞かれるのはこのことだったんだ」
という顔をしている。

昨日の夜に会った青年は、やはりそんな身体の持ち主だった。
彼を目の前にして、僕の身体は会う前に輪をかけてキツい。
背筋が伸ばせず、息が通らない。
横になりたい、眠い。
こんな身体でよく毎日頑張っているなあと同情するのだが、なにしろ彼にはその感覚がない。
日中眠いのは寝不足のせいだとしか思っていない。

自分の身体に対する意識がその程度だからなのか、その変化にも気づきにくい。
こんなに大きな音で自分のお腹が鳴って動いているのに、音も聞こえていないし、内部感覚としても伝わっていないとは。
「気づいてないの?
注意してごらん。」
と促して、ああこのことを言っているのか、と表情に変化が現れる。
身体に無頓着な一方、僕の言葉をそのまま受け入れる素直さがあるので、変わるのは速い。
カチコチだった頭も首も、背中も足も短い時間で緩んでいく。
「この状態が正常なんだよ、というか、本当はもっと緩んでいるもんなんだよ」
と声をかけながら、今ある試練に全身でぶつかって壊して進んでほしいなあ、と彼の先を思う。

熱を出す一歩手前のような、余裕のない身体を楽に開放していくにはどうしたらいいのか。

無理してみる、攻めてみる。
ドンパチも必要。
答えが見つかるまでには時間がかかるが、必ず必要な方へ引っ張られる。

中庸だとか、がんばらないとか、そういうのを美徳美談にするのは歳を取ってからでいい。
僕自身も通ってきた道だから、絶対になんとかなることは保証する。

親戚に促されてセッションにやってきた彼。
部屋に入ってきたときは
「別に質問したいこともない」
という、気持ちが引っ込んで沈んだ目をしていたが、終わったときにはその瞳に輝きが見られた。
軽くなったその足取りで、まずはぶっ壊すことを試みてほしい。
有り余るエネルギーの強さなど、発出させないと分からないではないか。
コメント
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