最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

市立函館病院は3次元画像解析システム「ボリュームアナライザー」を導入

2023年05月31日 11時41分00秒 | メディカルはこだて
第85号では市立函館病院の診療放射線技師を取材した。

病気の特定や治療法の選択にコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像化装置(MRI)などの画像診断検査は欠かせないが、近年、CTやMRIの画像による診断精度は飛躍的に向上している。市立函館病院(森下清文院長)中央放射線部は昨年9月、CTやMRIなどの断層画像から高精度な3次元画像を描出し、解析を行う3次元画像解析システム「ボリュームアナライザーSYNAPSE VINCENT」を導入した。
2次元画像は複雑な解剖の立体的構造の把握が困難な場合がある。一方、3次元画像の場合、医療画像を立体的に可視化することで、画像診断やシミュレーションなどに活用できるメリットは大きい。同病院では従来も3次元画像を作成するシステムを利用していたが、新しく導入したシステムは全国の多くの医療施設で実績がある。特に2020年8月から提供されている新バージョンは、富士フィルムのAI技術である「REiL(レイリ)」による深層学習によるMRIデータからの自動抽出機能や脈管系の抽出機能が充実している。
中央放射線部技術科主査でワークステーション運営事務局の狩野麻名美さんは言う。「従来のシステムと比較し、臓器抽出能が高く、簡便に操作が行えるようになりました」。これまでの3次元画像を作る作業は診療放射線技師が行っていたが、新システム導入後は操作が容易になったことで医師も簡単に行えるようになった。「札幌の病院等で当システムを経験済みの医師は、当院へ赴任後、すぐに使い始めています。また、操作する診療放射線技師の画像処理時間も大幅に削減できることで、より有用な画像の提供が可能になりました」


市立函館病院中央放射線部技術科の守山亮主査(3Dプリンタ責任者、写真左)、小林匡主査(画像処理担当者、写真中央)、
狩野麻名美主査(ワークステーション運営事務局、写真右)
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