完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

評価はむずかしいですなぁ。      ~BS・NHKドラマ「八つ墓村」観ました~

2019年10月12日 | テレビ





私は初老男である。








最近、BS・NHKが横溝正史モノの映画を続けて放送していると思ったら・・・。








ドラマ「八つ墓村」が放送された。








横溝作品の中でも、この「八つ墓村」は私にとって最初の横溝モノで感慨深い。








まだ、例の角川文庫が映画戦略を仕掛ける前のことだ。







中学生だった私は、その本に取り掛かったが・・・。







その本の「厚さ」と「おどろおどろしさ」に半分も読まずに挫折した覚えがある。







そうしたことで言えば、この原作をしっかり読んだのは横溝ブームが来てからだ。








多分、横溝モノの中でも屈指の「有名」「名作」と言えるだろう。







ただ、私の本としての評価は「中の上」くらいかなぁ・・・・。







以前のUpでも記しておいた気がするが、横溝モノの映画の中で一番観客動員したのは他でもないこの「八つ墓村」なのだ。







しかも映画八つ墓村の金田一耕助が・・・・。






なんと渥美清なのである。






あれだけインパクトがあり、ハマリ役だった石坂浩二の金田一耕助が一番でないのが不思議不思議。








映画「八つ墓村」は、私の評価で言えば「下の上」ないし「中の下」ってところ。







「インパクト最大!」の多治見要蔵の疾走シーン(鉢巻きに懐中電灯を二個差し込み、日本刀と猟銃を持っての疾走)に、すべて持ってかれちゃった感が強いねぇ。







マクラが長くなってしまった。








★★★★★★★★★★★★ネタバレありです。注意してね。★★★★★★★★★★★★









ということで今回のドラマも、結局は「キャスティング」の話になってしまう。







やっぱり、金田一耕助が吉岡秀隆を私は受け入れられないなぁ・・・。(彼もずいぶん歳取ったなぁ)








あの特徴のある「声」と「しゃべり方」が、結局「黒板純」を重ねてしまう。







その次に残念なのが「春代」役の蓮佛美沙子。






美弥子役が「あの」真木よう子であるならばいかにも力弱い。






この春代という役は重要で美弥子と対比された時に「ひけ」を取ってはならない。





演技自体がそれほど悪くないが、もっとどっしりとしながら明るさを持っていないとひけを取ってしまう・・・・残念だなぁ。







そうした意味で今回のドラマで良かったのは・・・・。







濃茶の尼の木内みどり・駐在の妻(女優の名前が分からない・・・)






でもまあ、結局は「真木よう子の演技」に尽きるだろう。







久しぶりに「ハマった役」を演じている。








久弥の背中の火傷あとを舐めるシーンなどは「秀逸」であり、彼女でなければ出せないといっていい。







その後の久弥に水を飲ませるのに彼に跨り自分で含んで口移しにし、そのまま濡れ場に・・・。







とてもNHKのドラマとは思えない演出だ。









濃いところが「濃過ぎ」て、薄いところが「薄すぎる」って感じ。







結構、BGMには凝ってクラシックから洋楽と効果的に使ってたのは印象的。








評価がむずかしいドラマでしたな。







すべては初老男が受けたイメージとしての評価です。だから笑って許してね~~~。








今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、横溝正史の描いた時代の郷愁を忘れませんように。









                   May






ラストシーンの磯川警部 (小市慢太郎)のセリフは次回が「悪魔の手毬唄」ってことなのかな?

さらに小竹ばあさんの首つり自殺は結構ショッキングですな。





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1 コメント

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現代に即した新しい『八つ墓村』の成立を見た! (mobile)
2019-10-15 15:47:59
これまでの作品はどちらかといえば『たたりじゃー!』のセリフに代表されるように『惨殺された八人の落武者の祟り』に焦点が絞られて『いかにおどろおどろしい恐怖を盛り上げるか』に重点が置かれていました。
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今回のドラマは『このご時世に祟りなんてバッカバカしい!』という考えが根底にあって『祟りの伝説を利用しようとしたドロドロの愛憎劇』に仕上がっているところが、新しい解釈で良かったのでした。
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濃茶の尼が叫ぶお馴染みの『タタリじゃー!』という台詞も、明るい日中に聞くと全っ然怖くナイ。完全に『何だ!?この気〇い婆ァ!』ってカンジで、もはや風景に溶け込んでます。
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見どころはもちろん『前半のヤマ場となる津山事件をどう演じてくれるのか?』ですが、今回はロングのショットを最後に使って淡々と描写していきます。『長閑な田舎の風景の中に乾いた銃声が響く』というカンジで『あっ!よく見ると事件あったンだ!』というくらいのイメージ。『人間の営みは自然の中ではごく些細なことである』と強く印象づける演出でした。
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後半の鍾乳洞のシーンは今回『祟りを怖れた村人たちがリンチに掛けようと主人公を追う』ことに重点を置き、結局は『祟りにおびえた村人たちの妄動』に終始させています。
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犯人は洞窟の中で亡くなるのではなく、収容された病院で亡くなりますが、これにもちゃんとした『伝説の科学的な解釈』が持ち込まれて、あくまで明るい理性の光に照らされて事件は解決し、最後に國村隼がつぶやく『なぜ人は愛を求めるんですかね』という台詞が心に残ります。
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これは現代に即した新しい『八つ墓村』の成立です!

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