私は中老男である。
コロナ禍の中。
恐ろしいことに外食をほとんど行っていなかった。
しかし、もういいだろうと本当にひさしぶりで先日「蕎麦屋」へ行った。
「鴨せいろ」を食べた。
・・・・とんでもなく「おいしかった!」
そして、決意した。
この年の瀬はしばらく我慢していた「蕎麦屋で一杯」をやると。
私の好きな池波正太郎のエッセイに、年の瀬にゆっくりと蕎麦屋で昼酒を飲るシーンが度々出てくる。
さすがに昼というわけにいかなかった。
早めに家を出るつもりだったが雑用で6時時近くなる。
外に出ると果たして「みぞれ」・・・。
しかも、目当ての蕎麦屋は歩いて「45分」かかる。
背に腹は代えられぬ。少々早足で店に向かう。
店に着くと7割ほどの混み様。
帰省客だろう。
まず「板わさ・おでん」と「グラスビール」を注文する。
「板わさ」はかまぼこを切って持ったもの。実は「鶏わさ」と間違えていた・・・。
それをつまみながらグラスビールを飲る。
しばらくして、アツアツのおでんが来る。
そのタイミングで「地酒の熱燗2合」を注文する。
わが地域は地酒王国である。
かつてはどんな小さな町や村にも酒造メーカーがあった。
その数110。(今は85程度に減ったらしい)
そのすべてが個性的でおいしい。
大抵の蕎麦屋には「おでん」や「もつ煮」などは品書きにない。
実はこの「おでん」や「もつ煮」で一杯やるのがあこがれだった。
こころよい酔いが回る頃、つまみと酒が終わる。
すっかり、満足して最後に「もりそば1枚」を頼む。
少々わざとらしい啜り音を立てて味わう。
蕎麦湯を注いだそばつゆを飲み終える。
これで3000円でお釣りがきた。
・・・ただ、さむ~~い帰り道には閉口したけどね。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、年の瀬にささやかな楽しみを見つけますように。
May
最初のビールが「グラス」で、もりそばを食べる時に「さらに1合の酒」を頼まなかったのが中老になった証拠なんだろうね。