私は初老男である。
ショーケンが死んだ。
もしかすると、若い人は「ショーケン」と聞いて誰か分からないかもしれない。
萩原健一は68歳で死んだ。
私よりたった10歳しか歳上でしかない。
本当のところ、ショーケンのことをそんなに好きだったわけじゃない。
私はそういう意味で「スキ」「キライ」のハッキリしているタイプだ。
ただ、ショーケンという人の存在は、間違いなく「昭和という時代」の象徴だった。
日本が高度成長期を迎えたその時に、そこここにいた「不安定な若者」の代表というべき存在。
彼の浮き沈みの大きい生き方が、昭和の男たちにはただ単に「カッコいい」だけのヒーローでは無く身近な存在と感じられたのは間違いないだろう。
そして、逝き方も彼らしい。
チャコが逝った。
チャコというだけでは、ショーケン以上に分からない人も多いだろう。
白石冬美は82歳で逝った。
うちのオヤジと4歳しか違わない。
ラジオ番組「ナチチャコ パック」を、私は聞けなかった。
ニッポン放送を中心に聞いていたからだ。
私の世代において「声優」という職業の人は、今より極端に少なかった。
ゆえにちょっと聞き慣れれば、その声優がだれであるかはすぐ分かった。
チャコこと白石冬美の声は、とても特徴的だ。
なかでも「パタリロ!」の声は、彼女の魅力がすべて詰まった名演技だった。
時は移り、すべてのことは「デジタル」で「リアル」なっている。
しかし、不思議なことに「アナログ」で「作り物臭い」ものにより大きなイメージや郷愁を感じるのは、私が「初老」だからなのか。
まもなく平成が終わる。
そして、内田裕也・ショーケン・チャコが新しい元号を迎えずに逝ってしまった。
それは「昭和の消滅」でもあるような気がする・・・。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、消えゆく昭和に想いを馳せますように。
May
平成だって結構長かったんだけど・・・。昭和はその倍以上あったからねぇ。