私は初老男である。
先回に続き「麒麟がくる」である。
以前から言っていたことがある。
大河ドラマは「サイドストーリー」の時代に入った、と。
今回の「麒麟がくる」は、まさにその「最たるもの」であろう。
過去の信長の描かれた大河ドラマを見たり小説を読んだりしていたなかで「?」と思うところは少なからずあった。
それが、こうしたサイドストーリーによって明かされていく。
非常にありがたい!
今回のドラマの主人公はもちろん「明智光秀」ではあるが、やはりどうしてもダブルキャスト的に「織田信長」を描かずには進まない。
前回の比叡山焼き討ちの件も、今回の筒井順慶と松永久秀の確執も、さらに信長が何故将軍義昭との関係が悪化していったのかも。
そうした部分が次々と描かれる。
信長の真に敬っていたのが「帝(天皇)」である。
その彼が「尊王家」であることがその後の室町幕府の滅亡、ひいては戦国時代を終わらせることにつながっている。
ここからは「妄想」になるが・・・・。
この幕府を敬いながらの「尊王」意識が、幕末の武士たちの「混乱(?)」に似ている気がしている。
(尊王攘夷や公武合体への意識の揺れ具合はマサにである)
日本の権力構造のおかしさは、世界的には多分ほとんど理解されないであろう。
中国の例を引くまでもなく、権力の頂点になるために武力・権力闘争を繰り返すのが当たり前である。
しかし、日本は権力と財力(租税権)を分離したまま№2を争うということに疑問を抱かずに時代を重ねてきた。
なぜ、武力の頂点に立ったものが「帝」になろうとしなかったのだろう・・・?
だた、それによって世界に類を見ない天皇を中心とした一度も歴史の途切れない国として存在している。
ドラマの中でも言っていたように「信長」という人が、突然変異的にこうして登場しなければ時代は進まなかったのだ。
その信長を歴史の表舞台に引き上げた光秀や、周りの人物たちはその気性に恐れおののいていたのは充分に理解できる。
それが、このドラマのラストにつながるポイントのような気がしてきた・・・・。
益々次回が楽しみになってきた!
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、サイドストーリーの面白さに気が付きますように。
May
今回も松永久秀(吉田鋼太郎)がいい味だしてるねぇ~~~。キャスティング最高!