Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『日本語のレトリック』

2016-04-24 22:16:04 | 読書。
読書。
『日本語のレトリック』 瀬戸賢一
を読んだ。

隠喩や直喩などポピュラーなレトリック表現から、
撞着法や含意法などの、
説明があってこそはっきり気がついたというような
レトリック表現まで、
30に分類して紹介・説明する本です。

もともと、
こうやってブログを書くひとではありましたが、
小説を書くようになって、
レトリック(修辞技法)というものを知りたい!
と思うようになってきたのです。
それで、この本を読みました。
さすが、言葉を扱う本なだけあって、
文章が巧みでわかりやすく、おもしろかったです。

とくに緩叙法の効果には、
そういやそうなんだよなあ、
とあらためて気がつかされました。
誇張法とちがって、控えめに、おさえていうことで、
逆にその言いたいことがはっきりするのが、
緩叙法なんです。
「ちょっと」だとか「すこし」だとかつけるのもそうだし、
「大好きです!」なんていわずに「好きです」
とだけいうのも緩叙法なんですよ。
ぼくは誇張法より好きかな。

一度読むだけでは、
30の修辞技法のすべてを覚えられないので、
折にふれて何度も本書を手に取れば、
いつのまにか、技法のマジシャンのように
なれるかもしれない。

例文には、夏目漱石や川端康成などの文豪から、
村上春樹、江國香織、筒井康隆ら現代作家まではばひろく、
名文を引用しています。

そこそこ難儀なところがあっても、
わかりやすい文章なので、まずは読み通せるでしょう。

物書きのエキスパートをめざすならば、
まず手始めにこの本から学ぶのもよいでしょう。


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