アウトドアな日常

インドアからアウトドアへのススメ

陸奥横浜駅

2015年05月19日 | アウトドアエッセイ その2

「線路の果てに旅がある」(宮脇俊三著)を読んでいたら、青森県大湊線の話が載っていました。

『沿線は、ゆるやかな弧を描く海岸線と同様に、あるいはそれを凌ぐ淋しいところに敷設された線で、マサカリ型の柄の西側、つまり陸奥湾の東側を行く。

 沿線は、ゆるやかな弧を描く海岸線と砂丘地帯で、地形は単純、人家も耕地も少ない。あの戊辰戦争のあと、敗残の会津藩士たちが移住させられたのは、この一帯の不毛の地であった』(本文より)

 大湊線に沿うようなかたちで自転車で走ったことがありましたが、雨、それも夜の走りであったため、景色などを見ることはありませんでした。

 海岸線を左に林を見ながら走っていた時に、お祭りののような騒ぎの音が聴こえてきたことがありました。灯もなく音楽が聴こえた時には、なにか淋しさを感じ、しかしそんな感情を引きずることもなく、ただただ今夜の寝床の確保だけを考えていました。(あれは幻想だったのだろうかと今でも思う時もあります。)

 陸奥横浜駅に着いた時には、どこかホッとして駅員さんに寝させてもらえるように頼みOKが出た時には、この町を生涯好きでいられるような予感さえもしました。

 ネットで、陸奥横浜駅を検索してみると、カラフルになったけれど当時の風情を残していたのを見たときには、この駅は終着駅ではなく途上なのだと自分の人生と重ね合わせたのでした。

コメント
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