石坂耕助の「獄門島」を借りてきて観ました。
これほど多く映像化されている作家は例がないのであろうか。
その魅力を探ってみると、おどろおどろしい物語り(人は皆、このような性質を持っている?)、そして対比するかのような金田一耕助のキャラクターなどが挙げられそうです。
しかし、事件に関係する人物が皆、死んでしまうというのはどういったことなのか?
作者は、人間の無常、業を描きたかったのであろうか?
果たして、事件が起きる前に金田一が解決したなら、これほどの人気は出たのであろうかという疑問もある。
人間の中にある、身勝手さ、理不尽さ、そしてひと皮剥けば般若の面をしていることを嫌でも感じることができる。
ただ救われるのは金田一耕助という愛すべき人間性でもあるのである。