島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

習得!

2009年04月11日 | Food
生地は、小麦粉、マンテカ(豚の脂肪)、オリーブオイル、お水で作ります。
中身は家庭によって異なるけれど、トルテラ家は、子羊、グリンピース、ソブラサーダ少量(マヨルカ産の豚の腸詰)、パンセタ少量(豚の脂身)が入る。
生地をのばして中身を入れる段階を作るのが、まず一苦労。
実の娘ではないのが幸いしているのか、怒られることはなかったけれど、手直し、手直し・・・・が続き、ついに4個目。
「これ、YUKOが作った?」

ドキドキしながら「・・・うん」といったら「これは上手。手直しいらないわ」といわれて有頂天になる私。
だんなも写真撮影をしながら「やっぱり日本人はすごいなぁ・・・」とわけの分からんコメントをする。

それからトントンと作業が進み、土台作りだけじゃなくて、中身を詰めること、ふたの部分を作って完成させることもやらせてくれた。
数年前は土台作りのみだったし、叔母も中身を詰めるときに「そんな詰め方じゃ、オーブンで型崩れする」といわれ、それ以来やらせてもらっていないとか。
というわけで、やりました!マスターしたわけです!

この写真はすべて私が最初から最後まで仕上げたもの。・・・ということが分かるように真ん中のパイにグリンピースを置いてみた。


でもですね。この量を6回作ったんですよ。6回!
つまり60個です。

で、お昼になり、お昼ご飯をご馳走になったあと、「少しお休みしたら?」といわれ、1時間昼寝させてもらい、なんで昼寝してるんだ???と思いながらも、ぐーすか寝てしまい、起きたらなんとお祖母ちゃんはロビオールの仕度にかかっていました。
もう生地も中に入れるジャム、クリームも出来ていたので(前日に仕込みしていたらしい)包むだけでよかったものの、これまた60個。
昼寝の意味がここで分かった私であります。


目で見て覚える料理、というのは、実際、自分ひとりで作ってみないと習得したことにはならないので、来週、だんなと二人でチャレンジ予定。


5人いる子供を飛び越え、孫の嫁、しかも日本人がこの伝統を継ぐとは、お祖母ちゃんも想像しなかっただろうね。
トルテラ家のエンパナーダは私YUKOが継がせていただきます。

ご指名エンパナーダ作り

2009年04月11日 | ファミリー
マヨルカでは復活祭前になると、エンパナーダという子羊のパイ包み、ロビオールというお菓子を家庭で作る習慣がある。
もちろん、お店でも一年中買えるのだけれど(そしてこの時期に値段がアップする)、この時期、家庭で作る、というのが伝統だ。

義父のお母さん、つまりだんなのお祖母ちゃんもこの伝統を大事にしている人の一人。
なんでも、彼女が若いときは、5人いる息子、娘の各家庭に20個のエンパナーダとロビオールを持たせたとか。
しかも誰の手も借りずに。


さすがにここ数年は各家庭20個×2というのは体力的にもきつくなり(85歳だし・・・)少数、末娘の手を借りて作るようになっている。
私もかれこれ3年か4年前にエンパナーダ作りを見たくて、お祖母ちゃん宅へ出向いた。完璧主義者のお祖母ちゃん、妥協は許さん、と、私と叔母が作るたびに成型しなおし、なんだかお手伝いどころか、かえって足手まとい????と思った数年前。
春休みは仕事があったり帰国したり、で、あまりこの行事に参加できないのだけれど、今年は暇だし、どうするのかなぁと思って叔母に電話してみた。

すると彼女は「この間、少しだけお祖母ちゃん(彼女の母親)と試作品作ったけれど、もう喧嘩になって大変。なんせやらせてくれないし、もう嫌よ。私はこの復活祭は息子を訪ねにボストンへ行くから、今年はきっとエンパナーダ作りはないと思うわよ」という。
そして早々と彼女はボストンへ発って行った。


いくらなんでもお祖母ちゃん一人では無理だよねぇ、といっていた矢先。
お祖母ちゃんから直々に電話が。

電話をとっただんなが私をちらちら見ながら「うん、うん、多分喜ぶと思うけれど、聞いてみるよ」といっている。

さて、電話の内容は・・・・

「今年はやめようかと思っていたけれど、YUKOが手伝ってくれるのなら、エンパナーダ作りをやってもいいと思って」

名誉なのか、プレッシャーなのか、よく分からないが、こんなチャンスはなかなかないから、OKと答え、今日早朝から行ってまいりました。

重労働ですーーーーー!!!
今週は80代にこきつかわれる週なのかもしれん・・・・

続く。