島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

ここは平和の極地②

2008年03月18日 | 日常
息子も沢山食べました。ねぎは食べなかったけれど、お肉をぱくぱく。

この敷地内には、鶏がたくさんいて、畑も見事で、今はソラマメがおいしいらしい。
「うこっけい」(変換できない!)という珍しい鶏がいて(全身真っ白!)この鶏の産む卵はひとつ500円くらいするんだ、と盛り上がる。

息子が一番喜んだのは、ねぎではなく、敷地内に止まっていたトラックター。
Tのだんなさんがサービスして乗せてくれました。
家に帰ってきてからもかなり興奮してたよ。

今週は飛行機にも乗るし、乗り物マニアの息子には嬉しい1週間のスタートでした。

ここは平和の極地①

2008年03月18日 | 日常
いやいや、マヨルカは基本的にいつも平和なんですが、ここ数ヶ月、個人的に色々ありまして、心身ともに元気になった今、楽しい仲間に囲まれてのBBQは格別なものがありました。

友人Tの招待でのBBQ.昨日はCalsotadasというカタラン地方で伝わる「ねぎ焼き大会」をやってくれました。
確かに招待客は多かったのだけれど、150本ねぎ(長ネギとポロねぎの中間のようなねぎ)を注文した、という大陸型注文。150本ってすごい数です、ほんとに。

このねぎ焼きで大事なのはSalsa、つまりソース。
伝統ソースをTの友人が作ってきてくれました。色はオレンジ色、なにが入っているのか、食べるのに夢中で聞くのを忘れましたが、色的に考えると唐辛子やナッツなどが入っているのでは・・?という感じのソース。
外側が真っ黒に焼けたねぎの焦げた部分を削ぎとり、白くやわらかい部分が出てきたら、ソースをたっぷりつけ、うがいをするように天を仰ぎ、口をパカっとあけてねぎを注入。馬鹿面に違いないこの格好で、これを何本も何本も食べるわけ。あくまで前菜だけれどね。
私は田楽味噌を作っていきました。これも当たり前だけれどねぎによく合います。

写真の二人は私のだんなと友人Iのだんなさん。
これを「平和」と呼ばずしてなんと呼ぶ!

息子編、続く。

Inmigranteの敗北

2008年03月14日 | ひとりごと
アプリコットの花が咲き出しました。梅とそっくりだよね。同じファミリーだものね。
去年は花が咲かず、実が生らなかったのだけれど、今年は杏酒、ジャムにTry!

さて、さて、さて。
暖かいコメントをいただいた移民の渡航問題。
今日、はっきり結論が出ましたので報告です。

知り合いの警察官、旅行代理店の友人、空港勤務の知人、などに聞いた時点では、私のスペイン滞在許可書でヨーロッパ内は自由自在に動けるはずだ、という共通のコメントで、これは私の勝利だな、ふふふ、と思っていたのだ。
が、上記の知人は、皆「空港のPolicia Nacional(内務省に属する警察)に確認を取ってからクレームだしたほうがいいよ」という。
要するに「100%確実ではないんだけれどね・・」という言葉を含ませている。

今日の午後、時間があったので空港へ行ってきた。
とても親切なPalicia Nacionalのおじちゃんたちが対応してくれ、下記の説明をしてくれる。

①空港、港を経由してどこかへ行く場合、たとえそれがスペイン国内であっても、スペイン滞在許可書のほかにパスポートを所持していない場合、渡航はできない。

②たとえ、ドイツ人、フランス人であっても条件は同じ。

③今まで渡航できていたのは、ラッキーだったのではなく、ここまで身分証明の提示が徹底していなかった、という理由。これが適用されたのはここ数ヶ月の出来事。

完全に敗北です。
能面女の言い分は間違ってはいなかったのだ。

悔しい・・か?????

負けおしみではなく、かえって「あなたは正しかった。本来なら飛べたのだ」といわれたときの悔しさよりは、なんというか、理由が分かってすっきり、という感じ。
本当に負け惜しみじゃなくってね!(サルコジのせいでもなかったです)

ただ、これを知っている外国人、どれだけいるの?
チケットを売る際、滞在許可書のほかにパスポートを必ず所持すること、という注意書きがネット上でも必要だし、内務省の人の話によると、ここ最近、かなりこの問題が出てきて、何回も応対したんだよ、という話だったので、新聞、ニュースで報じるべきだし、やっぱりチケット購入をしていながらカウンターで「あんたは飛べんよ」といわれるのは、よくないんじゃないだろうか。

というわけで、スペイン在住の皆さん、気をつけてください。国内でもパスポート所持です。
車で移動の場合はいらないらしいけれどね。

Inmigrante(移民)の受難 ←長いので時間のあるときにどうぞ。

2008年03月03日 | ひとりごと
           最近、手伝ってくれるようになった息子(本文とは関係なし)

どうして私は今、ここにいるのでしょうか・・・・・・?
本当なら今頃はパリのCNSMで弦楽器との仕事をしているはずなのです。CNSMというのはパリ国立音楽院で、日本では、最近話題の「のだめ」も留学したあの音楽院。余談ですが、すごくよく調べてあって、細部もちゃんと描かれてるよね、あの漫画。

さて、本題。
今回、私のフライトはAir Europaという会社で、マヨルカ→パリオルリー直行便。
予定通り土曜日の夜、1時間前にマヨルカの空港へ着き、チェックインしようとしたその矢先。
カウンターの能面女(そう見えたくらい無愛想な女だった)が
「パスポートを見せてください」

今までヨーロッパ内を移動するときは、スペインの滞在許可書を提示すればどこへでも行かれていたので、パスポートなんか持ってない。
「今まで、パスポート見せろなんていわれたことない。滞在許可書でOKなはずだ」といったのだけれど、規則らしく(いつからだよ!)今から20分以内(7時20分)にパスポートを持ってこなければあなたは今日パリには行かれない、という。

困るのだーー本当に困るのだ。
ここで押し問答しても埒が明かん、と、目の前に止まっていたタクシーに「20分で○○という村まで行ってここまで戻ってこられるか?」と聞くと、なぜか目をきらきらさせ「やってみようじゃないか」という。
参考までにいうと、空港から自宅まで、だいたい100キロで飛ばしても往復30分以上はかかる。
常識では「No、できない」というところを「Si!」といってくれたこの運転手を信じ、乗車。

「シートベルトをしっかりしめてつかまってくれ」

映画の「タクシー」って見たことありますか?
まさに、あの状態。吐くかと思ったくらい飛ばしてくれた。ちらっと速度をのぞいたら147キロと出ている。有難いけれど怖い・・

運悪く、パルマでは移動遊園地が来ていて、本来そんなに混んでいない通りものろのろ運転のファミリーがごった返している。
そののろのろ運転をじぐざぐ運転で追い抜き、空港に戻ったのが、なんと7時23分。
3分過ぎていたけれど、運転手さんが「俺が荷物持って走ってやるから、とりあえずカウンター行けー!」というので指示通りダッシュ。

能面女の前にはほかの便だろうけれど長蛇の列が出来ている。
横入りして、能面女にパスポートを突き出し、「持ってきた。3分過ぎているけれど乗せて!!!」といったのだけれど、表情ひとつ変えず「もうだめよ」と。

運転手さんが息を切らして私のスーツケースを持ってきてくれて「おい、3分だぞ(多分、彼の面子にかけて私を乗せたかったのだと思う)乗せてやれ」といってくれたのだけれど、能面は崩れない。

仕事先にとりあえず、今日中には着かないけれど、明日の朝一番で飛ぶから、と連絡をしたあと、ほかのチケットがあるか見てもらったのだが、なんとなんと・・満席。

シャルル・ド・ゴール到着でもいいんだけれど
どこ乗り換えでもいいんだけれど

ないのだ。みんなパリになにしに行くのよー

パリ行き、とりやめ。仕事の調整(かわりのピアニストをたてなくてはいけない)の電話で1時間ほど空港にいたあと、
「いつからパスポート提示しなくちゃいけなくなったのか、教えろ!」という怒りがこみ上げてくる。

すでに疲労はピークに達していたけれど、もう一度Air Europaのカウンターへ行き、能面女の隣にいた人のよさそうなおじさんに、わけを話し、状況説明してくれ、という。
すると「ここ数週間でそういう決まりになった(ほんとか?)。きみのカードはスペイン国内は動けるがEU内は動けない」という。
「この間、ドイツに行ったけれど、問題なかったぞ」というと
「フランスはだめなんだ」という。
おいおい、ドイツもフランスも同じEUなんですが。

すると「うん、サルコジがね・・」

へ?サルコジのせいなの?
サルコジがサパテロ(スペインの首相)を信用していないために作った新しい移民対策の?

サルコジだかサパテロだか知らんが、そう決まったなら、連絡くれなきゃ、わからんでしょう。今まで飛べたんだから。

週が明け、本日月曜、チケットを買ったネットの会社に電話。状況を説明したら「そんな話、聞いたことない、格安チケットなので全額返金はできないけれど、Tasa(空港税)は戻します」といってくれる。
そして「Reclamacion(苦情、異議申し立て)やったほうがいいわよ」。
出た!reclamacion! スペインでは常識のreclamacion!
時間の無駄になる可能性もあるけれど、ネット会社が「Aie Berlinではパスポートなしでも飛ばせてくれて、Air Europaはパスポートがなくては駄目なんて、筋が通ってないじゃない」というし、確かにその通りだと思ったので、わたくし、reclamacionすることにします。

あーあ、仕事の人には申し訳ないけれど、仕事のほかに今回はオペラに行く予定だったのよね・・半日フリーだったので、友人の出る「パルシファル」初日のチケットを用意してもらっていたのに。
くすん。くすん。

スペイン人と結婚して永住権があっても、移民は移民です。はい。