島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

送る気持ち

2012年03月30日 | ひとりごと

22歳のとき、かれこれ17年前ですが、私は日本を出ました。

1995年7月にあったドイツのフライブルグ音大の受験のため、出国したのは6月4日。

成田空港には、両親、妹のあーちゃんのほか、芸大の同期生が見送りにきてくれた。

ゲートをくぐるそのとき、同期の友人が号泣した。

一人で行く海外。不安はいっぱい。泣いてる場合じゃない私はそのまま荷物を片手に飛行機へ乗り込み、ひと段落したとき、友人がくれた手紙を開いた。

励ましの言葉が沢山書いてあったその手紙を片手に飛行機で一人涙。隣に座っていた人(出張で慣れてる感じのおじさん)が「一人で初めての海外ですか?」と聞いてきたくらい、長いこと涙を流した。

そのとき渡された手紙は今でも大事にとってある。

1997年9月。留学期間を終え、NadalのいるMallorcaへ渡ることに。出発は9月16日。

このときも、フライブルグの中央駅まで音大の友人たちが見送りにきてくれた。

小さいころからじいちゃんの仕事の都合で転勤が続き、見送られることに慣れてきた私。

そんな私が、おそらく初めて人を見送る経験をしました。

マヨルカの数少ない気心知れた日本人友人の一人、たまき。

彼女が来週からペドロの仕事の都合で本土のムルシアへ引っ越すことになったのです。

このBlogでも何度も登場しますが、完全なる信頼をよせるたまきといずみさん。スペイン人の友人にも恵まれながら、心の支えとなっているのは、やはりこの母国語仲間。

ナルを身ごもっている時からのお付き合いなので、かれこれ8年???に渡り、苦楽を共にした友達です。

ムルシアは近い。飛行機でいけばたかだか40分の距離。

でも正直、とっても寂しいです。小学生みたいな感想ですが、この言葉しかない。寂しい。

見送る人の気持ちをしみじみと味わっています。

また近々会おうね。そしてありがとう。

 


Basel-Freiburg-Mallorca

2012年03月26日 | 日常

先週の日曜日から仕事で2泊3日、Baselへ行ってきました。

Baselはスイスとドイツの国境にある街ですが、私が留学していたFreiburgからは車で1時間の距離。岡部ファミリーも住んでいるので、滞在先は岡部邸。

Baselには教え子たちが留学中。月曜日のコンサートのあと、打ち上げで。

で、このあと、一緒に行った同僚ロドリー、フランスからかけつけたロドリーの奥さんパスカル、聴きにきてくれた岡部あっこちゃんと一緒に、BaselのProfであるマルクス・バイス氏のお宅へお邪魔したのですが、そこで私たちを待っていたものは

じゃん。こちら。このBlogでお馴染みの生牡蠣。

パスカルがボルドーから手荷物で持ってまいりました。でかした、パスカル!!!

興奮状態のあっこちゃん。「Blogで見ていた牡蠣ーーー!!!」と。

不思議な組み合わせです。友達の友達はみな友達、という、まさに「友達の輪」が実現。

翌日は私はフリーで、フライトまで時間があったので、ダッシュでフライブルグ市内へお買い物に。

 

フライブルグは2年ぶり。いつ来てもなごみます。このところ、負のオーラ全開だったのですが、ビタミンを沢山吸収してきました。何ヶ月かは生き延びれる予感。

 

気になったスニーカー。重量限定のEasyjetで飛んできているので大きなものは買えません。

右となりはナツメッグ挽き。デザインもナイスで欲しかったのですが、在庫切れ。5月に遊びに来るあっこちゃんに持ってきてもらおうっと。

結が生まれるまでは、少なくとも3.4ヶ月に一度は島の外に出ていたんだよね。結が生まれてから島滞在期間(・・・って住んでるけれど)が延びてきて、落ち着いた生活をおくるようになったものの、やはり限界があるらしく、たまにこうやって外の空気を吸うと、島の生活も悪くないとポジティヴに思えるようになるみたいです。

今週からサックスフェスティヴァルが開始。今日月曜日はその地獄が始まる前の唯一の休暇日。

前から予約をしていた乳癌検診、健康診断を朝一ですませ、やっとありついた朝食。

あまりの空腹(11時)に、最近カットしていたボカディージョを思わず注文。パルマ市内にあるよく行くBarなのだが、ここのサンドイッチはいけます。

街をぶらぶらして、美容院へ行って、充電終了。フェスティヴァルのあとは、10日ほど復活祭のお休みに入り、そのあと、1週間アンダルシアツアーです。


助手席より

2012年03月02日 | 日常

運転中は「綺麗だなぁ」と思っても写真を撮るわけにはいかないので、今日はずっと助手席でi-phoneを持ち車窓をおさめてみました。

パルマ市内から我が家へは「山」に向かって車を走らせます。もちろん反対側へ車を走らせると海へ到着。

この向かいの山の中腹がValldemosa、ショパンがサンドと療養に訪れた、24のプレリュードを書いた村です。

Valldemosaへ向かう車道の右側に小さな教会が現れます。そこを右折。ここから5分で我が家です。

まだ満開のアーモンドの木。

よく通行止めになる家へ向かう車道。大雨のときはこの通りが水浸しになり(理解不可能)家は完全孤立。

羊も気持ちよさそう。ですが、たまに車道に出てくるので要注意。どれだけ田舎か分かってもらえるでしょうか。

我が家に来る人には「市道に入ったら、ギアを1にかえてね」と必ずいいます。免許をとりたてのころはここで何度もエンストを。さすがに今はありません。

久々の助手席、でした。


園芸でストレス解消!

2012年03月02日 | 日常

今日は平日ですが、子供たちは連休。Nadalが有給をとったため、私も来週補講することにし、家族4人でまったり過ごそう、と計画していました。

が。

重なる仕事上のトラブル、そしてカタラン語のレポート提出、来週に控える某政治家とのミーティングの準備、と、完全に私のキャパを超えたここ数週間。とうとう

どかん!

と、大爆発。

久々の大粒涙の大洪水。

普段「どうにかなる」「なんとかなる」「なんとかしてみせる」と、わりとポジティブな私ですが、やはり限界があり「どうにもならない」「なんともならない」 「頑張る気力がない」と、ごろごろと坂を転げ落ち、最終的に大きな穴、先の見えない真っ暗な穴へ落ちていく感覚。これ、ない人っているのかなぁ。そうだったら心底羨ましい。

こういうときは家にいてはいけません。練習もしちゃだめ、机に向かってもだめ。

・・・と考えられる、ということは、まだ大丈夫なのだろうか?

天気もいいし、そうだ、今日はガーデニングだ。

雪焼けしてしまったいくつかの花たちを植え替えよう。

 

さすが南国。マンゴーの木が売っている。

ハーブ売り場には「カレー」のハーブも売っている。初めて見たけれど、しっかりカレーの香り。あたりまえか。

だんだん気分も上がってきて、これは美味しいレストランでランチをしたら、また数週間(・・しかもたない・・・)楽しく過ごせるはずだ、と、自分を盛り上げ、お気に入りレストランへ。

晴れててよかった。家族がいてくれてよかった・・・感謝。


春、そして中華

2012年03月01日 | 日常

ここ1週間、コートいらずのぽかぽか陽気が続いています。やっと春、かな。

例年だと1月の末から2月にかけて開花するアーモンドの花も、この冬の寒波の影響でほぼ1ヶ月遅れでやっと満開。おそらく来週にはもう花が落ちるかと思われます。

家の前の車道は、両側アーモンドの木が密集している区域で、この時期になると、よく車がウインカーなしに突然止まり、おもむろにカメラを取り出し撮影会、というシーンに出くわすのだが、これがはたまた迷惑。第一とても危ないし、急いでいるときなんてかなーりイライラします。ま、自分たちも知らない土地に行って似たようなことをやっているのかもしれないけれどね。

家にあるアーモンドの木は嵐などで枝が折れたり、相当大きかったものは安全のためと枝の剪定をしたり、と、今年はあまり見事ではないのですが

 

  

ゲストルームからは窓を開けるとアーモンドの木がちょうど目の高さに来て、なかなか綺麗です。ゲストは今いないけれど。

さてさて。本日3月1日はバレアレス州の祝日。よく分からんが祝日。ご飯作りが面倒なので、お気に入り中華のテイクアウトを。

ここ、外から見ても中へ入ってもかなり怪しいのですが、味はかなり本格的。そもそもここの存在を知ったのは、友人のいずみさんが「美味しい厚揚げ豆腐が食べられる」と教えてくれて、それから何度かいずみさん、たまきとランチをしました。いずみさんは、島在住の音楽家夫婦K夫妻と一緒に行ったのが始めとか。Kさんに感謝です。 

今日行ったらさすが祝日。超満員。テイクアウト組が3組、店内は満員で外で待っているグループが二組。美味しいのに加え、とにかく安い。4皿頼んでも20ユーロいかない。つまり、家族4人で行っても飲み物合わせて25から30ユーロで食事ができてしまうのです。

店内はなんのかざりっけもありません。

もう何度も行っているので顔は知られているのですが、なぜか男の子たちはわりとフレンドリー、女の子は怖い・・・前に行ったときは「中国茶いる?」といわれ、それがジャスミンティーを意味している、と分からなかったため、「いらない」と答え、その後「ジャスミンティーください」と頼んだら、あからさまに大きくため息をつかれました。「だからさっきいったじゃねーか」って感じで。怖いよぉ・・・

 

儲かっているのか、メニューが綺麗になってました。待っている間、この漢字の網羅とスペイン語を照らし合わせて解読するのが結構楽しい。

店内にはテレビがあって中国の昼ドラみたいなものが流れていたり、ニュースをやっていたりするのですが、意味は分からないのにじっと見入ってしまう。スペインのドラマより面白そうな感じがするのは気のせいか。

スペイン人のお客さんはかなりラフな人が多く、ジャージ姿をちらほら見るのに、中国人のお客さんはたまにびっくりするようなセレブ集団がいて、今日も遭遇。中国のセレブは例外なくロン毛&巻き毛、そしてピンヒールです。

パルマ市内なので家から車で20分くらい。とても重宝しているお店のひとつなのだが、なぜK夫妻がここを発見できたのか。どうして「入ってみよう」と思ったのか、それが知りたい。誰かの推薦がなかったら、絶対入らない店だと思うのですが・・・・