島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

勤続25年

2023年07月31日 | Music
私が島に来て最初に得た仕事。
1998年から25年間勤めた合唱団を退団しました。来年70歳を迎えるJoanがこの8月のコンサートで退団するため、新しい指揮者と続行するか、一緒に辞めるか、年明けから迷いに迷いました。

新任指揮者のオーディションは5月にあり第一次審査はピアノ合わせ、二次審査はピアノと合唱、そのあと初見やらアカペラやらが最終審査であり、私はニ次まで担当したのですが、膨大な課題曲にまず目眩、ほとんどの曲をやったことあったのが幸いでしたが、ストラヴィンスキーには泣かされました。
最終審査を通過したのはカールスルーエで合唱団を持っている女性指揮者。
私より一回り若いかな。
世代交代、という意味では私も交代するのは悪くない。一区切りという意味も含めて。

家族のように接してくれた団員ともお別れです。個人的にこれからも会いますが、週二回の練習日に同じ場所で顔を合わせるということはなくなります。
団員には私も退団することは伝えていなかったのですが、練習最終日には伝え、最後に私のリクエストでフォーレの曲を合わせ


途中から全員号泣…


数分後には爆笑していた私ですが、Joan,団員には感謝の気持ちしかありません。


常に持ちつ持たれつ、の関係でした。何回も書いていますが、マヨルカの人はあまり外部からの人に心を開かないと批判されがちですが、私が今まで一度もその感覚を味わなかったのはもちろんNadalといることに加え彼らに島に来たての時に知り合い言葉も拙かった私をすぐに受け入れてくれたから。

25年に拍手。
25年に終止符。


兄ちゃん出発

2023年07月31日 | 日常
兄ちゃんネタ続き。

ファッションショーから4日後、



剣道修行のため、大阪体育大学へ。
スペインナショナルチームの監督さんの紹介で受け入れてもらい、大学寮で同じ歳の学生さん達と剣道一色の夏を過ごす。
島でいくつかバイトをしてお金を貯め、円安万歳で出かけて行きました。

空港までお見送り。
ミュンヘン乗り換え、関空到着。
そこまでは心配していなかったのですが、関空から最寄駅まで行かれるのか、無事お迎えの人に会えるのか、連絡があるまでドキドキ。旅慣れている兄ちゃんですが、ヨーロッパ内と日本ではこちらの心配度が違います。

と。
「着いたよーいきなりミーティングがあって紹介されて学食で山盛りカレーライス食べて今友達の部屋にいるよー」

…きみはどこでも生きていける

監督さんからは時差ボケ、疲れもあるだろうから翌日の稽古は午後からでいいよ、と言われたらしいのですが

朝6:00に起き6:30に自転車で道場まで行き7:00からの朝練に行ってきたらしい。普段起こさなければ11時まで起きないので本人もびっくりしたらしく、

ママ、気合いだよ気合い!

と得意がっていましたが

兄ちゃん、それは単なる時差ボケ…

何はともあれすでに3週間経過。
毎日2回の稽古があり、対外試合があり、剣道部は全寮制なので友達がたくさんでき、毎日日本語を話し、時間があるときは大阪中心部までみんなで出かけ、粉物を食べまくり、焼肉だー寿司だーと楽しすぎるみたいです。外食だけだとお金が続かないので自炊もしているらしい。得意のパスタを作って喜ばれたらしいのですが

白ワインある?とか、ペコリーノは売ってないの?とかいう質問に寮生を驚かせたらしく

日本でペコリーノ買うんだったら外食の方が安いのであります

という事実にビックリするスペイン人。カルチャーショックも留学の醍醐味。

9月の半ばまで日本です。
兄ちゃんのいない夏。こちら、やることが多すぎてまだ寂しさはないのですが、家が静か、家が綺麗、と微笑む母であります。

ファッションショー

2023年07月26日 | ファミリー
兄ちゃんは昨年の10月からモードスクールに通い始め、服飾デザインを勉強しています。

学期末試験、一年生はワンルック、二年生6ルック、三年生8ルックをデザインしてファッションショーに出す、という課題があり、初心者一年生はてんやわんや。このほかの課題もあるので締め切り間際は学校でひたすら作業をし、3日間徹夜、なんてこともありました。

デザイン画を提出したのは春前。そこでまず審査があり、パターンをおこし、裁断、裁縫と進みます。


途中経過をクラスメートに着てもらったりして


最終段階で布を染める。これも独自のアイディアです。
自宅で染めました。


モデル探しも自分で手配です。身長170cmの女性、という条件で知り合いのそのまた知り合いの家族、みたいな感じでぎりぎり調達。

そして発表日。
朝8時からモデルさんたちとの打ち合わせ、ヘアメイク決め、リハーサルなどがあったようで家には居ず、会場30分前には着いていた方がいいよ、と連絡をくれ早目に三人で会場入りすることにしました。

兄ちゃんの作品がどういう形で完成されたのか、三人ともワクワクです。


30分前ですが空席はなし。大盛況。


立ち見で待ちます。

一年生ルックのランウェイ。


デザイナー登場


モデルの手を取り一緒にランウェイ




立派でした。長い時間をかけて一から作り出した達成感があった感じ。ルックもカッコよかった。

二年生からはやはりレベルが上がります。


こちら三年生。




ファッションクラスは15-18名で入学したはずなのですが、一学年を終えたのはわずか8名。三年生は6名しか残っていない。とにかく過酷すぎてギブアップする人が多いらしいです。入学時はファッションが好き!でいいのですが、現実はそんなに甘くない。
そんなわけで三学年全員顔見知りで放課後も一緒に作業したり、アドバイスをもらったり、いい刺激を受けているみたい。

終了後の兄ちゃん。


人前に出るのは嫌いじゃないはずなのですが、足が震えるほど緊張したそうです。


長身のモデルさんと。
もちろん本業のモデルさんではないし、ランウェイなんてやったことないらしいのですが、そのへんはこちらの人らしく、ちゃんと成りきってくれて素敵でした。


また新たな部分を開拓中の兄ちゃんです。














氷河を見る

2023年07月25日 | 旅行
最終日。
毎日2時間近くかけて朝食をいただきました。普段朝ごはんは食べないのですが、しっかりお昼ご飯も込みの量を毎日お腹におさめ大満足。
あのチーズの豊富さは忘れられない。

12時前にチェックアウト。
オーナーさんがそれぞれのお客さんに挨拶をしにきます。

さて。
帰路に着く前に。村から出ている前日とは違うゴンドラの駅へ。

今日は2700mまで登り氷河を見ます。

一定の高さを超えると木々が姿を消しワイルドな岩肌が現れます。


ここはどこだ!
生まれて初めて見る氷河。マヨルカから飛行機でドイツ、フランスに行くと必ずアルプスの上を飛ぶので氷河は上からは見たことはあるのですが、今回は氷河の上に立ちました。


展望台から下の村を眺める。高所恐怖症の私は柵からだいぶ内側からの屁っ放り腰の撮影。
氷河の一部には分厚いシートがかかっていてどうやらこれは地球温暖化の影響で氷河が解けるのを防ぐためらしいです。昔はおそらく夏でももっと雪が積もっていたんだろうな。




ラム酒入りコーヒーが身体に染みる。標高が高いので息も浅くなります。



50歳旅行ラストは氷河でした!
また健康に○歳記念旅行やらないとね。

これぞスイス!

2023年07月24日 | 旅行
三日目。青空が広がっています。
今日はゴンドラで標高2000mまで上がり、そこからゆっくり村まで降りてくるコース。予定所要時間5時間。



Waldhaus を上から眺める

ゴンドラからの眺め。

ゴンドラから下りて広がる風景は




こちら。
時間が止まっているんではないか、というような空気の流れ方。至近距離の牛たち。
ゆっくり下山します。エンドレスでおばちゃん達は次から次へと話題を変え爆笑しながらのトレッキング。



氷山も見えます。

順調に下山し最後にキツイ登り坂がありその先にホテルがあるのですがこれが極めつけ。膝がガクガクです。
もちろんこの後はサウナ、読書、プール。
ほとんどの宿泊客がトレッキングを目的にしてくるためか、部屋の外に登山靴を出しておくとクリーニングしてくれるサービスがありました。これは非常に助かった。

着替えて夕食。このルーティン、やめられない…



長年一緒にいるから?アクセサリーや色が被っている別室宿泊おばちゃん。

明日は最終日。











ニーチェの散歩道

2023年07月23日 | 旅行
二日目は曇り。
ホテルからニーチェが歩いた「ニーチェの散歩道」に向かいます。




天気が悪くても幻想的な風景



湖の対岸からWaldhaus を眺める








再びホテルでサウナ。
夜は昨日とは違うレストランで。










中庭でグリルしたサーモンや、スイス産牛肉を堪能した後は、村の教会へヴァイオリンとピアノのDúoコンサートへ。ヴァイオリニストはあきこさんの知り合いで偶然ホテルでポスターを見つけ、足を運びました。
予定外のプレゼント。説得力のある曲のアプローチ、ずっと聴いていたい暖かみのある音色(楽器もすごい!)、まだ若いアーティストですがこれからが楽しみです。
さて、三日目は山へ。





Waldhaus Sils Maria Engadin

2023年07月23日 | 旅行
さて、行き先は。
スイスのEngadinにあるWaldhaus。
1908年創業以来の家族経営で今のオーナーで5代目だとか。
ニーチェが住んでいた村でもあり、ニーチェを崇拝していたヘルマン•ヘッセ、トーマス•マンがこのWaldhaus を執筆のための定宿にしたそうです。

フライブルグからあきこさんの運転でバーゼル、チューリッヒを通り南下していきます。

スイスはとにかく道中が美しい。高い山々、突如現れると湖、これだけで島人の私は感動です。



朝10時にフライブルグを出て、途中ランチ休憩をドライブスルーでとりました。このドライブスルーのある場所は以前にも来たことあるハイジランドという村。あまりにも綺麗でフードコートの質も高くさすがスイス!です。

Waldhaus 到着14:00. 
ホテル内の説明をまずは受けます。創立からある図書館やサロン、レストランなどを見て各自部屋へ。前回もそうでしたが、のんびり過ごすために別室。仲が良いのか悪いのか、という指摘もあるんですが、仲は良いはず。



老舗ホテルらしく廊下の幅が贅沢。

私の部屋からの眺め

廊下からは村が見えます。

とりあえず周辺散策。






Netflix でハマった愛の不時着のロケーションみたい!と盛り上がるミーハーおばちゃん。空気が美味しい。
このあと、ホテルに戻り、サウナへ。あきこさんはサウナはお手のもの、なのでビギナーの私にサウナのたしなみかた、を教えてくれます。最初はただただ暑いだけで、これは拷問なのでは…と思いましたが、すぐに慣れ、なるほど、こういうリラックスの仕方もあるのか!と開眼です。横になれるスペースでサウナ後は本を読んだり、プールに入ったり。いやはや、贅沢。

館内のレストランでディナー。その後はサロンでお酒をいただき就寝。50歳、いや51歳、悪くないねえ。
翌日からはトレッキングです。



振り返る楽しみ

2023年07月23日 | 旅行
5月にパリに行ってその後はひたすら仕事をし、子供達も各自忙しく、Nadalとも夜しか顔を合わせることなく…そんな1ヶ月をおくりました。
今現在、7月23日。昨日から私は完全に夏休みに入り、朝起きて、さて、今日は何をしようかな、と考える贅沢な時間をもらっています。というのも、子供が一人いないのです。Nadalは仕事だし、ユイは来週あるコンクールの大詰めで練習室に行っているし、家はシーンと静まり返ってしかも気持ちよく家が整理整頓されている(これはナルがいるか否かで激しく変動します)。こんな夏休みは初めてかな。

振り返り第一弾は50歳おばちゃん旅行からスタートです。
去年の秋に行き先を決め、ホテル予約をし、お金を貯め…長期計画旅行。
あきこさんと40歳記念旅行をした際、10年後もやろう、ということになり、有言実行です。二人のスケジュールがなかなか合わなくて2023年の6月末ということになり、私は一歳はみ出していますが、あきこさんは誕生日が9月なので、まあ50歳記念にはなるでしょう、と決断。
私は出発一日前の夜まで仕事で次の日朝4時起き。6時過ぎの便でバーゼルに飛び、フライブルグのあきこ宅に前泊。そして彼女はその日もがっつり仕事をしていました。不思議な曲の練習が階下からエンドレスで聞こえて来ていてすっかり旋律を覚えてしまった…


一人、懐かしのフライブルグを散歩し、いよいよ翌日からおばちゃん旅行です。