少しブログをお休みしていました。わりと時間の使い方がうまいほうだと自負しているのですが、ブログする時間があったら早目に寝たほうが翌日が楽である、という数週間をおくることになり・・・・ま、でもまた一段落したのでアップです。
今週末はフルーティストMario Caroliを迎えてのマスタークラスを行いました。
ん?フルーティスト????
担当するサックス科。よく勉強し、よく吹き、賞を総なめにする子たちですが、なにせなにせ「バロック」「クラシック」といったいわゆるほかの楽器の人が「基礎」とよぶ曲がレパートリーにないため、偏ったレパートリーを持ち、和声の勉強もいまひとつだし、このままいくと、本当にサックスの世界しか知らない「馬鹿」が出来上がってしまう・・・・と危機を乗りきるため、3年前から1年に一度、ほかの楽器の先生を招待し、編曲ものを扱ったマスタークラスをやろうじゃないか。
ということになったのです。はい、発端は私です。
ただ、この先生の選択が難しい。え?俺らの曲をサックスで??冗談じゃないよ、聴いてられっか、的な、ま、いわゆるスタンダードな考えのお方はおよびできない。お、サックスでやると斬新だねぇ、といって、乗り気でレッスンしてくれる人。
これまで、フランスからアラン・ダミアン(あとで知ったが、高校の同級生、現N響クラリネット首席奏者の松本健ちゃんの先生だった!)スイスからオーボエのトーマス・インデルミュラー(マヨルカでも教えてます)、そして今年がイタリア人のマリオ・カローリ(彼はフランスのストラスブール、スイスのルガノのコンセルヴァトワールにいます)を招待して、うちの子供たちをばしばし指導してもらっています。
オリジナル曲がすべてサックスではなく、フルートやクラリネット、またはヴァイオリンやチェロだったりするので、生徒は大変だけれど、1年に一度だけ、うちの科から「バロック」や「クラシック」が聞こえる1ヶ月になるわけです。当然私もとーーーっても楽しい。
図的にとても妙ですが、テレマンをレッスンしてもらっています。
これがうまいんだなぁ・・・・一同うっとり・・・・
ちなみに、このマリオ、先週は東京のオペラシティでシャリーノのコンチェルトを吹いてヨーロッパに戻ってきたばかりのところをマヨルカに来たため、まだ時差ぼけが抜けない状態だったのに、ぶっつつけ7時間×2日間、という中身の濃いマスタークラスをやってくれました。
金曜日の午後はカンファレンスがあったのですが(これはマリオではなく、音楽学の先生がビルバオから来てくれました。)うちのコンセルヴァトワールは音楽教室と大学をひとつの建物でまかなっているため、午後は小さな子供たちでいっぱい・・・といわれ、急遽我が家でカンファレンスをやることに。
密度濃し。
そのあと食事、というのがいつもの流れなので、じゃ、面倒だからうちでやる?ということになり
冬なので、室内ビュッフェ。いやいや、密度濃すぎる。
次の日の早朝からレッスンなので、お開きも11時、と優等生。
無事に土曜日のマスタークラスが終わり、Prof陣と我が家というメンバーでパエリアを食べに行き、家でまったりしていたのですが。
ここからの2時間ほどが、地獄でした。さてさて・・・・
土曜日の朝刊の一面を飾った記事。
「SPANAIR倒産か!すべてのフライトを事前通知することなくキャンセル!!」と。
SPANAIRというのは、スペインの航空会社。ほとんどの人がインターネットでチケットを予約する今の時代ですが、金曜日の夜までチケットを売り続けたSPANAIR,そして突然の全便キャンセル。もちろん返金なし。なにせ倒産するわけですし。
マリオの便はルフトハンザと聞いていたので、このニュースはひどい、と思いつつも他人ごとであったわけですが、ふとNadalが「どこ経由で帰るの?」という話になり
聞くと、パルマ→バルセロナ、バルセロナ→フランクフルト、フランクフルト→ストラスブール、という待ち時間を含めると12時間のフライト予定。距離的にはわりと近いんだけれどね。
そうか、それは大変だ。待ち時間はネット時間だね~、なんていっていたのですが、Nadalは「パルマ→バルセロナで、ルフトはありえない。提携便じゃないの?」とネットでフライト状況をチェック。
するとです。
やはり予想通り提携便。バルセロナ→フランクフルトはOKでも、そこまで行く航路がすべてキャンセル。
笑っている場合じゃない。慌ててフライトを手配。これがないのないの。みんな同じことをやってるからね。
最終的に、全便キャンセル(ドイツまでのも、そこから先のも)が条件で、マヨルカ→フランクフルトをルフトハンザで、そのあと、フランクフルト→ストラスブールをルフトハンザの長距離バスで、というルートをおさえることができたのでした。やれやれ。
ただいま、多額の損害賠償を強いられているSPANAIR. 売った分は飛ばせよ、って思いませんか?
数時間マヨルカ滞在が延びたマリオ、来週に控えている演奏会の練習をする、と、数時間、我が家にフルートの音が心地よく響き渡りました。
ゲストルームの外で練習するマリオの音に聴き入るナル。子供でも分かるもんなのね。
マリオはドイツのあっこちゃんと一度マヨルカに演奏会で来てもらったときに知り合いました。こんな素敵なフルーティストにめぐり合わせてくれたあっこちゃんに感謝。うちの科の14名の生徒は、完全に彼に惚れ込み、飛行機が飛ばない!とFacebookに載せたら、「問題なし!明日もレッスンしてくれ!」という返信があったくらい。
うちの子供たちもべた惚れでした。私も3日間、中身の濃い音楽の話が出来て、充実した週末になりました。とにかくよく話し、よく笑った。
さて、また来週から現代音楽へと戻ります・・・・ふえーん・・・