数年前から、
桜の季節には作ってみようと思っていたものの、
なかなか材料(桜の花)が手に入らず、
挑戦できなかったのが結婚式場などで出される「桜茶」。
今年はその材料(八重桜の品種で「カンザン」)が手に入ったので、
「桜茶」作りに挑戦し、先日何とか完成した。
カンザンの花で7~8分程度開いたものを摘み取り、
水で洗いながら「鱗片葉」や「花柄」を取り除き、
よく水を切って、まずは軽く塩をまぶしておく。
この後必要なものが「白梅酢」で、これがなかなか手に入らないが、
私の場合は毎年梅干を作るためその副産物としての「白梅酢」を保有している。
梅干を作るときに梅干の色付けとして「赤紫蘇」を使うことが有るが、
紫蘇で染まった紫色の梅酢は「桜茶」には向かない。
紫蘇の香りが強すぎて折角の桜の香りが飛んでしまうのである。
梅酢は、新ショウガや茗荷、紫蘇の実などを梅酢で漬けると色よく仕上がり、
梅酢を煮詰めれば梅の香りがする「梅塩」を作ることが出来る。
桜の花の漬け込みは、
普通の市販品のバネの力を利用した漬物容器が便利で、
塩をまぶした花がひたひたになる程度に梅酢を入れて漬け込む。
色々漬物の面倒を見ながら一週間程度花を漬け込むと、
花から余分な水分が抜け、嵩が5分の1程度に減少する。
大ざる一杯の花は下の写真程度になってしまった。
漬け込んだ梅酢には桜の香りが移り、
且つ桜の赤い色にも染まり、何かに使えそうなのである。
塩分が強いので「夏場の炊き込みご飯」の味付けなど・・・あるいは「桜ご飯」?
漬ける前は桜の香りは無かったが、
漬けあがると、桜餅を包む桜の葉のような香りがしてくる。
干し籠で干すために並べていると、桜の香りが部屋中に漂った。
(桜餅を包む桜の葉はオオシマザクラの若葉を塩漬けしたもの)
干すときに更に塩をまぶしたのでなかなか乾きにくかったが、
塩の量を多くすることで腐敗防止になるので、この方法はお奨めである。
完成した「桜茶」
香りがいいので早速「桜茶」を試した。
70度ぐらいのお湯を注ぐと、いい香りが湯気と共に広がった。
が・・・・
桜の色が消えて白い花に変身してしまった。
味は・・・
桜の香りがする「塩味」の飲み物・・・当たり前だが。
「桜茶」の香りを愛でながら
巻頭の写真のような春の桜に思いを寄せることができれば、
「日本人」のDNAを感じ取ることができるかもしれない。
夏場にはサイダーに入れると面白いかもしれない。
桜の香りはどうしても「桜餅」のイメージが強いので、
甘いものに合わせると意外にいけるかもしれないのである。
で・・・
この発想をテストするためには、
条件として「真夏日」とか「熱帯夜」が必要なので、
8月ごろには報告したいと思う。