高浜虚子に「盛りなる花曼陀羅の躑躅かな」の句がある。虚子がどこで詠んだかは知らないけれど、この季節、信濃を旅することは花々の曼荼羅世界に迷い込むことであった。例えば北信濃の小布施はツツジこそ未だであったものの、サクラ、モモ、ボケ、リンゴ、ヤマブキ、ハナミズキと、咲き誇る花弁の競演にむせ返るばかりである。野良の道を行っても、こぎれいな街の賑わいの中にあっても、我が身は花曼荼羅の1片なのであった。 . . . 本文を読む
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