4x4ドライビングというジェネラルな領域から、エクスペデッションという絞られた領域に焦点を合わせると四駆に対する理解が整理出来る。英国人の自動車冒険家であるトムシェパード氏と米国人のジョナサンハンソン氏の共同著書であるVEHICLE-DEPENDENT EXPEDITION GUIDE は、自動車冒険旅行における一つの教科書である。1998年に初版が世に出てから最新の2017年のエディション4.1まで6回に及んで改定され、現在に至っている。トムシェパード氏は主に北アフリカのサハラ砂漠での多数のエクスペデッションの経験を元に著書をまとめており、内容は車両の運搬から写真の収録まで多様な範囲に及んでいる。
この書籍は英国を主とした英語圏の四駆におけるエクスペデッションの教書であるが、この教書の中に出て来ないものがある。それは、近年のレンジローバーです。最終バージョンは2017年出版なのだが、当時のレンジローバーの車両も登場していません。初代ディフェンダー、ラダーフレームのクラッシックレンジとディスカバリーは登場します。この姿勢から分る様に、近年の電子制御を搭載したレンジローバーの様なラグジャリーなSUVは、過酷なエクスペデッションの環境下では用いられないのです。今後このエクスペデッションの領域に新型ディフェンダーが用いられるかどうかは不明ですが、もしも、スポンサー等が付かない個人使用の領域で用いられる様になったとしたら、新4x4世界秩序は現実のものとなり、往来の価値観を書き換える必要性に迫られる事になります。
今日4x4における有り方が混乱し、四駆の有るべき姿が分りにくくなっている。そういった中にあって、エクスペデッションガイドは四駆の聖域を示し、その聖域を守り、ガイドラインを示しています。3センチ以上ある本の内容を容易に書く事は出来ませんが、今後機会が有る事に紹介して行きたいと思っています。この本を一言で表現するならば、エクスペデッションガイドとは、別名、こっち側の本(笑)という事になります。
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