中米のホンジュラスに里帰りしていた友達がお土産のコーヒーを差し出して来た。自分の田舎のローカルコーヒーでおばあちゃんが自宅で鉄鍋を使って焙煎(ロースト)したオーガニックコーヒーだとの事。色は真っ黒で深炒りの域である。臭いを嗅ぐとコーヒーの甘い香りではなくて木炭の様な感じ。オーガニック、ナチュラルだからと言って美味しいかどうかは疑問であるが、当人の気持ちを察して御礼を言って頂いた。御湯を容器に注いで濾すフレンチプレス式でコーヒーを入れてみた。コーヒーは不思議な臭いを放った。常時口にするコーヒーとは別次元の飲み物で、コーヒーの香りがしない(汗)。良薬口に苦しの胃腸薬の様でもあった。舌触はサラッとした苦茶の様な感覚ではあった。翌日彼が、コーヒーはどうであったか?と聞いてくる。サラッとした舌触りは悪くはなかった、と答えた。彼は意味有りげな笑いをしてみせた。2日後にまたこのコーヒーを入れて飲んでみた。やはり不味い(失礼)!そして思った。自分は本当はコーヒーの味を知らないのかも知れない、と。それは何時も洗練されたコーヒーばかり飲んでいるので(アメリカンナイズされた)コーヒーとはこう有るべきだという意識が基準となってしまっており、それ以外の味を否定しているのではないだろうかと自身を疑った。今日も彼が、もっとあのコーヒーが欲しいか?と聞いてくるので、他の人にも分けてあげる様にと伝えて上手く断った。あのホンジュラスコーヒーの味は一体なんなのであろうか?その味をどう位置付けたら良いのであろうか?当地のコーヒー畑で働く人々が休息の時間に口にする味なのであろうか?寒いニューヨークの街中のCafeでコロンビアンコーヒーを手にしながら彼に迫ってみた。
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