その地を訪れたらその土地の特産品に触れるのは楽しい事である。テネシー州の特産物にアメリカンウィスキーを代表する Tennessee Whiskey が有る事はよく認知されている。日が暮れた夕方に緩いネオンが光るリカーショップ(酒屋)に入った。店内を廻って観ると Jack Daniel’s等の有名なテネシーウィスキーが程好い価格で並んでいる。我々は地元で生産されたテネシーウィスキーを探していた。近くに居た店員を捕まえて、ローカルのウイスキーはあるか?と尋ねた。店員は素早く10メートル程歩いてあるセクションを指差した。そこには幾つかのウイスキーが並んでいたが予想外の値段と大きさだったので、もっと庶民的なのはないのか?と聞くと、カウンターの棚から2本のボトルを出して並べてくれた。1816.Chattanooga Whiskey。これを見た瞬間に喉が渇きを感じた。2本のボトルの違いはアルコールの強度(ラベルの色)である。僕はアメリカンなアルコール度の低い(45%)方を選んだ。ラベルの横には伝統的なテネシーウイスキーの説明が印刷されており、熟成したバーボンウイスキーをこの土地のカエデのチャッコール(炭)でろ過するプロセスによって柔らかい味わいとアンバーな色合いになる。このチャッコールメローウィングの過程を得るのがテネシーウィスキーの特徴なのである。ヒストリーチャンネルでアメリカの独立戦争のドキュメンタリーを見た。各地のフォート(要塞)で司令官が一人で地図を睨みながらウイスキーを口に運んで軍の指揮方針を決める場面が幾つか有った。ウイスキーとは寛ぎの時間だけではなくて緊迫した場面で口にする酒でもあるのだ。寛いだ時間、緊迫した状態、それぞれにウイスキーの効力がある。そういった理由で一本のボトルを常に手の届く所に置いて置きたいものだと思った。
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