ロクマルでいこう、60でGo!

" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

シンプル イズ ティスト

2018年07月16日 | OVERLAND CAFE

 知り合いのトルコ人4人からターキッシュピクニックに加わる様に強く勧められて彼らと昼食を共にした。彼らはテーブルの上にきちんと大きな紙を敷いて持参した食べ物の入ったタッパーをその上に乗せて開けた。タッパーの中から出てきた彼等のメニューはターキッシュブレッド、ターキッシュチーズ、ターキッシュオリーブ。そしてマスカットの塊りの山と食べ易く程好い大きさに切られた真っ赤な西瓜であった。彼ら曰く食材は全てトルコ人が経営する店で購入した物で自国のランチをここで再現しているのだと。彼等の一人がパンに手を伸ばしチーズを潰してパンに強く押し込んだ、トルコのチーズはウェットでバターの様な感覚がある。そして、食べてみろ!と僕に渡してきた。別の一人が黒いオリーブを指で掴んで同じ様に渡してくる。内心、手を洗ったんかい?という警戒もあったが、ここは彼等の恩意に従おうと思い有り難く全てを頂戴した。西瓜も手で掴んで渡してくる。日本人の感覚だと果物は食後という共通の理解があるが彼らはパンとチーズとオリーブと共に西瓜と葡萄を食べる。とても満たされた昼食であった。食事をしながらの彼らとの会話も楽しかったが、このシンプルな食事がとても美味しく胃袋も気分も満足させられたのは何故だろうか?と考えさせられた。

 

 エクスポの会場で注文した一枚のペパロニピザ、このピザをオーダーしてから焼き上がって名前を呼ばれるまでに掛かった時間は50分であった。イングレディエントもレシピも特別な物ではなく普通のピザであるが何故かとても美味しかった。誰と、何処で、何をどう食べるのか、その状況は常に異なっている。舌に対して美味しい物を食べた感覚の記憶は薄らいでゆくが、シンプルで質素でも何故かおいしかったという記憶が長く残る食事の機会というのがある。そして、その様な小さな感動は時々にして誰にでも廻ってくる様に仕組まれている。それは、人に生きていて良かったという感覚を時々自覚させる為の神の計らいではないかという結論である。

 


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