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テンカラ釣りとフライフィッシング

2019年12月06日 | 日記

JOHN GIERACH  Photograph by C.D. Clarke

 John Gierach という人を知ったのは今年の夏号のOutdoor X4 誌においてのHanson 氏のコラムであった。彼は現在のアメリカで最も有名なフライフィッシャーマンである。彼の知名度が高いのは彼が小説家であり既に20冊を超えるフライフィッシングにまつわる小説を出版している実績があるからである。現在もコロラド州の山中に住みフライフィッシングをする為に小説を書き、小説を書く為に釣りにはまった毎日を送っている。Hanson氏が彼の名前を挙げて紹介したのはGierach氏の生活スタイルにHanson氏自身が感銘を受けたからである。ではGierach氏のいったいどういう所に感銘を受けたのであろうか、それは清貧で質素なライフスタイルを楽しんでいるからである。

 沢山の作品を残し多くのファンを持つGierach氏の生活とはどんなものなのであろうか?彼に付いて語られた文章やビデオを見てその生活を表現するとこんな感じである。家は質素な小さな建売の小屋である、聞く所によると雨漏りがするそうだ。生活と釣りに使用しているのはピックアップトラックで同じトラックを15年間以上使用しているとの事。僕が見た所、今世紀初頭のニッサンフロンティアではないかと思う。では、なぜ人々は質素な生活に驚くのであろうか?アメリカで釣りにまつわる小説作家と言えば、文豪アーネストへミングウェイが浮かび、彼が暮らしていた豪華な家がイメージされる傾向にあり、そこに人物を重ねてしまう。また、フライフィッシングというのは元々英国における貴族紳士のたしなみでそのイメージが残留しており、庶民的とか古いピックアップトラックではそのイメージからずれてしまう様である。

 また、Gierach氏は近年テンカラ釣りを行っている様子である。フライフィッシングはイングランド、スコットランド、アイルランド等のあまり高い山の無い丘陵地帯の比較的穏やかな川で発展してきた釣りであるのに対して、テンカラ釣りは日本の険しい山の上流から中流で行われてきた毛鉤釣りである。ロッキー山脈の渓谷においては日本で養われてきたテンカラ釣りが本領を発揮する場所である様子だ。Gierach氏のライフスタイルをフライフィッシャーマンとするとアンバランスかも知れないが、テンカラ釣り師とするとバランス良く収まる様な気がするのは僕だけであろうか。Gierach氏のおかげでテンカラ釣りがアメリカで静かに普及し始めている様子である。

 

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