一月の澄み切った冷たい空気の中に聳えるニューヨークのエンパイアーステイトビル。この街に来てから15年の歳月が過ぎた。911も、ブラックアウトも、リーマンショックも経験した。最近は原油の価格が下がりオイルマネーがニューヨークから消えて行くなどとも言われている。移り変わる時代の変化の中で繁栄と衰退を繰り返す大小のビジネス。それでもこの街は発展を止める事はない。高層ビル群はますます高くなり人口は増加の傾向にある。
Alicia Keys & Jay-Z, Empire State of Mind.
In New York,
Concreat jungle where dreams are made of,
There's nothing you can't do.
ある日の夕方、ロクマルのFMラジオから流れてくる Empire State of Mind という曲を聞きながらニューヨークを発展させているのは世界中の資本だけではないという事をふと感じた。ニューヨークを発展させているのは Concreat Jungle where dreams are made of, There's nothing you can't do. つまり、夢であるという事だ。この街に集まってくる人々の持つ夢が街を発展させているのだ。別の観点から観ると、ニューヨークという巨大な街は人々の夢を食して生きている怪物だという事だ。ニューヨークを愛する人という事はその怪物との食うか食われるかの瀬戸際での緊張感に身を置く事を楽しむ人々の事かも知れない。夢を持つという事は大切だ。だが、うかうかしているとその夢はニューヨークという街のエネルギーとして吸い取られてしまう。しかし、同時にニューヨークという街は求める人々に力(エネルギー)を与えてくれる。それがニューヨークという巨大な生物の正体なのであった。