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" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

ニューヨーク ディリー コーヒー

2016年01月10日 | OVERLAND CAFE

 仕事の合間に一緒にいた中米のコスタリカから来た男が携帯を取り出して電話をかけた。会話はスペイン語で10分以上の会話時間で、僕にとっては長電話に感じた。会話が終わった後にちらっと聞いてみた。誰と話をしていたんだ、エスポーサ(妻)か、パラノービア(恋人)か、ニーニョ(息子)か? 彼は笑いながら、パドレ(おやじ)だよ、と答えた。今年87歳になるんだが元気で、今コーヒー農園の中でコーヒー豆の収穫に格闘している最中だったんだ、ムーチョカリエンテ(暑い)って言ってた。親父すんげー元気だなぁ、また暫くしたら会いに行くんだろぅ...。...ああ。そんな会話だった。日本人の平均寿命は世界一だと理解されているが、それはおそらく出生時の生存率が高い事で平均値を上げているのであって、世界には元気な爺さん婆さんが密かに多く存在していると思った。

 

 ニューヨークにはいいコーヒーが沢山ある。スターバックスのコーヒーとか、ヨーロッパのカフェとか、量の多いその辺のグロッサリーやファーストフード店で売っているアメリカンコーヒーなど多様性がある。1990年代に仕事でフロリダのマイアミに暫く滞在していた時。マイアミの周辺にはキューバをはじめ中南米からの移民が多くラテン系の文化が展開している。そして多くのショッピングモールの角にはキューバ式コーヒーバーがあった。正確にはエスプレッソバーである。そこでは5つ程の腰掛こそあるが、基本立ち飲みである。そこでのコーヒーは全て小さなエスプレッソで1口か2口のショットで、コーヒーを飲むのにダラダラと時間を掛けない。コーヒーは気分転換であり、食後の口直しであった。夕方には井戸端会議場なる雰囲気はあった。当時、そのコーヒーの値段は1ショット25セント(30円)だった、今は幾ら位するのだろう、50セント位かな? 中南米の友達のお陰でニューヨークでも安くておいしいコーヒーを知る様になった。それはクバーノ(キューバ)コーヒーだったり、ドミニカン(ドミニカ共和国)コーヒーなどだ。それらはひじょーに庶民的で、現場に近い故(笑)に洗練されてはいないが、そこがいいのだ。

 夕方、コスタリカから来た男と一緒にカリブ海式コーヒーを飲みにいった。スターバックスなどでは財布の紐を緩めない男だが、ここでは違った。入れたてのコーヒーは口が焼けどするんじゃーないかと思う程に熱い。そんなコーヒーをすすりながら甘い菓子パンを食べて街行く人を眺めていると陽が落ちていった。どうだ、コスタリカのコーヒーとここのコーヒーどちらが旨いか?彼は言ったコスタリカだ。(笑)一杯のコーヒーはコーヒーにあらず、それは人と人を繋ぐ潤滑油みたいなものなのだ。

 

コメント
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