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" AS SLOW AS POSSIBLE AND AS FIRST AS NECESSARY "

良い作品は思考をめぐらす (中編)

2014年09月09日 | 日記

 

 ワシントンDCの中心、アメリカの政治の中心、アメリカ国民の広場(The National Mall) 周辺は名画に秘められた幾何学を探し求めるような楽しみがある。この都市を築いた人々はこの街に多くの仕掛けを隠したに違いない。その仕掛けを個人的レベルで探し出す事がこの街を歩く刺激となる。

 

 

 The National Mall は東西に長方形に近い形をしており、端から端までは4キロ弱。東側にはUS Capitol (国会議事堂)、その背後には最高裁判所、議会図書館が控えている。この議事堂から中央のオベリスクの間には左右に文化、芸術、技術の博物館が並ぶ。これらは世界最大の博物館、美術館、そしてそれらにまつわる研究機関を持つスミソニアン協会が人類の知識の向上と普及を目的に運営している。

 

 太陽が昇ってくる東の方向からオベリスクを眺める。そこまでは緑の芝生で埋まっている。オベリスクの色は太陽が塔を照らす午前中は白く、午後になると影になるので東側から眺めると黒く見えるはずである。

...

 

 

 しかし、オベリスクの西側に廻ると空気は一転。西側半分には、戦争のメモリアルが展開する。それはアメリカの国璽の白頭鷲がその足にオリーブの枝と弓矢をそれぞれ掴んでいるのと同じ構図であるのかも知れない。

 

茂みの中の兵士の視線の向うにあるのは、

 

ベトナム戦争メモリアルの石壁。

 磨かれた黒い大理石に死んで逝った兵士の名が刻まれている。近くに大きな電話帳程の厚さのディレクトリーが置いてあり、個人の名を検索する事が出来る。

 ここで感じたのは戦没兵の刻まれている磨かれた大理石の壁に自分の姿が鏡の様に映る事。それは、貴方が今日こうやって生きているのは国の為に死んで逝った兵士のお陰です。というメッセージが強く伝わってくる。

 

 そして、その反対側の南側には、

 

朝鮮戦争(動乱)のメモリアルの石壁。

 こちらのメモリアルには磨かれた大理石に兵士、武器、戦闘、逃げ彷徨う人々などの戦争の場景(絵)が繊細に刻まれている。ここを歩くと、大理石に刻まれた戦時の熾烈な風景に背後の兵士のステチューが写しだされ、そしてその中に重なる(写る)自分の姿を観る。ここに立つと自分という存在をベクトルにして戦争の状況下に巻き込まれてしまう様な不思議な感覚になる。

 これらのメモリアルを考案設計した人々は天才的であると感じた。

 メモリアルには鏡(反写)を応用した高度な技がある。

 

 モールの西の端、

ポトマック河の近くにあるこの巨大な石造の建物はリンカーン記念館(Lincolin Memorial) である。

 

この白亜な建物は古代ギリシャ、ローマの神殿を思わせられる。

 

その神殿の真ん中の奥で椅子に沈んでいるのは、アブラハムリンカーン。

 この記念館が完成したのは、1922年の5月30日、アメリカではメモリアルディ。以後、自由と平和のシンボル的存在となっている。じっと前方のオベリスクを見つめている。

 

時刻は午前、大理石は白と黒(光と闇)でその調和が美しい。

 

 

 左右の壁にはリンカーンが残した有名なスピーチが刻まれている。北の壁には大統領就任演説。そして南の壁にはゲディスバーグでの演説、有名な That government of the people, by the people, for the people. (人民の人民による、人民の為の政治)の文字を見つける事が出来る。

 そして、南北の天井近くにある壁画の中心には豊かな胸をした女性の古い絵が描かれている。この女性はイシスかスフィンクスか?それは何らかの儀式を行っている光景に見える。この絵から伝わってくるのは女神、母性という感覚である。

 

背後の献辞の意味を考えた。

Nation、Country、ではなく Union とある。

...

 

そして、リンカーンの体の部分の動きに注目した。

右手、

親指を突き出しているが、手は握っている。何かを掴んでいる?

 

左手、

手をやや開いて乗せている。

 

そして、足。

左足を前に出している。

この姿勢には驚いた! 

...

 

この動きは、まさに

あの、

あの、

...

 

...

 

マニュアルランドクルーザーを駆っている姿、

そのものではないか!!  

...(汗)

 

思ったのは事実だからしょうがない。

 

...

また、ある説によると、

この右手はアルファベットの " L " を示す。

ラストネーム、リンカーンのLです。

 

そして、

左手はアルファベットの " A " を示す。

ファーストネーム、アブラハムのAです。

という理解もされているようです。

 

LA, AL,

 

僕は更に妄想を加速させて、

これは古代エジプトの太陽神ラーを示唆しているのではないかと感じた。

...ラーは  " Ra " と表示されますが、まあ似たようなものだ。

...

 

さて、

リンカーンの視線からオベリスクをご覧下さい。

 先ほど指摘した鏡の技が上手く活用されていますね。

 

 リンカーンの位置から見るオベリスクは前方に掘られた池の水面に見事に美しく写し出されています。おそらくこの人口の池はこれが目的で掘られたものではないでしょうか?

 

さあ、これをどう理解するかです。

 

今までのキーワードを並べてみます。

太陽、東西、光と影、白と黒、陽と陰、生と死、戦争と墓...等。

 

オベリスクは別名、男性器とも呼ばれています。

生殖器は生命の源でもあります。

 

その、そそり立つ男性器を迎え入れているのが、

 

この水面です。

こうして男と女が一つになります、空と大地が一つになります。

リンカーンが見つめているのはセクシャルインターコースだったのですね。

死を意味する周囲のメモリアル(墓)に、生(性)を意味するオベリスク。

これは天と地が融合する事を意味しているように感じました。

 

...

さあ、最後は結論です。

 

最後は以上の雑感を払拭してこの作品(都市)に宿る意図に迫ります。

 

...つづく、

 

コメント
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