世界の頂点に立つ日本人のバイクビルダー木村信也氏。彼は自分の職業をカテゴライズ出来ないし、しない。新しいものを創出する作業なので、この世に今ある名詞や表現力だけでは適切にそれらを掴めない、よって...みたいなもの。とあいまいな表現を使われるのであろう。
彼はクリエーターである。ただ、オートバイをクリエイトするだけではなく、人とバイク、そして有り方をクリエイトする。彼の短編な言葉の中にあるように、自分の中にあるものを引き出す実行力を持った男であることを高く評価したい。心像に描いたオートバイ、そしてそのバイクを駆って走る姿と光景、更に機械工作に集中出来る環境などは、彼が描いた人生そのものなのだろう。多くの人々は彼が手を加えた作品の完成(感性)に魅かれる、がその作品の鑑賞に酔っているだけだと実に勿体ない。
感性に訴えかける、
本能的な危うさ、野生みたいなものを感じ、
自分の中にあるものを引き出すもの。
地面も空も真っ白で区別が付かない...レシプロのエンジンの飛行機で空を飛んでいる、なんともいえない平和な感じ。
形のある物、形の善し悪しをずっーと考えていた。
安全性と言うのは自分の理性とテクニックだけに委ねられる。
孤高のビルダーと言われる木村氏だが、彼が世界的に評価されているのは物造りが上手なだけではない。彼の存在を通じて、クルマやバイクに乗って(触って)気持ちが高揚するのは、自分の中にある感性がそれを通じて引き出されるからだと言う事を教えてくれている。
つまり、キムラシンヤ氏の生き方は、
あなたもキムラシンヤだという事を気付かさせてくれているのだ。