トヨタのやり方(The Toyota Way)
トヨタのやり方、つまり製作作業(仕事)が世界基準になったと錯覚してしまう程だ。
日本的な、言わなくても分かるだろ的な、まあまあ、だいたい、とか...こう言っても西洋人には分からんだろうけど、日本人なら分かるぞ、みたいな、抽象的で捉えにくい側面があったが、それは既に一昔の話である。
キチンと理論的な説明...日本人にしてみれば有難い本である。
アメリカ人(西洋人)にとっても、日本を代表する企業から日本を理解出来る。
そういった意味で有意義な本だと思う。
いかにもアメリカのMBA(経営修士)を学んだエリート達が好みそうな仕事のフロー(流れ図)である。
そうです、そういう人達の理解の為にLiker博士がまとめたのです。つまりこれは自動車製造のマネージメント解説です。
実に、よくまとまっています。
おそらくこの解説書に書かれた事は全てではないであろう。
それは時間と共に変わっていく要素のある、KAIZEN も同時進行しているからだ。
この秋に、新しく生産を開始したアメリカミシシッピーの工場
この一つの新しい工場の運転で、多くの雇用(2000人)が生まれ、地域には関連事業が集まる。
地域の経済効果は実に大きなものである。
この工場ではカローラがラインを流れる。
...
車の製作において良いマニュアルを持っている事の強みを感じる。
このマニュアル書を、頭で理解出来る、口で説明出来る、...でも、やはり車を製造するという事は難しい事であると思う。自動車製造全体から見るとマニュアル書はほんの氷山の一角に過ぎないのではないだろうか?
一台の車を製作する(この世に出す)という事は奇跡な事なのかも知れない。ただ奇跡が多く長く続いているので人々はそう感じないのだろう。
たった一台のクルマを観ながら、部品の数、設計図、組み立て、材料、材質、安全思考、...何千、何万人の人々の仕事の集結であり、途方もない時間をかけての試行錯誤であった、はず。
クルマについて知ろうとすれはするほどに感じる事。
それは、
一台のクルマは奇跡の実体そのものだ。
と、いう感動である。