京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

大祓とおけら詣り

2006年12月31日 17時34分25秒 | 行事


今日31日の午後3時から八坂神社で大祓(おおはらえ)が行われました。
これは神道の行事なんです。6月30日の夏越の祓(なごしのはらえ)と年末の年越の祓(としこしのはらえ)と年に二回あります。
知らず知らずのうちに犯したであろう罪や過ち、心身の穢(けがれ)を祓い清めるための神事なんです。



これをしておかないと「お正月さん」という神さまがきてくれません。
昨年も書きましたが繰りかえして書いておきましょう。
年末のあいさつに「よいお年をお迎えください」と言いますね。
この「よい年」の「年」は、実は神さんなのを知ったはりますか?
大掃除をしたり、お餅を搗いたりするのは、神さまをお迎えするための掃除であり、お供えとしてのお餅なのです。



そして年越しの晩に「お正月さん」という神さまを迎えるのです。
「正月さん」はまたの名を「歳徳神」「歳神」「年徳」とも呼ばれる。
歳徳神の在する方位を恵方(えほう)、または明の方(あきのかた)という。
旧暦のお正月である節分にのり巻きをまるのまま食べる方角が「恵方」なのです。
(のり巻き云々は、きっとすし屋さんの宣伝で、昔はなかったと思います)


↑おけら詣りの灯籠

歳徳神は、女性の神さまだそうです。
牛頭天王の后で、八将神の母の頗梨采女(はりさいじょ)であるとか、
素戔嗚尊の妃・櫛稲田姫であるとも言われてます。
ちなみに八坂神社は素戔嗚尊と櫛稲田姫さんがお祀りしてあるのです。



閑話休題。
その恵方から年越しの晩に「歳徳神」がくるのです。本来、これは、旧暦の正月なのです。
これで節分の意味がなんとなくわかりますね。
この歳徳神の福徳を授かることによって年をちゃんと越し、
新年の一年のその家の繁栄を保証してもらうというのです。
つまり歳徳神、屋敷神や竃神(かまどがみ)、水神(すいじん)さんたちは、一年契約なのですよ!
契約の更新料はいらへんと思いますけど。
京都の大晦日の夜、祇園さん(八坂神社)で、午後7時からおけら火が授与されます。
このおけら火の火種にしてお雑煮をたくんです。
夜に供えて準備が整っていました。
「夜に行かへんのか?」と言われそうですね。
夜に外出するのは不良のすることやし、それに人混みアレルギーという重い病気があるのんですわ。


↑これは京都の祇園や西陣でみかける「根引松(ねびきのまつ)」。最近は少なくなりました。
竹を添えず、根をつけたままの若松を和紙(半紙や杉原紙)で必ず向かって右が上にくるようにして巻き包み、金赤の水引で真結びし、玄関の柱などに一対でつけます。
これは、神さまの依代(よりしろ)なんです。
「依代って何?」と聞かれそうね。
まあテレビのアンテナみたいなものかな。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タンポポのタレを分析してみ... | トップ | 除夜の鐘 »

コメントを投稿

行事」カテゴリの最新記事