京 男:方相氏さん、一年ぶりですね。
方相氏:まいど。
京 男:また節分ですね。
方相氏:京男ハン、節分って4回あるのを知ったハル?
京 男:4回?
方相氏:立春、立夏、立秋、立冬の前日を節分と昔は言うてた。
そやけど、いちいちこんな行事に呼ばれたらかなわんので、年1回と天の神さんに頼んだんですワ。旧年最後の日やね。だから一年の最終的な厄を祓う。
豆をまきまっしゃろ。あれは「まめに働く」という語呂から喜ばれたんやね。
最近の日本は「まめに働く」ということが少のうなってきた。ちょっと問題や。仕事の鬼の方がまだいいかも。
京 男:アンタさんかて、4回を1回にしたんと違いますか。
方相氏:面目ない・・・。豆まきって鞍馬の毘沙門天さんが大豆で鬼の目を打てを命じハッタのが始まりみたい。鬼の目を打つから「魔(マ)目(メ)」「魔(マ)を滅(メ)する」というらしい。
なんで、枡(ます)に豆を入れるかというと米や酒などを計量することから公明正大な神の力を象徴するんでっせ。
京 男:鬼ってなんですねん?
方相氏:鬼の一番の巣窟はあんたら人間やね。言いまっしゃろ「渡る世間は鬼ばかり」なんちゃって。人間は状況が変われば神にも鬼にもなる。善や悪もや。仏教でいうたら「縁(条件)」によって、鬼にも仏にもなる。
わかりにくいけど、鬼でも本来は神なんやね。単純に二元論では片づかへん。
かくいう私も元鬼だし、いまはこうやって追儺式(ついなしき)の主役をやってます。
いまの世の中はどうも鬼的なエネルギーが多いな。祓わんといかんね。バランスがとても悪うなってきている。
鬼的なエネルギーも必要なんやけどな。だから完全に鬼にとどめをさすのでなくて、お祓いして本来の場所に帰ってもらうというのが追儺式の主旨やね。
京 男:なるほどな。ところで方相氏ハンは、なんで四ツ目なん?私も四ツ目やけどね(眼鏡をかけている)。
方相氏:四方に目を配るからやね。
京 男:それやったら前だけじゃ後ろが見えないじゃないですか。
方相氏:下の二つは読書用。上二つは遠いところ用なんや。う~そだぴょょ~ん~。四方に配置したらちょっと異様やろ。
京 男:いまでも充分異様やし。ちょっと古いんと違うかな。私なら四方と天地で合計6つ目。両足に魚の目で合計8つ目ねっ!
方相氏:わては、ヤツメウナギか~!でも前向きに検討させてもらいます。
京 男:なでなで(頭を撫でている)
方相氏:そろそろ夜の用意せなあかんので、この辺で失礼します。
京 男:おきばりやす。
方相氏:おおきに。
◆付録:鬼が嫌うもの
桃の弓、葦の矢、鰯の匂い(京男もちょっと苦手かも)、豆類、柊の葉っぱ、遺伝子組み換え大豆、笑い、大声、鐘の音、笑顔、暖かい家庭、札びらのビンタ、検察、写真週刊誌、自由、三ヶ月以上の約束手形、清水の次郎長(鬼より怖い)、地獄の事業仕分けやリストラ
面白いさすが京男さん、ためにもなる(^。^)
私も鰯の匂いはどうも・・・
三ヶ月以上の約束手形も鬼に同意です!(笑)
鬼の嫌うものをもう少し知りたいです。
どんどん出てきそう。
人間は状況が変われば
神にも鬼にもなる!
まさに!
鰯はちょっとならいいですけど、部屋が臭くなるでしょ。焼き肉は許すけど。
茶摘み手形(八十八)や台風手形(二百十日)というの聞いたことありますか?
京都ではあったらしい。
怖いですね。
「いい縁に出会いたかったら、自分がいい縁になること」と清水寺の管長はいうたはりました。