京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

化粧のりがよろしいな・・・地蔵盆

2010年08月23日 04時46分11秒 | 行事


夏の行事の最後が地蔵盆。
あっちの町内、こっちの町内でお地蔵さんをおまつりしていた。
最近、子供がすくのうなってきて、いてはるのは元子供ばっかり。
地蔵菩薩の本来のご縁日は24日だけど、どうしても大人の都合で土日にするところが多い。



この日は、お地蔵さんを洗い清めて新しい前垂れを着せ、化粧をして飾り付ける。
お地蔵さんは、中近世以降子供の守り神として信仰されるようになった。
広く知られた伝説によれば、地蔵菩薩が、親より先に亡くなった子供たち(親より先に死ぬのは不孝といわれている)が賽の河原で苦しんでいるのを救う。
そういえば妹が中学の時亡くなったのですが、その時、火葬場には親はいけないという決まりになっていた。だから私が行ったのを憶えている。


↑渋谷街道沿いの永田町の地蔵堂なんです。でも政治家はいません。

「賽(さい)の河原の石積み」というのは、やってもやってもやり遂げられない事を、際限なく続けるという苦しみ、悲しさ、空しさをいったもの。
この世とあの世の境に「賽の河原」があって、そこは石ばかりがゴロゴロしている川です。(行ったことがないのでようわかりません)
死んでも回向(えこう)※1もしてもらえないので、仏の世界に行けない子供たちが、みずからが何か功徳(くどく)※2を積んで仏の国に行こうと考えた。
考えてやったことというのは、石を積んで「仏塔」を建てようとするのですが、石が丸くて中々積み上げられない。
やっと少し積み上げると、そこに大鬼が出てきて、折角のものを壊してしまうというのです。子供は仕方なくまた泣きながら、石を積み始めるのですが、また鬼が出てくる・・・。
その繰り返しの苦しみから、地蔵菩薩が出て来て助けてくれるというのです。
この地蔵信仰は考えてみると、子供を死なせた切ない親の子供に詫びる思いから出ているものでしょう。
虐待の事件の子供たちもやっぱり賽の河原で石積みするんだろうか。
だとしたら切ないな・・・。
お地蔵さん、なんとかしてあげてくださいね。
お願いします。
※1 回向/自己が行なった修行や造塔・布施などの善行の結果を、自己や他者の成仏や利益(りやく)などのために差し向けること。
※2 功徳/現世・来世に幸福をもたらすもとになる善行



ちなみに地蔵菩薩は釈迦の入滅後、56億7000万年後(!)に弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在となってしまうため、その間、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)を輪廻する衆生を救う菩薩さんなんです。だから仲良くしておいた方がいいだろうな。



町内によっては、地蔵盆当日の朝に「数珠回し」を行う。
町内の子供が、直径2~3メートルの大きな数珠を囲んで座り、僧侶の読経にあわせて順々に回すというものである。
こんな行事を通じて、子供たちに教えていたんだろうな。
最近は、そういう宗教的なことはダメという人も多い。
単なる子供祭とするところも多いそうです。
こういう行事は無形の文化財だと思うんだけどな。
町内の大人で子供や老人を見守って行く方がコスト的に安くつくと思うんだけどな。


↑お供えのお料理がすばらしい

昔の地蔵盆は、野外で映画大会があったり(化け猫の映画が怖かった)、福引で「ふごおろし」という福引担当の家の向かいの家から渡したロープにつるし紐で手繰り寄せた。その後、その品を紐で1階へ下ろして渡すものなんです。
おやつは蒸し芋だったな。
最近の子供で蒸し芋をおやつといったら、どんな顔をするだろう。
「繊維質があって、お通じもようなって、ビタミンCがいっぱいで美容やダイエットにぴったり」といわんとあかんかも。


↑こういうお供え料理も次世代に伝えてほしいですね

この地蔵盆が終わったら夏休みも終り。
そろそろ宿題をしなくては・・・と思うやるせない時期なんですわ。

Twitter→@kyo_otoko
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 千鳥紋ってかわいい | トップ | 夏休みも終りやねぇ »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (すー)
2010-08-23 08:15:21
京の夏も終りますね。暑さは続きますが・・・
返信する
時代が変わっても (路渡カッパ)
2010-08-23 18:44:08
子供にとっては夏休みの最後のお楽しみイベント。
思い出に残るものなんですが・・・今の子は楽しんでるのかな?
今日からもう新学期だそうですね、僕らの頃とは違うんだ・・・
>町内の大人で子供や老人を見守って行く
全くその通りですね。ご近所付き合いも大切にせねば。(^_^ゞ
返信する
こんばんは (まさみ)
2010-08-23 21:39:12
お地蔵様を想いながら
心を込めて料理されたのでしょう。
この心が大切なんですよね。

お地蔵様!お化粧のノリが良いですね!

お地蔵様のような心でいたいものですが・・・・・
返信する
>すーさん、こんばんは (京男)
2010-08-23 22:29:22
まだ暑いですね。朝晩は若干ですが、涼しくなってきたかも。今夜はお月さんがきれい。
返信する
>路渡カッパさん、こんばんは (京男)
2010-08-23 22:31:24
今日から学校なんですか。
野外の映画大会が怖かったのを憶えています。近所で子供と老人を見守る方が自然だと思いますね。なんとかならないのかな。
返信する
>まさみさん、こんばんは (京男)
2010-08-23 22:46:38
お供えといえども手を抜いていないのが素晴しいです。
こういうことが次世代に受け継がれるといいな。
お地蔵様の晴の日なんですよ。
お化粧もばっちり。
みんなを救ってくれるお地蔵様を心にもちましょうね。
返信する

コメントを投稿

行事」カテゴリの最新記事