今からおよそ70年前の1945年5月8日、ナチス・ドイツは連合国に降伏し、第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦はようやく終結しました。旧連合国諸国では、この日を祝して戦勝記念の式典等が催されております。
第二次世界大戦の直接的な原因は、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツとスターリンが君臨したソ連邦の両国による1949年9月1月のポーランド侵攻にあります。独ソの開戦を契機にソ連邦が連合国に加わったため、戦勝国となったソ連邦の”侵略”は問われませんでしたが、第二次世界大戦の責任がソ連邦にもあったことは明白です。ロシア主催の対独戦勝記念式典には、中国の習近平主席も出席し、両首脳は、”戦勝国として歴史の改竄は許さない”ことで合意したと報じられておりますが、”歴史は勝者が書くもの”、あるいは、”力は正義なり”を地で行く態度とも言えます。ロシアの歴史教科書には、自国のポーランド侵攻がどのように記述されているのか興味深いところですし、中国の教科書では、チベットや東トルキスタン等の併合は、決して”侵略”とは表現されてはいないはずです。両首脳が、”戦勝国として”と敢えて前置きした理由は、おそらく、戦勝国には歴史を書く権利があると念を押したかったのでしょう。しかしながら、知の世界では、近年、勝者が書く歴史に疑問を呈する著述や研究が少なくありません。書店の書棚を見れば、丹念に事実を調べ上げ、敗者側の立場や多様な角度から通説を見直した、”定説を覆す○○”とか、”明らかにされる○○の実像”といったような宣伝文句が付けられた書籍が並んでおります。こうした現象が起きているのも、勝者の歴史が全て誤りではないにしても、多くの人々が、勝者側の書いた歴史には、バイアスがかかりやすいことをよく理解しているからです。
この意味において、中ロ首脳が”戦勝国”を強調したことは、逆効果であったかもしれません。”勝者の歴史問題”を、人々の意識に登らせてしまったのですから。
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第二次世界大戦の直接的な原因は、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツとスターリンが君臨したソ連邦の両国による1949年9月1月のポーランド侵攻にあります。独ソの開戦を契機にソ連邦が連合国に加わったため、戦勝国となったソ連邦の”侵略”は問われませんでしたが、第二次世界大戦の責任がソ連邦にもあったことは明白です。ロシア主催の対独戦勝記念式典には、中国の習近平主席も出席し、両首脳は、”戦勝国として歴史の改竄は許さない”ことで合意したと報じられておりますが、”歴史は勝者が書くもの”、あるいは、”力は正義なり”を地で行く態度とも言えます。ロシアの歴史教科書には、自国のポーランド侵攻がどのように記述されているのか興味深いところですし、中国の教科書では、チベットや東トルキスタン等の併合は、決して”侵略”とは表現されてはいないはずです。両首脳が、”戦勝国として”と敢えて前置きした理由は、おそらく、戦勝国には歴史を書く権利があると念を押したかったのでしょう。しかしながら、知の世界では、近年、勝者が書く歴史に疑問を呈する著述や研究が少なくありません。書店の書棚を見れば、丹念に事実を調べ上げ、敗者側の立場や多様な角度から通説を見直した、”定説を覆す○○”とか、”明らかにされる○○の実像”といったような宣伝文句が付けられた書籍が並んでおります。こうした現象が起きているのも、勝者の歴史が全て誤りではないにしても、多くの人々が、勝者側の書いた歴史には、バイアスがかかりやすいことをよく理解しているからです。
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