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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

スプリント買収から見えるソフトバンクの中韓北リスク

2013年01月30日 15時38分19秒 | 国際経済
ソフトバンクに待った=スプリント買収、安保面で調査―米当局(時事通信) - goo ニュース
 アメリカ第3位の通信大手、スプリント社の買収に名乗りを上げたソフトバンク。報じられるところによりますと、米司法省と国土安全保障省が、連邦通信委員会(FOC)に対して、国家安全保障面からの調査が終了するまで、買収計画の審査を中断するよう求めたそうです。

 通常、企業の国際買収に伴って、安全保障上のリスクが持ちあがる時には、買収側企業の本籍国が警戒の対象となるものです。ソフトバンクは、法律上は日本企業ですから、アメリカ政府は、安全保障上のジャパン・リスクについて調査するのが普通です(同盟国ですので、通常、こうした調査の対象にはならない…)。ところが、ソフトバンクの場合、そうではありません。アメリカのメディアによりますと、通信関連企業の労働組合がその根拠として挙げているのは、「ソフトバンクは、中国企業と協力して、日本の無線通信ネットワークを構築した」ことなそうです。そして、「スプリント買収で中国企業が米通信ネットワークにかかわり、米国の安全保障を損なうおそれもある」と言うのです。つまり、ソフトバンク・リスクとは、アメリカにとりましては、ジャパン・リスクではなく、チャイナ・リスクなのです。これまで、日本国内では、ソフトバンク・リスクと言いますと、創業者の孫氏が韓国出身であったことから、主として、韓国リスク、あるいは、北朝鮮リスクとして見なされてきました。(情報漏洩や傍受活動…)ところが、アメリカの報道からは、コリア・リスクの背後に隠れて、チャイナ・リスクというさらに重大なリスクで潜んでいる可能性も伺えるのです。

 アメリカ政府は、買収計画を契機に、ソフトバンクに対して調査を実施しますが、日本国政府もまた、ソフトバンク・リスクは、看過できないのではないでしょうか。通信事業は、国家安全保障に関わりますので、もし、厳格な調査の結果、ソフトバンクに中韓北に関わる重大な問題がある場合には、総務省もまた、事業免許を取り消すべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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