浜松の会(6月9日)では、4年 国語 物語文 「走れ」(東京書籍)を主に教材解釈した。いろんな考えが出て、今回も楽しかった。勉強になった。
課題「のぶよは、なぜラストという言葉が、ほこらしく感じたのか」
教材文
30 身体がどんどん重くなる。いっしょうけんめい走ろうとすればするほど、体が後ろへ下っていく。
(あ、もう走れない。)
31 そのとき、ふいにせなかに、二つの声がかぶさった。
「姉っちゃん、行け!」
「のぶよ、行け!」
32 思わず、ぎゅんと足が出た。
「走れ!そのまんま、走れ!」
33 おしりが、すわっと軽くなる。次のしゅんかん、体にからみついていたいろんな思いが、するするとほどけていった。
34 走った。どこまでも走れる気がした。とうめいな空気の中に、体ごととびこんだ。
「はい、きみがラストね。」
35 とつぜん、係の声がした。
36 体の中は、まだ、どくどく波うって走り続けている感じだ。
37 ラストという言葉が、こんなにほこらしく聞こえたことは、はじめてだった。
○ ラストという言葉が、ほこらしく感じた理由
1 「姉っちゃん、行け!」
「のぶよ、行け!」
※ けんじとお母ちゃんが応援してくれたから
2 体ごととびこんだ
どくどく波うって走り続けている感じだ。
※今までになく最後まで力いっぱい走ったから
3 「はい、きみがラストね。」
1,2,3の解釈が出た。結論としては、3になった。「はい、きみがラストね。」の言葉である。
「が」は主語を示す。初出の情報を示す。「が」の上が新情報
「ね」同意を求めたり、念をおしたりする気持ちをあらわす。
前を走った人と相当離れたラストであれば、「はい、きみがラストね。」とは、言わない。
「ラストという言葉が、こんなにほこらしく聞こえたことは、はじめてだった」・・・・「ラスト」と、いつも言われていたと思われる。しかし、「ほこらしく」聞こえたのは、「はじめてだった」のだから、普通のラスト、今までのラストとは意味が違う。
などの理由で3と解釈したい。とうぜん、1,2も3を引き出す原因でもあろう。
とってもおもしろい教材だなと思いました。
初めなんだかわかりませんでした。
でも、わざわざ「君がラスト」なんて、足が遅いことが分かっているだろう子に対して先生が言うなんて・・。
すると、「変だ、おかしい」があるんですよね。びっくりです。