松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

こんな解釈もあるのか

2012-06-10 18:41:27 | Weblog



 浜松の会(6月9日)では、4年 国語 物語文 「走れ」(東京書籍)を主に教材解釈した。いろんな考えが出て、今回も楽しかった。勉強になった。

課題「のぶよは、なぜラストという言葉が、ほこらしく感じたのか」

教材文
30 身体がどんどん重くなる。いっしょうけんめい走ろうとすればするほど、体が後ろへ下っていく。
(あ、もう走れない。)
31 そのとき、ふいにせなかに、二つの声がかぶさった。
  「姉っちゃん、行け!」
 「のぶよ、行け!」
32 思わず、ぎゅんと足が出た。
  「走れ!そのまんま、走れ!」
33 おしりが、すわっと軽くなる。次のしゅんかん、体にからみついていたいろんな思いが、するするとほどけていった。
34 走った。どこまでも走れる気がした。とうめいな空気の中に、体ごととびこんだ。
  「はい、きみがラストね。」
35 とつぜん、係の声がした。
36 体の中は、まだ、どくどく波うって走り続けている感じだ。
37 ラストという言葉が、こんなにほこらしく聞こえたことは、はじめてだった。


○ ラストという言葉が、ほこらしく感じた理由
 1 「姉っちゃん、行け!」
   「のぶよ、行け!」
  ※ けんじとお母ちゃんが応援してくれたから

 2 体ごととびこんだ
  どくどく波うって走り続けている感じだ。
 ※今までになく最後まで力いっぱい走ったから
 
 3 「はい、きみがラストね。」

 1,2,3の解釈が出た。結論としては、3になった。「はい、きみがラストね。」の言葉である。
「が」は主語を示す。初出の情報を示す。「が」の上が新情報
「ね」同意を求めたり、念をおしたりする気持ちをあらわす。
前を走った人と相当離れたラストであれば、「はい、きみがラストね。」とは、言わない。
 「ラストという言葉が、こんなにほこらしく聞こえたことは、はじめてだった」・・・・「ラスト」と、いつも言われていたと思われる。しかし、「ほこらしく」聞こえたのは、「はじめてだった」のだから、普通のラスト、今までのラストとは意味が違う。
などの理由で3と解釈したい。とうぜん、1,2も3を引き出す原因でもあろう。

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4 コメント

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走れ (ゆきの)
2012-06-10 22:11:28
昨年の12月、倉敷で行われた冬の会で解釈を行いました。
とってもおもしろい教材だなと思いました。
初めなんだかわかりませんでした。
でも、わざわざ「君がラスト」なんて、足が遅いことが分かっているだろう子に対して先生が言うなんて・・。
すると、「変だ、おかしい」があるんですよね。びっくりです。
これも解釈ですね (Mrヒデ)
2012-06-13 17:10:06
 ああ、そうだ「わざわざ「君がラスト」なんて、足が遅いことが分かっているだろう子に対して言うなんて、」これも解釈ですね。ゆきのさんのコメントでまた一つ理論武装ができました。
授業研究の会 (大造じいさん)
2012-06-13 21:01:08
参加できてよかったです。今回は、1時間まるまる授業をみていただいて今後の自分の課題がはっきりわかりました。また、自分自身も映像で自分の授業の振り返りができました。こういうことは、校内研修では話題にでませんので。問題を作り、自分の考えを出し合い、整理分類し、対立問題にしていく。そこまでは、なんとなくできていたのですが、その先が自分の中であいまいでした。そのあと、段落を切り、文を切って、その言葉を調べていく。その言葉が問題の根拠になり答えが見つかっていく。子どもたちが自分たちの力だけで、解決していけるような学習集団を目指していこうと思います。
凄いね!、大造じいさん (Mrヒデ)
2012-06-14 09:43:58
 いつも実践を持ってきてくれて私たちもよい勉強になります。大造じいさんは、この研究を飽くことなく続け、高い授業を目指しています。なかなかできないことです。それだけに一般の教師には、実現できないような子どもたちを生み出すことができます。周りの教師は見ていないようでしっかり見ていますよ。心の中で感心しているでしょう。

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