蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

旧小澤家(2)  新潟市中央区

2014-12-08 22:31:31 | 古民家、庭園
小澤家は江戸後期から商家として活躍していたようだ。


屋敷の周りは下本町の市場である。その一画に、実に規模の大きい店舗及び住宅がそびえる。
この家が市場の一店舗としてスタートしたのか、それとも明治以降に回船や米問屋としても成功したこの家が市場を呼び寄せたのか、詳しい事情は分からない。


元々の家のプランは、正面に向かって左側に通り土間が走る町屋の形式であったように思われる。
通り土間から見る茶室の規模も、それ程飛び抜けた規模の屋敷という感じはしない。


せいぜい I の字プランである町屋に横方向の広がりができたのではないだろうか。それも時期は明治期か。
特別な客のためと思われる座敷が、まずはみせの右手方向に継ぎ足され、その後蔵の前に離座敷が作られたのではないかと想像する。それらの座敷を建築するために間口はどんどん広げられ、しかも広げられた敷地のほとんどを使って本格的な庭園が明治末に作庭された。
写真は離座敷の手前の廊下から庭に出て、みせの右手の藤ノ間、百合ノ間を望む。


こちらが離座敷の松ノ間である。


みせの右手にある百合ノ間から庭園そして背景の松ノ間を見る。
見事な松が植えられていて、秋深くなっても翠の瑞々しい印象はあまり変わらない庭である。
座敷には床暖房が完備され、寒さと戦う必要がない。どちらかというと、ゆっくりと休みを取るのにふさわしい百合ノ間であるように感じた。

一二三  湯沢町西口

2014-12-04 22:03:39 | 日本料理
数ヶ月ぶりに越後湯沢西口の温泉街へ来てみた。


印象としては、一二三さんの突き出しを含めて、相変わらずである。


しかし、季節が進み海の水温が低くなり、牡蠣を味わう事が出来た。
生牡蠣の味は鮮烈であった。豊かさ、濃さ、新鮮さ、どれも一級である。
レモンを添えるところが、また感覚の確かさを示す。


上に、ネギやら、紅葉おろしやら、ごちゃごちゃ載っていて見にくいが、こちらはあん肝である。まったりとした味わい、そして鮮度、納得の一皿である。


自家製の塩辛。変なものは一切入っていない感じである。
これは、酒を繋ぐのにもってこいだろう。


天婦羅は穴子に絞った。新潟の冬場の穴子は味が濃い。それを格安で食べさせてくれるのだ。


ちょっと、趣向を変えてフグの唐揚げ。フグの肉の味の濃厚さがたんまりと味わえる。


締めは鮭茶づけ。これまた、いかにも新潟らしい一品である。


ご馳走様でした。


中野邸美術館 紅葉の姿(3) もみじ園

2014-12-03 23:45:05 | 古民家、庭園
中野家は本館や中庭の裏手に、広大な裏山を所有している。その裏山が紅葉の名所として有名で、随分の人出がある。


本館からは一度敷地の外へ出て、長く続く塀沿いにしばらく歩いてようやくもみじ園の入り口にたどり着くのだが、その昔は庭を回遊したついでのように裏山へと上がっていったのだろう。




裏山は急傾斜で、湧き水も多い。それを縫うようにして、小道が作られている。




谷間に心字池が作らているのだが、ちょうどよく水をせき止めるための労力は大変なものだったのではないだろうか。


何箇所かある、開けた場所の紅葉の色づきが素晴らしい。
やはり、日照は非常に大事である。


展望台からの眺め。残念ながら、水蒸気の多い日で見渡しは効かない。
はるかに見える山並みは、日本海に直に面しているのではないかと想像した。

中野邸美術館 紅葉の姿(2)座敷から  新潟市秋葉区

2014-12-02 21:39:28 | 古民家、庭園
中野家は本当の意味での郷士である。一時は新潟県の税の5%を支払っていたという。




そのため、忠太郎が集めた美術品は残されていない。しかし、この広大な屋敷や庭がそのままの姿で残されているというのが凄い。
庭石は豪華を極め、植えられている紅葉もただものではないだろう。


石油採掘という近代の家業でさらなる財を得た家らしく、座敷には近代的な装置であるガラス張りの障子が使われている。
細工は細く、繊細である。そして、すりガラスが外の紅葉を反映して柔らかく色ずくところは、少量生産の実に上質のガラスが使われていることが分かる。


座敷の巨大な床の間まで下がると、庭の一望が効く。




主座敷の奥には、さらに選ばれた客のためと思われる奥座敷が設けられている。
この庭の凄いところは、主座敷から、奥座敷へと連続して庭の姿が変わり、境界をどこかに設けたりはせず全ての庭の空間を二つの座敷から味わえるように作られているところである。




豊かな時の財力を使った、実に手のかかった庭であると感じた。


中野邸美術館 紅葉の姿(1)アプローチ  新潟市秋葉区

2014-12-01 21:42:03 | 古民家、庭園
中野家は金津の代々の庄屋の家柄である。


さらに、邸の前で油田を掘り当て、巨万の富を築く。もっとも、その油田を掘り当てるまでに29年の歳月を要したというのだから、それなりの苦労があったとみるべきだろう。


堅固な塀で囲まれた中野邸は今は美術館となている。確かに展示されている美術品の質は素晴らしいのだが、展示されている姿はその昔、この館が豪農として使われていた姿そのものに見える。


玄関の脇に貴人のみが使用を許された庭へ直接入れる門がある。これは、多くの新潟の豪農の館で見た装置である。




館は公開されているが、この門から庭への立ち入りは許されていない。その昔の、おそらく藩主だけに許されていた特権がきっちり保存されているかんじである。それはそれで、十分に納得できる。


正面玄関の前には、和風の造りの車寄せが設けられている。