蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

白沙村荘   訪問後数日で茶室が焼失

2009-04-01 23:01:02 | 京都の建物、庭園
白沙村荘は銀閣寺の手前にあり、国の名勝に指定されている。元は日本画家の橋本関雪(代表作は瀟湘ではないかと思う)が三十年の月日をかけて造り上げた庭園である。


関雪がこの土地を買った大正初期には、この一帯は何もない湿地であったという。それを灌漑のための池の場所を選んで、それ以外には土を盛ってこの庭を造成したのだという。銀閣寺まであと数百メートルという場所にありながら、昭和初期までは非常に静かな、都市を出はずれたような場所だったのではないだろうか。




とすれば、門の脇を流れる流れも、自然そのままに見えて、実は非常に手のかかったものなのだろう。




門をくぐって、すぐに目につくのは関雪のアトリエである存古楼。大きな作品を制作できるように造られている。関雪は石塔のコレクターでもあったようだ。


池の奥にたたずむ倚翠亭。


倚翠亭に隣接する(左側です)憩寂庵。残念ながら、この二つの茶室は私が訪問してから10日もたたないうちに火事で焼けおち、失われた。文化財が失われるのは、それがたとえ生臭い政治的な背景が見え見えな場合だとしても、あまりにも残念なことだと思う。


幸いにしてこの庭園の亭として、より重要な問魚亭は無事であったらしい。これは関雪がヨネ婦人のために建てたもののようだ。


今は無き倚翠亭脇より問魚亭を望む。


存古楼の前から庭を見渡せば、やはり主役は池のようだ。遠景としてでも石橋の形が楽しめる。