まいど、日本機関紙出版です。

〒553-0006 大阪市福島区吉野3-2-35
 TEL06-6465-1254 FAX06-6465-1255 

なぜ「慰安婦」問題を消そうとするのか? 真実を学ぶ[講演とディスカッション]に多くの参加者!

2012年05月14日 | 行事のご案内&報告

昨日の「なぜ『慰安婦』問題を消そうとするのか?真実を学ぶ[講演&ディスカッション]」は当初の主催者予想を超える130人以上の人たちの出席で無事終了、「慰安婦」問題解決へ向けて気持ち意を新たにし、具体的な一歩を踏み出す契機となった。(写真はすべてクリックで拡大してください)

 共同代表の安達克郎さんが「慰安婦」問題の経緯に触れながら主催者あいさつ、時間通りのスタートとなる。

  最初に米澤清恵さんが紙芝居「『慰安婦』にされた少女たち」を上演、注目を集めた。

 第1部は永田浩三さん(武蔵大学社会学部教授)の講演。「慰安婦」問題を取り上げた番組を政治的圧力によって改変されたNHKの元プロデューサーだ。「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」やハイビジョン放送の編集長としてもバリバリ番組を作り、そして時の権力者から政治圧力を受けるような番組を作ったということで、いったいどんな人だろうかと思っていたが、全く想像とは違ったその人柄と語り口がとても魅力的な人だった。

 2000年12月、東京九段会館で開かれた女性国際戦犯法廷で次々に元「慰安婦」被害者たちが証言、日本軍・日本政府、そして昭和天皇の責任を厳しく問い、「人道に対する罪」としてその責任を断罪した。法廷の本番を取材し実際に番組を作ったのはドキュメンタリージャパンだったが永田さんがNHK側の責任者だった。そして番組の放送直前、中川昭一、安部晋三という二人政治家の番組への意見を忖度したNHKの国会担当役員たちの指示によって番組が大幅改変され放送されたのだ。

 改変箇所は、①「慰安婦」、「慰安所」の存在を極力隠す。②日本軍・日本政府の組織的関与のニュアンスを消す。③海外メディアが「昭和天皇の責任」について触れた部分を消す。④女性法廷の歴史的意義を消す。⑤判決・日本政府と昭和天皇の責任に触れた部分を削除…といように、法廷の、番組の意味を無きものにするに等しい痛ましい改変だった。

 女性法廷の主催者団体の一つバウネット・ジャパンは「番組に他する信頼が損なわれた」としてNHKなどを提訴、永田さんは責任を負わされ番組制作現場から閑職に異動、最終的には最高裁でNHK側が勝訴している。

 そしてこの事件以降、NHKでは「慰安婦」問題は一切、報道されなくなった。また政治家の意向が現場に直接降りてくることはなくなったという。事件の詳しいことについては永田さんが書かれた『NHK、鉄の沈黙はだれのために』(柏書房、2010年)にあるのでお読みいただきたい。

 ところで、韓国側から日本政府に対して「慰安婦」問題の解決を求める声が昨年来強まっているが、NHKやフジテレビではこうした動きについて報道するときに「いわゆる慰安婦問題」という表現を使っているそうだ。「いわゆる」と称することで、そのことが注目するにも値しないできごとだというような姿勢をとっているという。皆様のNHK、そしてそのために常に中立・公平の原則をNHKは言うが、実はこれに加えて公正であることがさらに大事なのだと永田さんは強調した。恐れることなく真実に対して踏み込んでいくこと。これが決定的にかけてるのが今のNHKなのだ。

  熱心に永田さんのお話を聴き入る参加者のみなさん。

 第2部はパネルディスカッション。

 石川康宏さん(神戸女学院大学教授)が「慰安婦」問題が消される過程を敗戦時に遡って現在までを解説、加害への反省を避け続けてきた日本社会の現実を指摘、私たち自身の力で「大人の社会」を作ろうと呼びかけた。

 平井美津子さん(中学教師)は学校現場で「慰安婦」問題がどうなっているかを報告。ご自身の教材が右派勢力から攻撃を受けていること、「慰安婦」問題を学んだ中学生たちの率直な意見、「慰安婦」の教科書記述の復活、そして大阪での危険な動きなどについて触れながら「慰安婦」問題が現在の問題であることを強調した。

   若い人たちも多く参加し、意見や質問も出された。

 運営にあたったスタッフのみなさん。

 おかげさまで、会場カンパやアンケートも多数回収され成功裏に閉会、講師ともども近くの打ち上げ会場では恒例の全員発言。

   永田さんにはさらなるNHK話をはじめ、質問にも答えていただいたり、著書にサインもしてもらいました。

 ちなみに、こちらの本もまずますの売れ行きで動き始めました。

 おっと、これは2次会でのなんともなワンショット! みなさん、すごいパワーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最新刊『「ナヌムの家」にく... | トップ | 新刊本、さっそくご紹介いた... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

行事のご案内&報告」カテゴリの最新記事