ひき逃げ犯人が捕まったという第一報のニュースが流れたとたんに、わが職場の上空がヘリの飛び交う音で賑やかになりました。そう、あの事故の遺体が発見された場所がウチのすぐ近くなのです。現場近くの歩道にはたくさんの献花やお供え物が置かれています。
昨夜から今朝にかけてマスコミの話題はこの事件と米国大統領選一色です。飲酒、無免許運転、ひき逃げ、逃亡、殺意があったかどうかは不明ですが、犯人の行為は決して許せるものではありません。おそらく大きな刑罰を受けることになるのでしょう。また亡くなられた遺族の方のことを思うと胸が痛みます。毎日たくさんの交通事故が全国で発生し多くの犠牲者が出ています。この事件は単なる交通事故ではなくその陰惨な内容が衝撃を与えました。だから多くのマスコミが注目するのは仕方のないことかもしれません。そして私たちはマスコミ報道に踊らされ、なかなか逮捕されない犯人に対して憎しみの感情を抱き、さらに被害者遺族と同化したかのような思いを募らせますますその感情を増幅させていきます。
犯人がようやく逮捕されました。あとは警察や司法に委ねていけばそれで終わりと思うのですが、何もなければ普通はそういう事件のはずです。でもそうはさせないないのが今のマスコミ産業です。おそらくテレビ、新聞、週刊誌、月刊誌、そしてネット世界・・・あらゆる媒体・シーンでこれから被告に関する様々なことが取り上げられていくのでしょう。そして醸成されていく「被害者のことを考えろ! 被告人に厳罰を! 被告人を死刑に!」という声、雰囲気・・・。そんなことがこの前の事件のように再び繰り返されていく・・・。それって何かおかしいのではと思います。そうならないことを祈ります。