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タックスヘイブンは資本主義自身にとっても悪ではないか

2016年10月17日 | 丸ちゃんの喜怒哀楽へなへなジャーナル
「しんぶん赤旗」に今連載中の「経済の迷宮」がいい記事だ。パナマ文書が明らかにしたタックスヘイブンの実態を、利用者、仲介者など関係者たちに取材、よくわかる記事にしている。読むと、これはもはや単なる〈税逃れ〉では済まされるものではなく、そこには「法律には違反していない」などの抗弁が成り立つとは思えないほどの世界が、私たち庶民がまったく知りえない形で存在している。

タックスヘイブンをマネーロンダリングなどのために利用している勢力もあるようだが、やはり最大の問題は「タックスヘイブンに逃げる巨額資産が格差を加速度的に広げ、安定的な経済社会運営を行うために税制によって、所得格差を縮小させるという、本来の税制機能を破壊しており、これを是正できるか否かは、資本主義が維持できるか否かに等しい、深刻かつ重大な課題である」(青山学院大学学長 租税法専門家 三木義一)と指摘されるように、それを放置することは資本主義社会の存続自体にとっても、大きな問題なのだ。

グローバル化が進んだいま、問題の解決は一国の手に負えるものでは無い。OECDは2013年、タックスヘイブン対策として国際的な取り組みとして15のアクションプランを特定「BEPS行動計画」を発表した(BEPS=税源の侵食と利益移転、Base Erosion and Profit Shifting)。これは、越境活動に影響を及ぼす国内ルールへの整合性導入、課税と経済活動及び価値創出との一致を確保するための既存の国際基準における実体要件の強化、企業・政府の透明性及び確実性の改善という3つの指針をもつ。OECD租税委員会が立ち上げたプロジェクトで、外国子会社に対する合算税制の強化、租税条約濫用の防止などの行動計画を持つ。

今後、この取り組みはいよいよ強化されていく。本来、納めるべ税が納められずそれが格差拡大につながり、その是正のための財政が棄損されてる現状は、何としても改善されなければならないだろう。


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