ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

亭主の実家のこと

2005-04-03 | 考えたこと
亭主の実家は 
ここからちょうど 私の実家と同じ位の距離と時間。
(車で3~4時間。電車を使うと4~5時間。)
同じ位、ド田舎。
違う所は、私の実家は田んぼに囲まれた平地だけれど
亭主の実家は竹やぶに囲まれた、山の中ということ。
坂道を下れば、
同じような田んぼの風景が広がってはいるのだが。


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いよいよ咲き出した花々。
今年のテーマカラーは黄色にした。
差し色に紫をつかうことにした。
これは 黄と紫の混じったビオラ。
柔らかな色合いが気に入っている。

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亭主の実家の近くでは、
たくさんの杉の木の間を埋めるように咲く
山藤が美しかったり、
道路から家まで くねくねと登る細い道の脇に
蕨が生えていたり、
私には珍しいものがいっぱい。

もっとも、めったに帰省しない。



近くの野山で 亭主はもっぱら虫取りをして
大きくなったと言う。

カブトムシもクワガタも 山ほど取れたのだと言う。

ある年 その山々が 宅地開発されたというので、
亭主は 夏に 日帰り帰省する時に
「よし、今年はお前達に
 パパが昔よく虫取りに行った山を
 教えてあげる。
 いっしょに虫取りをしよう!」
と 子供たちに宣言していた。

ところが行ってみたところ、
山は完全に段々の宅地になってしまっていた。

小さな産土神社の周りだけ 
とり残されたように 雑木が茂っていた。

もっと早く子供たちを連れて来てあげていれば、
とは思うものの、
子供が虫取りをしに 山に行くには、
それなりの成長を待たなければならない。

ようやく息子が山道をひとりで歩けるようになり、
娘ともども 虫取りに興味を抱けるようになった頃だった。

亭主はそれからしばらく 気が抜けたようになっていた。
よほどショックだったらしい。

小さい頃に遊びまわった山が、
すっかり、完璧に!なくなってしまっていたことに。



亭主の実家の庭は 狭いわけでは決してないのに、
庭がないような印象を受ける。

平らな部分がないのだ。
物干し竿があるところまで 
洗濯物が入った籠を持って行くのが、とても大変。
 
物干し竿は、もちろん、義父が切ってきた、
竹。

そして、そのまわりは 自生する蕗でいっぱい。


庭に大きな木がある。
何本も。

亭主が子供の頃、
そのなかの一番高い杉の木に 雷が落ちたという。

子供だった亭主と、義弟と、義父と、
みんな相当驚いたし、怖かったらしい。

義母がひとり、座敷に端然と座っていて、
「さすが、お母さんだ。」
と口々に言っていたら、
義母は実は腰が抜けていたのだという。

その杉の木は 縁側からわずかな距離にあったらしい。



亭主の生まれた古い家が、まだ残っている。
よく雨漏りがしないものだ、と思うくらい、
古くて、オンボロ。
茅葺きの屋根の上に トタンを張ったものらしい。

私たちが結婚した頃には
座敷が一間と 水周りだけは、
増築して キレイで新しく、快適になっていた。

その増築部分も そろそろ傷んできている。

増築部分の瓦屋根の、そのまた上に、
大きな柚子の木の枝が 広がっている。

あれは、聞いた事はないけれど、
絶対 柚子を切らずに済むように増築したのに
違いない。

去年の冬は ぜひ柚子を取りに行こうと思っていたのに、
一度も行けなかった。
残念だった。
柚子酢をいっぱい作りたかったのに。



よくある話だが、義父母も よくものを取って置く。
家の周りは、義父がキチン!と縛ったダンボールなどで
ぐるりと囲まれている。

放火されたら、ひとたまりもないだろう。

去年 義弟一家と 我が家とで 
いっせいに清掃作業にかかって、
だいぶゴミ(?)をなくして、さっぱりした。

この冬は 例年よりずっと冷え込んだに違いない。

暖かな春は 年寄りだけの世帯にも
待ち遠しいものだ。

桜は、まだ 咲かない。