ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

結婚式

2009-01-31 | なんでもないこと
仕事でお世話になっている方から、
亭主に 結婚式への出席を求められた。

美しい娘さんがいらっしゃる。

喜んで、と お返事をさせていただいた。







お式が始まったら、写真撮影は禁止されちゃった。。。






けれど、しばらくして届いた招待状は
私たち夫婦宛だった。

結婚式は休日。

休日が忙しい我が家、その日の仕事は
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ヒマ。(爆)

ここは揃って出席するのが運命かと、
私も ジャケットと靴を新調して 行ってきたよ。







実は、ここんとこ、私は「赤」の時代に入っている(笑)。
グレーを買うツモリが、赤のジャケットのなったのだった(苦笑)。
で、後でよく考えてみたら、私の顔は グレーを着るとますますくすんで見える。
これでよかったとホッとしている。
亭主からはさんざんに言われたが。もう、遅い!(笑)






(披露宴ではなく)結婚式に出席した経験は、
私は 自分達のと親戚のを含めて
仏式が2回(笑)、神前が2回。

今回が生まれて初めての、チャペルでの結婚式だ。

興味シンシン!

披露宴からの出席ならば もっとゆっくり出かけてもよかったのだが
お式から参列させていただいた。



賛美歌は知ってるメロディだったし、
歌詞は配られていたから、
大声で歌った。

列席した人が参加できるって、いいなあ。

ただし「アーメン」のところと
「祈り」として 目を瞑ってください、といわれた時は
合掌して 心から 
おふたりの末永い幸せを祈らせていただいた。






披露宴も、新郎新婦が 
それほど若いという年齢でもなかったせいか、
落ち着いた、心温まる披露宴で、
しかも とても食事が美味しかったので 大満足(笑)。



お色直しは一回。

白いドレスから 色物のドレスに。



新郎は緊張して ずっと素っ気ない顔。

新婦は喜びで 終始、満面の笑顔!(笑)







私の歩数系と 今回の娘の忘れ物のピアス。 デカイ!(爆)






ところで、今回、
息子だけでは頼りないから、と 
娘にも留守居を頼んで出かけたのだったが、

それが、まあ、なんとも。

二人合わせてようやく一人前の留守番に。

朝の来客の予定の時には 息子は寝ていて、娘が対応。

その後 息子が起きて 娘が寝てしまったらしい。

「メシ、できたよ。」
と お昼に 弟に起こされたのだそう。

(息子の作る食事は、100%、パスタ。)

娘はとうとう、正月に引き続き今回も、
一度も食事の支度をすることなく、
アパートに帰って行った・・・(涙)。







外にある、鐘がいくつもぶら下がったモニュメント。
この鐘が鳴ることが、あるのかな?






最後に。

式場の外に出てきたら 
そこでアントラーズの小笠原クンに出会った。

正しくは、「見た」!(笑)

普通の人、という感じだった。

(無精ひげを剃れ!)

ピッチ上と同じ歩き方をしていた。

膝の具合はもういいのかな?

期待しているゾ。 ガンバレよ。



娘の自炊(?)

2009-01-30 | こどものこと
「あたし、ママが使ってるのと同じような鰹節を探して買ってきて、
 それ使ってるんだよ。」

ああ。。。娘よ。

あれは、「本枯れ節」じゃなかったんだよ。。。(涙)







ムラの神社は それなりに境内が広く、裏にはヒノキの林もある。
これは、拝殿。 本殿も、それなりに立派。






紙パックに入った出汁パックを見せて、
これでいいんだよ、と言うと、
返ってきた言葉は。

「ママ、手抜きしてんの?!」

だった。

「手抜きじゃないよ。。」

使っている鰹節だって、枯れ節だよ。

(偽装表示でなければね。)







長いこと履いていた息子からのお下がりのシューズ。
新年になってから御用納めをして、ようやく新調した。






アパート生活を始めてしばらくして、
娘は 自分で炊くご飯がすごく不味い、とこぼすようになった。

そりゃあ、まあ、
我が家のご飯は 米の味にうるさいパパのために、
値段も高いお米を買ってはいるけどね。


「私も、不味いご飯は食べたくなかったから、
 けっこう高い値段のお米を買ったんだよ。」

「! ?  あんた、そのお米、いつ買ったの?」

「それなのに、すっごい、不味いの。」

「そのお米、いつ買ったの?」

「え?」

「そのお米、いつ買ったの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・4月ごろ。」




ワハハ、バレタ!

古米が古古米になっちゃったんだ!



娘は5キロ入りのお米を買ったらしいが、
それにしても、
ひとり暮らしが始まって間もなく買ったお米が
半年を過ぎてもなくならないなんて、
どんな食生活をしているか、
全部見えた!(爆)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・困った娘だ(号泣)。



娘のこと

2009-01-29 | こどものこと
「こどものこと」というカテゴリーに入れておくには
そろそろ、いくらなんでも、無理がある?(汗)

大学に入って何年経ったろう?(涙)

この就職難の時代、
年齢や経験を問わず、職探しは大変だろうが(泣)、
就職どころか、卒業もままならない娘だ(号泣)。





お正月で帰省した娘と 久々に時間が持てた。



「ママが若かった頃には 有楽町に「いとしあ」はなかったの?」

「いとしあ。 なかったなあ。」

「てか、丸井はあったの?」

「丸井・・・。有楽町に、丸井はなかったなあ。」



ママの若い頃に、プランタンができたんだよ。







有楽町駅から見た丸井。 

ちょっと前まで 大工事していた場所だという認識はある。

有楽町で降りたのは久しぶり。






娘は 池袋でのアルバイトから(なんで池袋?笑)
同じ経営者の別の店に配置換えになった。



よくわからなかったが、丸井と「いとしあ」がくっついているようだ。






「いとしあ」は どうやら「ITOCiA」と書くらしい?

先日 初めて彼女のアルバイト先に顔を出し、
娘のおごりで オススメ料理を食べてきた。

まずまずの味であった。






飲食店でのアルバイトは まかない狙い(笑)。

池袋よりも通勤が便利になったと喜んでいる。

で、なんで池袋なんかで最初のアルバイトを探したの?(笑)



前にも書いたはずだけど、もう一度。

アルバイトはテキトーでいいから、一日も早く、卒業しておくれ(号泣)。



冥加(みょうが)と冥利(みょうり)

2009-01-28 | なんとなく仏教?
『龍―RON―』
警察だか特高だかに追われた龍が 中国に旅立つ前に 
洛北・大原の尼寺にかくまってもらった時、
その菩薩さまのようなお顔の ちょっと不思議な尼さんが言う。

「風は見えないけれど、
 なびく草や枝を見て、
 私たちは
 見えない風の存在に気づきます。

 私たちの周囲(まわり)には、
 あまりに多くの
 見えないものがある
 ということです・・・。」













「あなたが今ここにいるのも、
 あなたを守ろうという人々の 
 目に見えない力が働いた結果ではありませんか?

 目に見えぬもの(冥)に
 守られている(加)ことを
 知らねばなりません・・・。

 これを“冥加の心”といいます。」




へ~。

そうなんだ。

「冥加(みょうが)」という言葉は知っていたけど、
意味なんか 考えたこともなかった。。
 


尼僧は

「自分の力ばかりを頼みにしないで
 もっと素直に
 まわりを見回してみたらどうですか?

 そうすれば 道は開けてくるもんどす。」

と 龍を諭している。(第19巻 p183)




冥加(みょうが)の「冥(みょう)」は 
暗いという意味だろうか。

冥途(めいど)の「冥(めい)」だ。

冥府(めいふ)、冥界(めいかい)の「冥」。

おそらく、漢音が「メイ」で、呉音が「ミョウ」。

呉音は日本語を面白く(つまり、面倒に)してくれるね(苦笑)。



いつもの新選国語辞典で調べると、
確かに、「冥加」は
「目に見えない神仏の助力。おかげ。おたすけ。」とある。

冥助(みょうじょ)は冥加と同じ意味。

(瞑目(めいもく)と瞑座(めいざ)は違う字。)



巻末の漢字解説によると、「冥」には

①よみじ。死後の世界。
②目に見えない神仏のはたらき。
③奥深い。

という3通りの意味がある。







ほうれん草? 雑草?(笑)






マンガを読んでいて 「冥加」という言葉の意味を
これまで知らずに居た、と気付いた。

そうしたら、今回 『にぎやかな天地』上下巻を読み返していて

(記事にする時って、もう、どうしようもないくらい、効率悪いけど、
 信じられないくらい、読み返す)

「冥利」について掛かれた部分にぶつかった。



「あいつは冥利が悪い、っちゅう言い方をするやろ?

 ぼくは若いころ、修行に行った料亭のご主人に、
 しょっちゅうそない言うて怒られた。

 よう使うことばやねんけど、
 冥利って、どういういみやと訊かれて、
 性格に説明できる人は そないおらんのや。」(上巻p265)





「冥利(みょうり)」、新選国語辞典によると、

「①それとわからぬうちに神仏があたえるめぐみ。
 ②善行の報いとして受けた幸運。
 ③ある立場にあることによって受ける恩恵。

 冥利に尽っきる:ありがたくて、もったいない。」

と書かれている。

「冥加」とおんなじじゃん?



「そやけど、どうもそれだけでは説明しきれん意味合いが
 含まれてるような気がしてなァ。
 
 しかし、あいつは冥利が悪いっちゅうと、
 なんとなく わかるような気がするんや。

 常日頃、胸に持ってる考え方が歪んでるとか、
 やってることが どこか邪(よこしま)や、とか、
 どこかにずるさや なまけ心を隠してる、とか・・・・・・。」



「そやけど、どこか冥利が悪かったなァ、
 と いまになって わかるんや。」

「つまり、どれもこれも、ふりをしてたんや。

 料理の修業に懸命なふり。

 ご主人を尊敬するふり。

 兄弟子に従順なふり。

 いやな仕事も骨身を惜しまずにするふり。

 ぼくは 他人にではなく、自分自身に向けてやっとったんや。

 ご主人はそれを見抜いてたんやなァ。」(同)







小松菜!(笑)






心に刻んでおきたい言葉は「冥加」や「冥利」ではなく、
「冥利が悪い」の方かと思う。

「身の分限をはかり 慈悲を専らとし 
 善悪につきて 心を動かさず
 天明に安んじてはたらくべし」

というおみくじの私だから、

心して過ごさなくては、と思う。



おみくじ

2009-01-26 | なんとなく民俗学?
新しい年になって 
おみくじを引いたと 何人かのブロガーさんの記事にあった。

私も! と思ったが
いつものムラの観音さまのお祭りは 10日。

待って、待って、おみくじを引いた。

(で、きょうは何日? 爆)






無難に「吉」をいただいた。

(去年も「吉」だった→2008年2月4日の記事



「第七十六、吉」

●富貴天乃祐 ふうきは てんの さいはひ

●何須苦用心 なんぞ こころを もちゆることを くるしむべき

●前程應顕跡 ぜんてい まさに あとを あらはすべし

●久以得高臨 ひさしく もって かうりんを えたり



やっぱり、今年も、わかんない~~~!(涙)






「富貴は わがこころに 神佛の心にかなふやうに持ち、

 すべての吉凶は 皆 前になし置きたることと、

 いまよりする所作によって 

 明らかにわかるるものなれば、

 一時限りの善き事にあらずして、

 すへ長く善き事をなすべしとなり」



う~~~ん、少しはわかったかなあ(爆)。





●此のミクジにあふ人は 
 身の分限をはかり 慈悲を専らとし 
 善悪につきて 心を動かさず
 天明に安んじてはたらくべし

 ようわからん。

●よろこび事 心がけよき人はよし

 悪い人はどうだっての?

●病人は 善人は本ぷくし 悪人は本ぷくなし

 わかりやすいね。 私って、どっち?

●望事 叶ふて後の吉凶は
 其人の善悪によるべし

 だから~、私、どっちよ?



●生き死には 十に八九 生くべし

 なら、まあ、いいか。

●職は何にても わが好めることならばよし

 つまり、なんでも好きなことをしごとにすればOKってことね?

 ステキ!(笑)



いい人にはいい事が、 悪い人にはそれなりの事が(苦笑)
あるだろう、ってこと?

じゃあ、ここはやっぱり、単純に、
なるべく善人でいることにしようか(笑)。



あまりに

2009-01-24 | 発酵
あまりに残念で あまりに腹の立つ偽装事件があったので、

ついでながら 鰹節のお店をご紹介(笑)。




丸久鰹節店 → http://www.japan-food.jp/kenbun/44.html

『にぎやかな天地』の中で 
「古武士のよう」と評された社長さんがいらっしゃる(笑)。

「商品一覧」のページから お買い上げも可能!



かね七株式会社→ http://www.shokoren-toyama.or.jp/~mizuhasi/kane7.html

私に頼まれた息子が スーパーで買ってきた鰹節の、富山の会社。

なにも、枕崎でなくたって、鰹節屋はある!



カネヒコ森田 森田鰹節株式会社 →http://www.oroshidanchi.or.jp/002-42.htm

本日教えていただいたばかりの会社(笑)。


きっと他にも、いっぱいあるだろう。

どちらも、良心的な会社だといいなあ。 



偽装

2009-01-23 | 明るい農村
生協の白石さん(2005-11-15 の記事)が
東京農工大学の広報大使の第一号に任命されたねえ。
ついに素顔を披露!「生協の白石さん」大学の広報大使に

顔写真が (小さいけど、)今朝の新聞の一面に出てたよ~(笑)

いや、私の今日の記事には関係ないんだけどね(爆)。







私が風邪気味と聞きつけて、みっちゃんが 
奥さま手作りの金柑の甘煮を持って来てくれた。
喉は別になんともないんだけれど、ありがたく(笑)。
○○牧場のではないが、いただいた容器に書かれた「生キャラメル」、
こちらの方が気にかかる(笑)






義さんから 今年の冬も 度々 白菜の漬物をいただいている。

ありがたい!



その義さんから、最近、わさび漬けをいただくようになった。

義さんちで栽培しているのだそうだ。

「友達に頼まれて。」
と義さんは言っていた。

どこに住んでる友達か、は伺わなかったが、
いただくわさび漬けの産地は 県内ではない。

近所の義さんち(の畑かハウス)で採れたわさびが、
おそらくは わさび漬けで有名な地域のわさび漬けに変身して
その土地のものとして 売られている。



そうそう、
実家の方では 野沢菜を栽培して
野沢菜で有名な地域に送る、という農業が成立している。

イバラキ産ではなく、有名な土地の産物という扱いだ。


最終的に加工した土地が 産地として表示される。

こういうのは 
現代日本の常識では
産地偽装とは 呼ばないのだろう。






似たようなことは 
輸入して 一定の期日を過ぎれば 
その土地産のものとして出荷できる、
という海産物にもある。

国産扱いになって 値段も格段に高く売れるに違いない。

これも 現行の法律では
産地偽装では ないはずだ。






もちろん、ホンモノの産地偽装も 次々と発覚しており、
当局は とにかく しっかりやってもらいたい。

嗚呼! 日本人の良心よ!







電話で「風邪気味で」と話したら、
近所の元・学校の養護教諭が持ってきてくれた、これは玄米のあずきご飯。
美味しい! 玄米とあずきって、合うね!
私を、我が家を、こうして支えて下さっている善意は、決して偽装ではない。







白石さんの記事と同じく、
本日の朝刊にあったのは、
鰹節の偽装だった。

カツオ節で表示偽装、ヤマキとマルトモに改善指示へ

業界第2位のマルトモは 
焼津産の鰹節を 「枕崎産」と表示を偽装していたという。
 
美味しい鰹節を作って、
焼津産の鰹節の価値を もっと上げれば良かったのに!



もっと許せないのは、
業界最大手のヤマキ。

カビの培養を2回以上繰り返した鰹節にしか使えない
「枯れ節」の表示を、
基準を満たしていない削り節のパックに施して 
販売していたという。



カビ付けをして、20日待って、カビを払って、天日干しをして。

それをまた、
カビ付けをして、20日待って、カビを払って、天日干しをして・・・。

その手間ひまが
日本の食卓を、
日本人の腸の中の有用微生物を、
日本人の感情を、感受性を、
豊かにしてきたのだ。

と思う。

『鰹節』を書いたばかりのところに
こんなニュースが入ってきて、
私は悲しい。。





「信頼していたのに」地元消費者から憤りの声

>消費者は商品の表示を信じて購入するしかないし、
>表示が本当に正しいのか調べる方法もない。



これからも 私たちは 表示を信じて買物をする。

良心に恥じない商いをしてもらいたい。 



『龍―RON―』

2009-01-22 | マンガ
大変だった。

『龍―RON―』全42巻を読むのは(苦笑)。

すっごく、すっごく、大変だった。

「鰹節」を書きながら読破するのは(爆)。



これは、太平洋戦争を背景とした、大河ドラマだ。

亭主がドッサリと買ってきた。

これを「大人買い」と言うの?(笑)

(村上もとか著、小学館、ビッグコミックス)













日本史の時間に習いそびれた近現代史は
全く頭に入っていない。

私にとっては空白の日本史の学習にもなる。

「小学館漫画賞」を『墨攻』の次の年に受賞したそうだ。








最近 寒い上に風邪気味で 外に出ていない。正月に撮った写真ばかり。
春になったら甘いキャベツになる?






主人公の龍(りゅう)は 京都の学生。

ずば抜けた体格と 丈夫な身体と 運動神経を生かして
武道専門学校(通称:武専)で 剣道に邁進している学生だ。

その程度だったら、ついていける。

同じ作者の『六三四の剣』見たいな感じで読んでいける。

かもしれない。

(『六三四の剣』も 後半は読んでいなかった。)

京都に住んでいるなら、舞妓との恋も必須(笑)だろう。

一方、龍の妻となる 田鶴ていの出世物語でもある
(実在の日本女性初の映画監督がモデル)。
 





けれど、龍は 秘宝を追って中国に渡り、
記憶をなくして中国人・龍(ロン)となり、
上海の暗黒界で顔役になり・・・。

その上、奥地の山の中で中国武術を極め、
馬賊の親方となって 
更に秘宝を追い求める・・・。

となってくると、ついていくのが大変(苦笑)。

身の丈に合わないマンガは 理解も難しい?



同じように 
主人公が 急速に進歩したり 昇進したりすると、
『サラリーマン金太郎』もそうだったが、
鼻白む思いというか、応援する気もなくなるというか、
ついていけないのだ、私には。

感情移入ができなくなっちゃうんだなあ。

唖然・呆然として ただ眺めるだけになる。







こっちもキャベツだと思うんだけど、同じ時期にこんなに違う様子の畑がある。






日本近代史の読み物としては大変面白く、
これで 登場人物の名前を忘れなかったら
かなり日本史通になれそう。

伊達順之助なんて人、知らなかったし。



実在の日本人の映画監督を想起させる人物も何人も登場。

北一輝とか 河上肇とか 名前は知ってても
いまひとつつかめなかったが
マンガだと 主人公の身近にいて、動き、語る。

中国に於いても 実在の満映の甘粕正彦は重要な役どころを担う。

実在の政治家や軍人も多数 出演(?)している。
(周恩来も毛沢東も出るよ!)

史実とごっちゃになってストーリーを楽しむ事ができるのは
割と私好みだ(笑)。



最後の締めくくりを 最初に想定して
物語を構築していったのだとしたら、
作者は天才だと思う。

支離滅裂な私には とうていマネできない(笑)。



鰹節(4)

2009-01-21 | 発酵
4度のカビ付けをした「本枯れ節」は
それまでの 食べなれた「かつお・ふし」と どう違うか?

それはもう、全然違う!

味と言おうか、香りと言おうか、
ともかく、こう、
まろやかで、ふくよかで、深みがあって。
 
匂いを鼻から吸い込むだけで
身体の中がキレイになっていくような、
えもいわれぬ、美味しい匂いがする。



鰹節は カビ付けすることで、
他の有害なカビの発生を抑えることができるらしい。

さらにそのカビが
鰹節に独特な香りをつける・・。

ということは、これは、カビの‘お陰’の匂いだ。





作者は『にぎやかな天地』の中で 
鰹節店の社長の言葉として、たしか二度ほど、
「若いお母さん」と言う言葉を使っている。

若いお母さん方が 子どもに「本物の味」を食べさせたくて
「だしの素」などではなく、
本物の鰹節、「本枯れ節」を買ってくださる、
と言う話だった。

「この仕事をやり続けてきた私には、
 ほんとに嬉しいことです。」(下巻 p57)



偉いな~、そのお母さん。

そして、そのためのお金を稼いでくれている人。

私も 出汁にはけっこうお金を使っているつもりだったが、
「かつお・ふし」だったし(涙)。

「本枯れ節」を使い続けるとなると、
やはり けっこうな出費になるはず。

おひたしや オニオンスライスならそうでもないが、
毎日の出汁となると、
ひと手間かかる。

私も引き出しのついた逆さまカンナの鰹節削りを買って
「本枯れ節」を削るかな。







以前使っていた鰹節削り器。 「オカカ」という名前(笑)。 
これだと、指を削る心配がないが、削りにくい時がある。
すごく便利なのだが、色だけはどうにかしてほしいと思っていた。
最近はもう少し進歩しているらしい(→オカカ7型






ところで、鰹節製造業、というか、
カツオという食材そのものが危機にある、
という事はご存知だろうか?

鰹節としては枕崎市が有名かと思うが、
その枕崎の鰹節の業者が 
今年は5、6軒も 営業を止めてしまった、
と言う記事を新聞で読んだのは もう一昨年の事になったろうか。

切り抜きもなく、ネットで調べても 
誰かが新聞に寄せたその文章は見つからないのだが
確かに 手間がかかってたいへんな仕事は全般、
現在の日本では冷遇されている。



だからこそ、若いお母さんたちに期待しなくてはならないのだが、
材料のカツオそのものが、減っているらしい。

原因は 日本食・健康食がブームで 
海外のカツオの需要が高まったためというから、
うらめしい。

2007年7月18日 読売新聞

品薄は 当然高値を呼ぶ。

美味しい鰹節を どっさりふりかけて
義さんの白菜漬けを食べたい私は、
やはり 削り節ではなくて、 
「ルビー色」の、
打ち合わせるとカンカンと高音の音がする鰹節を、
カシュカシュと削る方が安いかな、という気がする。



また、忙しい方々にも、
「だしパック」という簡便なものもあるのだから、
ぜひ 白い粉や顆粒状のものではなく、
ホンモノのお出汁をとることをお勧めしたい。

何故なら、
化学的に合成されたものの影響は
まだ(本当には)どうなるか わからないから。

科学はこれまで 
古来からの人間の智恵を裏付けることはしてきたが
姑息な手段の安全性を完璧に保障できるところまでは
発達しきっていないから。

古くからのやり方が間違っていた、ということは
‘食’に関しては
今までほとんどなかった、と思うから。



私はこれからも、大好きなカツオのお出汁の味噌汁を飲むつもり。

鰹節業者の方々も、頑張って!



                      完(笑)



鰹節(3)

2009-01-20 | 発酵
『にぎやかな天地』の中で 聖司たちは
鰹節については、鹿児島県枕崎市の「丸久鰹節店」というところに
取材に行っている。

カメラマンは 無駄のない作業を邪魔しないように写真を撮るのに
苦心している。

「日本の優れた発酵食品を、
 もうこれ以上のものはないというくらい丁寧に取材して
 後世に残すための書物」(下巻 p14)
を作る取材のためだ。







びっくりするほど濃密な芳しい香りを放つ水仙。






恐ろしいほどに すさまじく良く切れる刃物で 
熟練の技によって 瞬く間に切り分けられる鰹。

「この一連の作業は ほとんど誰もひとことも発しないまま
 延々とつづけられていった。

 無駄口を叩いたら、その瞬間に指を切り落としてしまいかねない・・・・・。

 そんな緊張感が、彼らを一様に寡黙にさせている・・・・・・。」(下巻p47)



その切り身(?)を茹でるのだが、その温度が難しい。

茹でたら、それを棚に載せて燻す(いぶす)。

樫の木の薪で 燻し続けること、15日間。

今日 燻した身は、明日は一段上にのぼり、
一番下の段には 新しい身を載せて 燻す。

それを繰り返して 鰹の身は 一日に一段ずつ のぼっていく。

15日目に最上段に達して、取り出される。

燻されて3、4日目には 美味しい生節ができるそうだ。






さて、15日間 樫の木の薪で燻し続けた鰹の身に
カビ菌(コウジカビ)をふりかける。 

これが、一番カビ。

カビは 水分のない所では 生息できない。

だから彼らは 鰹に残っている水分を吸収していく。

しかし このカビには寿命があって、15~20日で死滅するらしい。

このカビを払って、天日に干して、同じように、2番カビへ。

2番カビも懸命に水分を吸収する。

寿命は、20日くらい。

2番カビを払って、天日に干して、また3番カビへ。



こうして鰹節は出来上がるのだが、
この鰹節店では 更に4番カビをつける。

カビをつけづに 何日かの天日干しだけで出荷するのが、「花かつお」。

「花かつお」と「鰹節」は、まったくの別物だった!



このようにして、作るのに 約6ヶ月。

さらに卸業者のところで6ヶ月寝かせるのだそうだ。

これを昔は キカイの力を借りずにやっていたはず。

ため息が出そうだ。






カビは 自分たちが生きるために 必死で水分を吸収し、
同時にすごいことをしている。

酵素を作り出すのだ。

その酵素を 鰹節の中に送り込むのだ。

その酵素は、鰹の切り身の中のたんぱく質から
アミノ酸やイノシン酸などの「旨味」を生成する。

そうして、最後の最後まで 水分を吸収しつくして、
同時に、油脂成分を完全に分解してしまうのだという。

カビが 鰹の脂を 完璧に分解してしまう。

だから、鰹節からとった出汁に脂は浮かない。

限りなくヘルシー!

これは 鶏がらや 仔牛の骨でとったスープとは
まったく違う点だろう。








近くのスーパーや生協の店で購入した商品。

上の写真の中の、「かつおパック」とある商品には、
「四番かび付け鹿児島県枕崎産かつお節使用」
とある。

おお!

頼もしいではないか!!!



しかし、たいていの袋には「出汁のとりかた」が書かれているものだが、
このかつおパックの袋には

「お好み焼き、焼きそば、たこ焼き、湯豆腐、冷奴にふわりかけて。

 ほうれん草などのおひたしや オニオンスライスにふりかけて。
 
 醤油をからめておむすびの具や、おたたかいご飯にのせて、
 お召し上がりくださいませ。」

としか書いてない。

これで出汁をとってはいけないのか?

小さなパックに小分けしてあるから、無理なのか?

大きな方の袋のものは 2番カビ付けまでと書いてある。

そして 大袋は 今ではもう 棚に置かれていない。


                      もう少しだけ、つづく



寒い~(泣)

2009-01-16 | なんでもないこと
寒いのは嫌いだ!

身体も動かなくなる。

だから、ここの所、お散歩にも行かない(苦笑)。

愛犬がムクムクしてきている気がする。

きっと私のお腹周りも・・・(涙)。



お供え餅を11日に下げるのは忘れなかった。

注連縄を14日にはずすのは 忘れていた。

東京ミッドタウンに行ってきた日だ。

昨日、そういえば?と思って 玄関ドアを見上げたら
注連飾りがなくなっていた。

キチントさんの亭主がはずしたに違いない。

そうか、もう寒中見舞いの時期になったのだ。

お正月気分は拭い去って、今年こそ(苦笑)、マメに動こう。

まずは、愛犬の散歩からだな。

土手にはもうホトケノザが愛らしく花を咲かせている。



「ジャパン 蒔絵」(2)

2009-01-15 | なんでもないこと
行って来たよ、サントリー美術館。

恵比須から日比谷線で二駅目。

ホームに下りたら、左が六本木ヒルズ、右が東京ミッドタウン。

一年とちょっと前に 亭主と行って以来だ。(→2007年12月15日の記事

なんとか、迷子にならずに帰って来られた。(ホッ。)







東京ミッドタウン、ガレリアの3Fにサントリー美術館はある。







「特別展覧会 JAPAN 蒔絵 ――宮殿を飾る東洋の燦めき――」は、
去年の10月から12月にかけて 
京都の国立博物館でやっていたものなので
そちらでご覧になった方もいらっしゃることだろう。

蒔絵の芸術性は もう、息を呑む精緻さと美しさ。

私は 見ていて 思わず涙が溢れそうになった。

それくらい、素晴らしい。



本当に息を殺して、
ガラスに額をくっつけそうになりながら、
じっくりと堪能してきた。

前髪はしばしばガラスをこすり、
ガラス面には 誰かのオデコのものらしいアブラ汚れが
そっちこっちに付いている(苦笑)。

出来得るならば、このガラス、
はずしちゃってもらいたかった!







これはガレリアの入り口から 外を振り向いて撮った空。
建物の中は、一応、写真撮影は禁止だった(残念!)。
中に入っても、どこもかしこも、みな 美術館のようにピカピカで美しかったよ。





はじめに出てきたのは、日本の寺院に残された文箱。

いかにも古そう(笑)。

仁和寺、延暦寺、高山時、金剛寺、
サントリー美術館、京都国立美術館・・・。

所蔵者名にはそんな名前が記されている。

時代は平安から。

国宝だったり、重文だったり。

これだけで、来たかいがあった、と 
うっかり満足してしまいそう。

でも 見所はこれからだ。






漆工芸の発展は 戦国の世が治まってからのようだ。

現存する作品の数も増え、保存状態も素晴らしく良くなってくる。

そして 同時に 
海外へ渡る漆器が増えた。

時は大航海時代。

ヨーロッパの国々が 遠く日本までやって来て
異国情緒を見出したのが漆器であり、
それゆえに 漆器の事を「JAPAN」と呼ぶ。

シノワズリという中国風の趣味も流行っており、
日本のものと中国のもの、加えて インド的なものが
同じ範疇の趣味として認識されていたようだ。

それらを愛した、ヨーロッパの貴族たち。

マリー・アントワネットの母、マリア・テレジアも その一人で、
アントワネットは 膨大なコレクションとともに
その趣味を 母から引き継いだ。

小さな小さな、ピアスも入らないだろうと思われるほどの、
しかし精巧な作りの箱たち。

ガラスに額をくっつけて眺めても満足できないくらいに
精緻な表現で絵が描かれた大きな箱は 
足をつけて、家具に。

金色の装飾を加えて より豪華にリメイクされた箱や壷たちもある。



よくもまあ、
革命の嵐や 大戦の炎の中を
こうして残ってくれたものだ。

守ってくれた人たちに なんとお礼を言ったらいいのだろう?

所蔵者:ヴェルサイユ宮殿美術館、ギメ東洋美術館、
ドレスデン工芸美術館、パリ装飾美術館、スウェーデン王室、
ゴータ・フリーデンシュタイン城美術館、バーリーハウス・・・。

(まれに、「個人蔵」と書かれたものもあって、
 いったい、どんな「個人」が? と思ったりして。)







おそらくは 仕事に誇りをもって 何十年と取り組んできた
職人達の仕事なのだろうと思う。

素晴らしい仕事をしてくれて、ありがとう。

限りない創意・工夫を尽くしてくれて、ありがとう。



同じ日本人として、私も誇らしいよ。

同じ仕事ができる現代の職人を 
いったい何人くらい、私たちは敬う事ができるのか、
それを考えると 
私たち日本人が 
大事なものを 本当に大事にはしてこなかったように思われて
なんだか恥ずかしいよ。



会期は今月の26日(月)まで。



鰹節(2)

2009-01-13 | 発酵
私はパタンと本を閉じ、
台所へ行って 我が家の鰹節を調べた。

私が出汁をとるのに使っていたものには、
「かつお・ふし」と書かれていた!(涙)。





   
昨秋の土手の芝草は 例年になく赤く鮮やかに染まったように思う。





ショックだった。

ということは、カビは使われていないってこと?

発酵食品ではなかったってこと?

ショックだった・・・・・・・・・・・・・・・。



じゃあ、じゃあ、どういうのが、「本枯れ節」な鰹節なわけ?

そこでジョルジュは 探求すべく、スーパーへお買物に(笑)。



乾物の袋がたくさん並べられたその棚には
鰹節ふうの商品が たくさん並べられていた!

厚削く削ったものやら 粉になったものもある。

ひとつひとつ、商品を手にとっては、
ひっくり返して袋の後ろ側を見るジョルジュ。

これも。

これも。

ああ! これも。

「かつお・ふし」なのだった!







年が明けてからの寒波で 葉はシックな色に変化した。






「本枯れ節」と書かれていたものは極めて稀で、
私がいつも行くスーパーでは
「かつお・かれぶし」とあった。

つい先日 息子に
「原材料名を見て<かつお>だけ、
 アジとかサバとか書いてないものを!」
と教えて買ってきてもらった、富山県のメーカーのものには
「かつおのかれぶし」と書かれていた。

それにしても、ほとんどが、「かつお・ふし」。

ニセモノの鰹節だったなんて。







もしもし、どうしてあなたは そんなに色鮮やかなんですか?






間違いなくホンモノを手に入れたい場合には 
やはり 昔ながらの鰹を干した形のままの鰹節を
さかさまカンナで削らなければならないのだろうか?

いつも行くスーパーでは
もう 何年も前から
あの形のままの鰹節は 棚から姿を消している。

買いたいと思ったら ヨーカドーまで行かなければならない。

ヨーカドーに行けばあるから、まあ、いいんだけれども。

とにかく、人はみんなズボラになってしまって、
鰹節を削ることさえ しなくなってしまっていることの証だろう。

その代表者がこの私で(汗)、
もう何年も ガシガシと鰹節を削ってはいない(恥)。







場所によっては、冬でも緑。






発酵食品が身体にいい、という事は 周知の事実だろうと思う。

そして 日本人は 
世界の中でも 多くの種類の発酵食品を
日常に食べてきた民族なのではないかと思う。

コーカサスの人にはヨーグルトであるかもしれない。

モンゴルの人には馬乳酒がいいのかもしれない。

けれど日本人には 伝統的な食卓に毎日登っていたであろう
味噌や醤油、そして鰹節、
そういったものが 体質的に必要なのではないだろうか?

そういった食生活を 現代の人が実行することは難しいのだろうか?

そして何より、
私は キチンと 鰹節の味と香りを
子ども達の舌に沁み込ませることは できなかったのだろうか・・・。




                      まだまだつづく(汗)



「JAPAN 蒔絵」

2009-01-12 | なんでもないこと
菌類のふしぎ」が今日で終わってしまった。

今度は終了前にちゃんと行くぞ!

特別展覧会 JAPAN 蒔絵 ――宮殿を飾る東洋の燦めき――

サントリー美術館は久々だ!

場所も、今じゃミッドタウンの中だよ!

明後日の水曜日に行ける予定。
(最初「来週」と書いたけど、来週はダメだった。)



漆塗りや蒔絵に興味があるとかでは全然ないけど、
今の私なら 
若い頃には感じなかったものを
感じられるようになってるんじゃないかな?






昨日、「鰹節(2)」を書いている途中で
久しぶりに記事を消してしまって
がっかりしている。

別に力作というのじゃないけれど、
なんかこう、お腹の力が抜けるよね。。。






画像は「縁起海運 えと飴」。

己丑(つちのと・うし)の今年のえとの飴だ。

台東区下谷の萬年堂というお菓子屋さんのものをいただいた。



中に入っていた「袋絵によせて」という小さな小さな紙切れによると、

「己」は「紀」と同意語で、糸筋を通す、ということ。

「丑」は「紐」と同じ意味で、曲がったものを伸ばすということ。

どちらも筋を通していくという意味がある。

だから今年は 正しく規律を立て直す年回りなのだそうだ。



ぜひ そうあってもらいたい。



鰹節(1)

2009-01-08 | 食生活
かつおぶし。 かつをぶし。 かつぶし。

実家の母は 「かづぶし」と言っていた。

また 母は「出汁をひく」とは言わず、「出汁をとる」と言っていた。

私が 味噌汁の出汁に鰹節を使うのは、
鰹節の出汁が一番美味しいと思うからだ。

口に含んだ時に ぷうんと鰹節の香りが鼻腔をくすぐると、
シアワセな気分になる。







晩秋の土手。草が刈り払われたところ。






主人公・聖司が 日本中をまわって 発酵食品を追う
『にぎやかな天地』 (2004年12月28日の記事
   こんな前からずっと、いや、もっとずっと前からずっと、
   <発酵>が頭の中でぐるぐるしているジョルジュだが 
   まだ発酵しきれていないらしい;汗
   だから、すでのこの本は文庫になってしまっている;汗)、
この本の中で びっくりしたことが、ひとつならず、ある。






聖司「味噌、醤油、熟ずし、納豆、酒、酢、くさや、鰹節」

涼子「えっ? 鰹節も発酵食品なん?」



涼子「鰹節は 黴を利用して作るんやろ?

   乳酸菌で発酵させるのとは違うから、
   発酵食品とは言えへんのやと思てたわ。」

聖司「黴も微生物やからなァ。

   要するに 自然界に生息してる微生物の力を借りて
   人間が人為的に作る食品は、
   ぜんぶ発酵食品と呼んでるんとちゃうかなァ。」

涼子「発酵っていうものの考え方から入らなあかんねんやろね。」(上巻p63)



「発酵」・・・・・・ワタクシもオベンキョウさせていただきまする。

上野で菌類に関する特別展があるのだが
菌類のふしぎ―きのことカビと仲間たち―)、
もうすぐ会期が終了する。

見にいけないかなあ?







枯れ草色(笑)の愛犬。






上の会話は 主人公の聖司と 姉の涼子の会話。

この後に 聖司は別の人物とも 同じような会話をしている。



「へえ、鰹節も発酵食品か?」

「ええ、黴を使うんです。

 黴を使わん鰹節もありますけど、
 天日干しを繰り返してるうちに
 やっぱり 何かの微生物が働いています。

 スーパーで売ってる鰹節で
 <花かつお>は黴を使ってないんです。

 黴を使って作ったのは
 <本枯れ節>っていう表示がしてあります。」(下巻 P10)



私はパタンと本を閉じ、
台所へ行って 我が家の鰹節を調べた。

                      つづく