ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Welcome To The Blackout (Live London '78) / David Bowie

2020年09月17日 | クラシック・ロック

Welcome To The Blackout (Live London '78) / David Bowie (2018)

逝去後に地味に発売が続くボウイ(David Bowie)のオフィシャル・ライヴ音源。こちらは2018年に発売された1978年のロンドン公演。会場はかの有名なアールズ・コート(Earls Court)。オリジナル・レコーディングはトニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)によってなされ、ミックスはボウイ本人と80年代にべったりだったDavid Richards。中途半端な作りで発売された「RARESTONEBOWIE」というコンピ盤(持ってるけれど、今ひとつの内容でオフィシャル発売だったかも怪しい・写真下)で2曲が発表されていたものの、長尺コンサート形式での発売は初めて。

昔だったら話題になったろうこんなアルバムの発売も、最近ではネットでの音源垂れ流し(なぜアルバム発売前に全部ネットで公開しちゃうんだろう?)や洋楽不況もあり、なかなか情報が伝わってこない。自分がこのアルバムを知ったのも発売されてから随分と経ってから。amazonなんかでアルバムを探しても、オフィシャルに混じって海賊盤もどきの訳の分からないアルバムが沢山発売されているので、相対的に価値が下がってしまっている様子だ。へー、こんなの出てたんだ、と購入して聴いてみてビックリ。音は素晴らしいし、当時発売された「Stage」や、のちに曲順を実際のコンサート順に戻して発売されたリマスター盤とまた違った雰囲気があって内容も濃い。もちろん当時は同じ年のツアーからライヴ・アルバムを2種発売することは考えられなかっただろうが、もう少し前、せめてボウイ存命中に発売されていたら…なんて思う程の出来の良さ。

コンサートは”The Isolar II Tour"と名付けられたヨーロッパ・ツアーの千秋楽2日間から曲が選ばれていて、コンサートに沿った形で収録されている(前述の「Stage」よりも後の公演)。噂ではこのツアーは全公演録音されていたそう。バンマスのカルロス・アロマー(Carlos Alomar)の指揮の下、黒人のリズム隊と、ザッパ(Frank Zappa)やクリムゾン(King Crimson)のバンドメンバーの演奏との融合と、ボウイのソウル・ミュージックへの傾倒で独特の雰囲気があるこの頃のライヴ。ジギー・スターダスト時代の煌びやかな曲もやはりバンド演奏を反映して、よりソウルフル。それにユートピア(Utopia)のメンバーだったロジャー・パウエル(Roger Powell)とボウイ自身のシンセ、キーボード、それにエイドリアン・ブリュー(Adrian Belew )の変態ギターが彩りを加えている。よく考えたらすごいバンドの集合体だなァ。ツアー終盤とあって演奏もこなれている。この後バンドはオーストラリアと日本を廻り、終焉を迎えることになる。

amazonにて購入(¥1,755)

 

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