マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~

2006-09-12 09:22:09 | 読書
著者:リリー・フランキー 出版社: 扶桑社 (2005/6/28)

出版社 / 著者からの内容紹介
読みやすさ、ユーモア、強烈な感動! 同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に沁みるように綴る、母と子、父と子、友情。この普遍的な、そして、いま語りづらいことがまっすぐリアルに胸に届く、新たなる「国民的名作」。『en-taxi』連載、著者初の長編小説がついに単行本化。

リリー・フランキー
1963年福岡県生まれ。武蔵野美術大学卒業。文章家、小説家、コラムニスト、絵本作家、イラストレーター、アートディレクター、デザイナー、作詞・作曲家、構成・演出家、ラジオナビゲーター、フォトグラファー…など多彩な顔を持ち、ジャンルの壁を自由に往来しつつ活動。『東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン』は著者初めての長篇(Amazon.co.jpより)

【感想】
娘のお薦めで読み始めましたが、慣れない文体で、最初は、「これって面白いのかなあ」と半信半疑でした。
でも、オカンが病気になって上京して来るあたりから、一気に読んでしまい、最後は号泣。
自分の両親のこと、父の病気から死など、私自身の経験が走馬灯のように頭の中によみがえり、「僕が一番怖れていること」という言葉では、今あまり関係がいいとは言えない母への思いで、声に出して泣きたいような気分になりました。
それだからといって、私はたぶん母との関係は今まで通り、冷たい娘が優しい娘に変身、なんてことは決してないのですけど。

こんな私が言うのもなんですが、だいたい、日本の男の子は、母親が大好きなくせに、ぞんざいに扱い過ぎです。
フランス在住の友人が言ってたけど、フランス人は母親に優しくしないと軽蔑されるんだそうです。
当たり前の話です。
母ほど子供を思う存在はないのですから。
じゃあ、なぜ私は母に冷たいか?
ひとそれぞれ、いろんな事情を抱えているんですよね。
絶対母を亡くしたら後悔するとわかっていても、優しい言葉の一言がかけられないのも人間です。

それが、40歳も過ぎたリリーさんが母恋しいと言ってくれることも、ひとりの母親としてすごくうれしい。
こういう時代も来たんだと、はしゃぎたい気分にもなりました。

息子を持つ母として、父を看取った娘として、老いた母を抱えている娘として、カタルシスを味わえるいい本でした。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同郷 (umi)
2006-09-12 14:04:40
私も昨年、読みました。

読んだきっかけは

私の故郷が半分舞台になっているからです。



オカンの気持ちが良くわかるし

この土地の女性の気質がよく表れていると思います。



ただ息子達はみなリリーさんみたいに

オカン大好きか?と言うと違うんですけど(笑)



一気に読み終えて、号泣してしまいました。

昨年の№1の本です。
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umiさんへ (よう)
2006-09-13 09:12:50
地元なら、言葉にも反応してしまうでしょうね。

いい言葉ですものね。

それに独特の気質。

日本人の古い精神がまだ残っている土地柄のようですね。



ほんと、この本、外では読めないですね。

いきなり号泣です。

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