マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

マリー・アントワネット

2007-01-26 12:15:12 | 映画ー劇場鑑賞
ーマリー・アントワネットー
2006年 アメリカ ソフィア・コッポラ監督・脚本 キルステン・ダンスト 、ジェイソン・シュワルツマン 、リップ・トーン 、ジュディ・デイヴィス 、アーシア・アルジェント 、マリアンヌ・フェイスフル 、ローズ・バーン 、モリー・シャノン 、シャーリー・ヘンダーソン 、ダニー・ヒューストン 、スティーヴ・クーガン 、ジェイミー・ドーナン 、クレメンティーヌ・ポワダッツ 、オーロール・クレマン 、メアリー・ナイ 、アル・ウィーヴァー 、ギョーム・ガリアンヌ

【解説】
有名な悲劇の王妃マリー・アントワネットの物語を、1人の女性の成長期としてとらえた宮廷絵巻。幼くして故郷を離れ、異郷フランスの王室で必死に生きた女性の激動の人生を丁寧に物語る。監督は『ロスト・イン・トランスレーション』のソフィア・コッポラ。『スパイダーマン』シリーズのキルステン・ダンストが孤独を抱えて生きる女性を愛くるしく演じている。実際のヴェルサイユ宮殿で撮影された豪華な調度品や衣装の数々は必見。

【あらすじ】
14歳のオーストリア皇女(キルステン・ダンスト)は、母マリア・テレジア(マリアンヌ・フェイスフル)の命令でフランス王太子(ジェイソン・シュワルツマン)に嫁ぐことになる。期待を胸に馬車に乗り込んだ彼女だったが、国境では衣装から下着までをフランス製のものに変えさせられ、愛犬まで取り上げられてしまう。 (シネマトゥデイ)

【感想】
マリーアントワネットと言えば、断頭台の露と消えた悲劇の女王、あるいは浪費家で享楽的で少々考えの足りない女王というイメージ。
私は「ベルサイユのバラ」の内容をほとんど知らないし。

でもソフィア・コッポラはこの映画の中で、私たちに等身大のマリー・アントワネットを見せてくれました。
まるで、タイムスリップしてあの時代に行き、マリーと同じ空気を吸っているような…。
主演のキルスティン・ダンストは、ある意味、マリーの境遇に似ていると言えるかもしれません。
14歳で単身フランスへ嫁いだ王女と、11歳で子役からスタートして、成功している女優。
いわゆる、セレブですよね。

 マリーとルイ

ルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンも良かった。
頼りなげなんだけど、マリーが見捨てないというのもわかる、かわいげがあります。
彼は、ソフィアのいとこなのね。

さて、全編を貫いて描かれるたくさんのキャンディとケーキとお花。
そこで、この映画のキーワードは「ケーキ」。
それはそれは素晴らしい。
衣装も素敵だけど、それに勝る芸術的ともいえるケーキ数々。
しかも、マリーの有名な言葉「民衆が飢えてパンがないなら、ケーキを食べればいいのに」と言ったとか言わないとか…。
とにかく、ケーキが重要な役割を果たしているので、私はケーキは苦手なんだけど、あのファッショナブルなケーキを見せていただけるだけで幸せでした。

 マリーとケーキ

何度も言うけど、14歳で単身格式の高いフランスへ嫁いだマリー。
はっきり言って、政略結婚、人権無視。
しかも、王室にはプライバシーもない。
初夜のシーン、着替えのシーン、食事のシーン、嫌がらせとしか思えない。
信じられません。
彼女が、精神を破綻させないでどうやって自分を守り確立させていったか。
最近「鈍感力」と言う言葉を聞きましたが、マリーにもその鈍感力が備わっていたんだと思いました。

朝まで騒いで夜明けを見るシーン。
ああ、青春だなあ。
ユーミンの歌が聞こえてきそうだ。

恋する相手に出会ってときめくシーン。
すごくみずみずしい。
また、このフェルゼン役のジェイミー・ドーナン 、キーラ・ナイトレイの元カレらしいけど、かっこいいのよ。
ソフィアもお気に入りらしい。

マリーの人生にに幸せな時間があって、本当に良かったと思いました。

本編はベルサイユを去るところで終わります。
私は、このラストで十分だと思いました。
彼女の一番輝いていた季節、それで十分だと。
悲しいことが多すぎる37歳の、あまりに悲劇的な短いすぎる生涯。
押し寄せてきた民衆に、バルコニーから頭を下げる場面は、神々しくて、エビータみたい、と感動しました。

数年前に、ベルサイユを訪れたことがあります。
パリ郊外の静かな住宅地の中に巨大な宮殿がありました。
見渡す限り、人の手が入ったお庭。
素晴らしいというよりも、その人工的な、神をも怖れぬ建造物に、嫌悪さえ覚えるほどでした。
プチ・トリアノンもマリー個人を癒すための場所だと聞きました。
農家のテーマパーク。
映画にも一場面ありましたが、小鳥の卵をお付きの人があらかじめきれいにふいていました。
すべて、しつらえられていたのです。
でも、それにマリーが気がつくはずもありませんよね。
誰も教えてはくれないのですから。
自分のために地球は回っていると、勘違いしても仕方がなかったと同情しました。

去年パリに住んでいる友達が、「この映画をぜひ見て」と言っていました。
去年「ダヴィンチ・コード」と同じくらいに公開されていたそうで、圧倒的に「マリー~」の方が評判が良かったそうです。
鑑賞終わって、本場パリっ子に受け入れられるなんて、ソフィアってすごいなあと、あらためて思いました。
初のベルサイユ宮殿での撮影を許されて、コッポラ一族が全面協力のお嬢ソフィアの実力、恐るべしです。

 監督のソフィア・コッポラ


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
みたいっ! (yongjing)
2007-01-26 14:23:42
あのCM、魅力的ですよね。いつ観にいこうかなあ。
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よんじんさんへ (よう)
2007-01-26 16:18:30
これ、見た人の意見が分かれているのよ。
私は、すごく気に入ったけど、どうかなあ。
見たら、感想聞かせてね。
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マダムはOK (ミーママ)
2007-01-26 18:45:11
終わり方について非難ごうごうの声を聞く中、マダムはこれでOKだったのね。

来週見に行く予定だけど、かえって楽しみになってしまいました。
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ミーママへ (よう)
2007-01-27 09:30:17
わたしも、あれって思ったよ。一瞬ね。
でも、やはりあそこで切るのが正解でしょう。
いいラストだったよ。
心に残るよ。

でも、それがわかって見るの、辛いね。
何も知らずに見て欲しかったなあ。
封切り映画は白紙の状態で見る方がいいよね。
ごめんね。見るまで、読まんといてね。
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みる! (iku-t)
2007-01-27 14:03:29
マダムようさん、こんにちは。

今年は映画を見たいと思います。
まずは、安心してマリーに会いに行こうと思います。

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iku-tさんへ (よう)
2007-01-27 18:40:52
あら、心強いお言葉。
お忙しいでしょうが、がんばってね。
「ディパーテッド」の感想も楽しみにしています。
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人それぞれ・・・ (NAKAちゃん)
2007-01-31 08:10:31
この映画 とっても見たいの見に行けない悲しい私です
ところが 先ほどゴミを捨てに出たら お向かいの奥さんが「昨日 主人とマリーアントワネット、見てきたのだけれど 最低ね?!あんなつまらない映画だと思わなかったわ!」と心底ガッカリされていました・・・・。
私がちょっとホローしたら「まぁ 娯楽映画と割ければいいのだけれど・・・」って。
こんなに正反対の評を聞くと 是非見に行きたいのですが・・・。3月まで上映していないかなぁ??
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NAKAちゃんへ (よう)
2007-01-31 08:58:59
気にしないで。
ご存知のように、私の感想はほんと、変わっているから。笑!!

一緒に行った友達もがっかりしていたわ。
彼女はミュージカルファンなので、今度一緒に舞台を見に行くことになりました。

何を求めるかよね。
私は、マリーのこの後の悲劇は、みんな知っていることだから、ここで終わって本当によかったと思ったの。
悲しすぎるからね。
彼女に幸せな時間があってよかったなあ、って心底ほっとしたのよ。

NAKAちゃんは忙しそうだけど、はやくゆっくりこの映画が見られるようになるといいですね。
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鈍感力 (kako)
2007-02-01 22:11:45
マダムこんばんは★

これ感想聞くにつれどんどん遠ざかってしまって~。
ビジュアルは豪華で素敵~でも内容が・・というお話よく聞ききます。でもマダムのお話読んでいて、一歩近づきました~(^^♪
。。やっぱり観ようかなぁ。
「鈍感力」に深くうなずき(笑) いい言葉ですね。
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kakoさんへ (よう)
2007-02-02 10:10:49
渡辺淳一さんでしたか、TVでおっしゃっていました。
男性より女性の方が逞しいと言われますが、それは鈍感力だなあとこの頃思います。
子供を産んで育てる母性は特に、鈍感力の賜物かもしれませんね。
自分を犠牲にしないと出来ないことですから、くよくよ考えてはできませんものね。
この映画で、マリーの生き方って、やはり強いし、その適応能力にも感心しました。
彼女だからあの過酷な人生を全う出来たのだと思いました。
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