マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

日輪の遺産

2011-09-03 11:03:47 | 映画ー劇場鑑賞

ー日輪の遺産ー

2010年 日本

監督=佐々部清 原作=浅田次郎 キャスト=堺雅人(真柴司郎(近衛第一師団・少佐))中村獅童(望月庄造(座間五百一連隊・曹長))福士誠治(小泉重雄(東部軍経理部・主計中尉))ユースケ・サンタマリア(野口孝吉(森脇女学校教師))八千草薫(金原久枝)森迫永依(久枝)土屋太鳳(スーちゃん)遠藤恵里奈(マツさん)松本花奈(サッちゃん)三船力也(イガラシ中尉(GHQ通訳))中野裕太(ダニエル・ニシオカ(日系新聞記者))金児憲史(伝令の男)柴俊夫(阿南惟幾(陸軍大臣))串田和美(梅津美治郎(参謀総長))山田明郷(田中静壱(東部軍司令官))野添義弘(森赳(近衛師団長))麿赤兒(杉山元(第一総軍司令官))ジョン・サヴェージ(ダグラス・マッカーサー(連合国軍最高司令官)麻生久美子(金原涼子(森脇女子学園中等部教師))塩谷瞬(後藤俊太郎(森脇女子学園中等部教師))北見敏之(金原荘一郎)ミッキー・カーチス(マイケル・エツオ・イガラシ(元在日アメリカ軍司令))八名信夫(金原(望月)庄造)

 

【解説】

太平洋戦争終結間近の夏、祖国の復興を願い、GHQ最高司令官マッカーサーの財宝を盗み出した帝国陸軍将校たちと20名の少女たちに待ち受ける壮絶なドラマを描くエンターテインメント巨編。ベストセラー作家・浅田次郎本人が映像化を熱望した原作を、主演に『武士の家計簿』の堺雅人、監督に『半落ち』の佐々部清を迎えて実写化。戦後60年以上を経た現在、自国の未来をいちずに思い憂いたかつての日本人のプライドに感動を禁じ得ない。

 

【あらすじ】

昭和20810日、帝国陸軍の真柴少佐(堺雅人)は、軍トップに呼集され、ある重大な密命を下された。それは現在の価値で約200兆円のマッカーサーの財宝を隠すというもので、真柴は極秘任務を遂行するが、やがて任務の終わりが見えたころ、勤労動員として駆り出された20名の少女たちに非情極まる命令が出され……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

戦争映画はできるだけ見たくありません。

 

でも、原作が浅田次郎だし、8月は戦争月だし、見てもいいかなあと。

見てよかったです。

いいお話でした。

実話じゃないよね?

隠されたマッカーサーのお宝で、今の日本の窮状が救われるのでは!!なんて、すがりつきたくなりそうです。

 

いままでの戦争映画とは違う切り口で、戦後の日本のあり方を考えさせられる作品でした。

 

まず、言葉のきれいさ、書かれた文字の美しさに目を見張りました。

日本語ってきれいですね。

大切にしなければ。

 

森脇女子学園の校庭には、戦争で犠牲になった女学生たちと先生一人の名前が刻まれた石碑が建っていました。

卒業式の来賓として訪れた金原庄造(八名信夫)と久枝(八千草薫)夫婦が、石碑の前に佇んでいた。

そこへ、この学園の教師で二人の孫である涼子(麻生久美子)と同僚で婚約者の後藤俊太郎(塩谷瞬)がやってきて、式に参列するようにうながした。

 

卒業式の最中庄造は久枝に「真柴さんに会った。もう命令は守らなくていいそうだ」と言い残して亡くなった。

 

久枝は、涼子、俊太郎、娘婿の荘一郎に真柴の日記を読みながら、昭和15年8月10日からの物語を話して聞かせるのだった。

 

 

☆ネタバレ

帝国陸軍の真柴少佐(堺雅人)は、阿南惟幾(柴俊夫)に極秘に参謀本部に呼び出され、同じく呼び出しを受けていた小泉重雄(福士誠治)とともに、軍の首脳から思いもかけない命令を受ける。

それは、山下将軍が奪取したマッカーサー(ジョン・サヴェージ)の財宝900億(現在の価値は200兆円)を、秘密裡に陸軍工場へ移送し、隠匿せよ、というものだった。

首脳たちは、敗戦が濃厚なのを知り、日本の復興のためにこの財宝は隠すという考えだった。

 

真柴は、命令に従い、行動に移す。

それを補佐するのが望月曹長(中村獅童)だった。

望月は、内容は知らず、二人の護衛が任務だった。

命令書は古い軍服を着た謎の伝令(金児憲史)が届けに来た。

 

左から、望月曹長・真柴少佐・小泉

 

その作戦を実行するために招集されたのは、森脇女学校の野口孝吉(ユースケサンタマリア)学級の女生徒たちだった。

班長の久枝(森迫永依)、スーちゃん(土屋太鳳)、マツさん(遠藤恵里奈)がいた。

 

彼らには、日本軍が新しく開発した兵器をアメリカ軍から隠すための作業だと説明されていた。

野口は危険思想の持ち主として憲兵ににらまれていた。

その彼の学級が、この秘密任務に当たらされたことは、何か含みがあるようだった。

 

野口先生

 

そんなことに関わりなく、少女たちは一生懸命に重い荷物を運んだ。

辛い作業にも、少女たちは明るくたくましかった。

 

8月14日、「ポツダム宣言受諾 日本敗戦」のビラが撒かれた。

真柴たちは生徒たちに「これは敵の陰謀だから惑わされないように」ときつく言う。

しかし、貧血をおこして寝ていたスーちゃんがそのビラを読んでしまった。

 

真柴の元には、命令書が届き「明日の玉音放送の後、この計画を知る女学生と先生に青酸カリを飲ませて財宝とともに眠らせ、入り口を閉じて隠すように」という内容だった。

驚愕し、小泉と話し合う真柴。

その話をスーちゃんが聞いていた。

 

真柴は命令を撤回してもらうよう、参謀本部を訪れると、近衛兵団が反乱を起こしていた。

真柴が阿南の家に行くと、阿南は自決をしようとしていた。

「命令を撤回してほしい」と真柴が頼むと、「命令なんかしていない、民間人を守れ」と言って阿南は息絶えた。

 

真柴は胸を撫で下ろし、急いで戻るが、秘密の命令書と同封してあった青酸カリが無くなっていた。

 

☆ネタバレのネタバレ

軍人の娘であったスーちゃんは、日本が降伏したことを知り、玉音放送の後、みんなを財宝の場所に集めて青酸カリを飲んで集団自決をした。

 

玉音放送の間、久枝と望月曹長は風呂掃除をしていた。

青酸カリが無くなっているのに気づいた真柴、小泉、野口が洞窟に駆けつけるが、少女たちは青酸カリを飲んだ後だった。

小泉は、苦しんでいる少女をピストルで撃った。

久枝も殺そうとするが、望月に阻まれ、小泉は正気を取り戻す。

野口は久枝に「生きて書き残せ」と言って、生徒たちの後を追って自決した。

 

自決した人たちの遺品を焼きながら、この事実は永遠に秘密にしようと誓い合った。

そこに、謎の伝令が現れ、久枝を殺そうとするが、真柴は伝令を殺し、久枝を守った。

 

後日談。

戦後、久枝を送って来た望月は久枝の実家に居着いて、後に久枝の婿となった。

真柴も秘密を守り続けた。

小泉は、マッカーサーに財宝と日本の将来の政策に付いて直談判したが、物別れに終わり、マッカーサーに撃ち殺された。

マッカーサーは、財宝を見つけたが、その周りで自決した少女たちを恐れ、また、洞窟の入り口を閉じてしまった。

 

日本の敗戦で、もう日本は終わりだと思った人がほとんどだった中で、日本の将来を信じて、財宝の秘密を守り抜いた人の心に感動しました。

真柴も小泉も望月も、いままでの戦争映画でよく描かれていた軍人タイプの人ではなく、ひとりひとり個性があって、人間味も感じられる軍人だったので、良かったと思いました。

 

彼らが守ったものは、財宝ではないと思いました。

日本を愛する心そのものだと思いました。

その象徴が、久枝だったんだと思いました。

 

謎の伝令は、古い軍服を着ているところから、過去の軍国主義の亡霊のような存在ではなかったかなあ?

 

戦争からすごい努力を重ねて、復興して、ようやく世界にも貢献できる国になりつつあったのに、3.11の大震災と大津波と、それに加えてまだ解決の糸口さえ見えない原発事故。

心が折れそうな日本人に、この映画は、もう一度日本の心を思い出させてくれるいい映画だと思いました。

 

がんばろう!

日本!!

 

(それはそうだけどー、あの財宝がいまあれば、ホント、助かるよねー)

 



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