マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

あなたを抱きしめる日まで

2014-03-24 13:35:39 | 映画ー劇場鑑賞

ーあなたを抱きしめる日までーPHILOMENA

2013年 フランス/イギリス 98

 

スティーヴン・フリアーズ監督 ジュディ・デンチ(フィロミナ)スティーヴ・クーガン(マーティン・シックススミス)ソフィ・ケネディ・クラーク(若き日のフィロミナ)アンナ・マックスウェル・マーティン(ジェーン)ミシェル・フェアリー(サリー・ミッチェル)バーバラ・ジェフォード(シスター・ヒルデガード)

 

【解説】

10代で未婚の母となり幼い息子と強制的に引き離された女性の奇跡の実話を、『クィーン』などのスティーヴン・フリアーズ監督が名女優ジュディ・デンチを主演に迎えて映画化。ジャーナリストのマーティン・シックススミスによる「The Lost Child of Philomena Lee」を基に、50年前に生き別れた息子との再会を願う母親フィロミナの姿を描く。彼女の息子捜しを手伝うマーティン役には、本作のプロデューサーと共同脚本も務める『マリー・アントワネット』などのスティーヴ・クーガンがふんする。

 

【あらすじ】

1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは強引に修道院に入れられた上に、息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。その後、息子をアメリカに養子に出されてしまった。それから50年、イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じ、ひそかにその消息を捜していたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)と共にアメリカに旅出つが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品は、事実を元にしているそうです。

原題もこの作品のモデルになった女性の名前「PHILOMENA(フィロミナ)」だし、本編の最後にご本人の写真が登場します。

今年のアカデミー授賞式のときに、主演女優賞にノミネートされたジュディ・デンチの隣にもご本人が座っていたそうですね。

 

ジュディ・デンチって貫禄があって、顔もちょっと怖そうな感じですが、笑った顔が本当にチャーミング。

この作品は、いままでみた彼女の映画の中で、一番彼女らしいなあと思いました。

  右がジュディ・デンチ

50年前、修道院にいたフィロミナ(ソフィ・ケネディ・クラーク)は、カーニバルで知り合った青年と恋に落ちて、妊娠し、修道院で私生児を産んだ。

修道院は、性の乱れにとても厳しく、産まれた子供と母親は引き離され、1日の決められた時間にしか会うことも許されなかった。

  修道院でのフィロミナ、手前の男の子がアンソニー

 

フィロミナの息子アンソニーが3歳になった頃、仲良しの女の子とともにお金持ちの夫婦にもらわれて行った。

その深い悲しみは、50年経っても消えることはなかった。

フィロミナの娘ジェーンは、たまたま働いていたパーティで、元ジャーナリストのマーティン・シックススミス(スティーヴ・クーガン)に会い、母のことを記事にしないか?と話しかけた。

興味を持ったマーティンはフィロミナと会い、驚くべき事実を知ることとなった。

 

とりあえず、アイルランドの修道院をフィロミナとともに訪ねてみることに。

院長は「当時を知る修道女はみんな死んでしまったし、記録は火事で焼けてしまった」と言った。

でも火事で焼けたはずなのに、「我が子を手放す」という誓約書はしっかり残っていた。

 

修道院の裏で、若い修道女たちのお墓が草に埋もれているのを見たマーティンは独自に追求し、当時修道女たちが産んだ私生児はアメリカの養父母にもらわれて行ったことを突き止めた。

 

マーティンとフィロミナもアメリカへー。

そこには、思いがけない結果が!!

 

☆ネタバレ

不本意なことから現役を退いたマーテイン、フィロミナの記事を書くことでまた第1線に戻ることを考えています。

 

フィロミナは、ただ我が子に会って「一日もおまえを忘れた日はない。おまえも私のことを思ってくれていたのだろうか?」と言うことが聞きたいだけ。

誰も恨んではいないし、子供を産んだことにも後悔も反省もない天真爛漫なフィロミナ。

敬虔な信仰を持ち、恋愛小説が大好きな乙女心いっぱいのフィロミナとマーティンの珍道中や会話が面白いです。

 

全く違う世界の二人が出会い、旅をします。

二人の間にはいつしか奇妙な友情が通い合いました。

フィロミナの誠実な人柄にマーティンは魅せられたんだと思いました。

 

結局、フィロミナは愛する息子に会えなかったけど、息子の人生の軌跡をたどり、息子の心情にもたどり着きました。

涙のラストでした。

 

いい作品です。

オススメ!!

 

エリジウム

2014-03-24 13:29:43 | 映画ーDVD

ーエリジウムーELYSIUM

2013年 アメリカ 109

ニール・ブロムカンプ監督 マット・デイモン(マックス・ダ・コスタ)ジョディ・フォスター(デラコート高官)シャールト・コプリー(クルーガー)アリシー・ブラガ(フレイ)ディエゴ・ルナ(フリオ)ワグネル・モウラ(スパイダー)ウィリアム・フィクトナー(ジョン・カーライル)ファラン・タヒール(パテル大臣)ブランドン・オーレ(ドレイク)ジョシュ・ブラッカー(クロウ)エマ・トレンブレイ(マチルダ)ホセ・パブロ・カンティージョ(サンドロ)

 

【解説】

『第9地区』が第82回アカデミー賞作品賞などにノミネートされた新鋭ニール・ブロムカンプ監督が、マット・デイモンを主演に迎えたSFアクション。22世紀、富裕層だけが居住を許されるスペースコロニーエリジウムを舞台に、虐げられた地球の住人の反撃をハードに描く。マットのほか、ジョディ・フォスターや『第9地区』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のシャールト・コプリーが出演。ブロムカンプ監督の斬新なアイデアや演出に期待。

 

【あらすじ】

2154年。スペースコロニーエリジウムで生活する富裕層はパーフェクトな居住空間で過ごす一方、荒廃した地球に暮らす貧困層はひどい搾取に苦しんでいた。エリジウム政府高官のローズ(ジョディ・フォスター)が地球の人間を消そうと動く中、地球で暮らすマックス(マット・デイモン)はエリジウムに潜入することを決意。残り5日しかない寿命を懸けて戦いに挑む。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私はちょっと苦手な「第9地区」の監督ニール・ブロムカンプの作品。

作風はずいぶん変わったんじゃないかな?

見やすかったもの。汗!!

主人公は犯罪歴のある地球の労働者マックス(マット・デイモン)。

 

地球が汚染されて住みにくくなった2154年。

富裕層の人たちは宇宙コロニー・エリジウムを建設して移住した。

地球では劣悪な労働を強いられ、犯罪もはびこっていた。

 

労働事故で瀕死の重傷を負ったマックス。

あと数日の命だと宣告される。

マックスは、エリジウムへ不法に人々を送っている組織のスパイダーと呼ばれる男にエリジウム行きを依頼する。

エリジウムには、あらゆる病気や怪我を再生する機械があるのだ。

 

スパイダーは、マックスに条件を付けた。

エリジウムの重要人物を拉致すれば、エリジウムに送ってやると。

 

標的になったのは、マックスの会社の社長ジョン・カーライル(ウィリアム・フィクトナー)。

マックスにとっても申し分のない復讐相手だった。

 

一方、エリジウムでは政府高官のデラコート(ジョディ・フォスター)が政権のトップと対立。

エリジウムをプログラミングしたカーライルにエリジウムのデータの初期化を命令していて、カーライル自身に装着してある個人情報の入ったコンピューターに保管されていた。

 

マックスはカーライルを襲い、カーライルが死ぬ前に自分に内蔵されたコンピューターにデータを移すことに成功したが、デラコートの雇った秘密工作員のクルーガー(シャールト・コプリー)とその仲間たちに執拗に追われる結果となった。

 

逃走中に、幼いとき仲の良かったフレイに出会う。

しかも、フレイの娘は重い白血病を患っていた。

 

フレイとその娘を巻き込む結果となったマックス。

なんとか、フレイの娘を助けようと、エリジウムに潜入するがー。

 

富裕層対地球の貧しい労働者という構図ですが、戦う相手はならず者のような工作員です。

こういう構図の作品、多いですが、完璧に富裕層がやっつけられてしまうというのはないものですね。

それだけ富裕層の作った社会は、巧妙で隙がないと言うことでしょうか?

この作品も、デラコートもクルーガ一味もマックスがやっつけますが、助かったのはフレイの娘で、地球の人々も自由にはなるようですが、マックスは死んでしまい、あとの世界のことは描かれていません。

 

「第9地区」では凄まじいスラム街を描き切ったブロムカンプ監督ですが、今回の荒廃した地球の描き方も秀逸でした。

でも、エリジウムの方はいわゆる高級住宅地なだけで、面白味に欠けていました。

あまりに典型的で、マックスが死んだあとの人々が自由になるという世界もなかなか想像しにくい感じでした。