ーあなたを抱きしめる日までーPHILOMENA
2013年 フランス/イギリス 98分
スティーヴン・フリアーズ監督 ジュディ・デンチ(フィロミナ)スティーヴ・クーガン(マーティン・シックススミス)ソフィ・ケネディ・クラーク(若き日のフィロミナ)アンナ・マックスウェル・マーティン(ジェーン)ミシェル・フェアリー(サリー・ミッチェル)バーバラ・ジェフォード(シスター・ヒルデガード)
【解説】
10代で未婚の母となり幼い息子と強制的に引き離された女性の奇跡の実話を、『クィーン』などのスティーヴン・フリアーズ監督が名女優ジュディ・デンチを主演に迎えて映画化。ジャーナリストのマーティン・シックススミスによる「The Lost Child of Philomena Lee」を基に、50年前に生き別れた息子との再会を願う母親フィロミナの姿を描く。彼女の息子捜しを手伝うマーティン役には、本作のプロデューサーと共同脚本も務める『マリー・アントワネット』などのスティーヴ・クーガンがふんする。
【あらすじ】
1952年アイルランド、未婚の母フィロミナは強引に修道院に入れられた上に、息子の行方を追わないことを誓約させられてしまう。その後、息子をアメリカに養子に出されてしまった。それから50年、イギリスで娘と暮らしながら常に手離した息子のことを案じ、ひそかにその消息を捜していたフィロミナ(ジュディ・デンチ)は、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティン(スティーヴ・クーガン)と共にアメリカに旅出つが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
この作品は、事実を元にしているそうです。
原題もこの作品のモデルになった女性の名前「PHILOMENA(フィロミナ)」だし、本編の最後にご本人の写真が登場します。
今年のアカデミー授賞式のときに、主演女優賞にノミネートされたジュディ・デンチの隣にもご本人が座っていたそうですね。
ジュディ・デンチって貫禄があって、顔もちょっと怖そうな感じですが、笑った顔が本当にチャーミング。
この作品は、いままでみた彼女の映画の中で、一番彼女らしいなあと思いました。
右がジュディ・デンチ
50年前、修道院にいたフィロミナ(ソフィ・ケネディ・クラーク)は、カーニバルで知り合った青年と恋に落ちて、妊娠し、修道院で私生児を産んだ。
修道院は、性の乱れにとても厳しく、産まれた子供と母親は引き離され、1日の決められた時間にしか会うことも許されなかった。
修道院でのフィロミナ、手前の男の子がアンソニー
フィロミナの息子アンソニーが3歳になった頃、仲良しの女の子とともにお金持ちの夫婦にもらわれて行った。
その深い悲しみは、50年経っても消えることはなかった。
フィロミナの娘ジェーンは、たまたま働いていたパーティで、元ジャーナリストのマーティン・シックススミス(スティーヴ・クーガン)に会い、母のことを記事にしないか?と話しかけた。
興味を持ったマーティンはフィロミナと会い、驚くべき事実を知ることとなった。
とりあえず、アイルランドの修道院をフィロミナとともに訪ねてみることに。
院長は「当時を知る修道女はみんな死んでしまったし、記録は火事で焼けてしまった」と言った。
でも火事で焼けたはずなのに、「我が子を手放す」という誓約書はしっかり残っていた。
修道院の裏で、若い修道女たちのお墓が草に埋もれているのを見たマーティンは独自に追求し、当時修道女たちが産んだ私生児はアメリカの養父母にもらわれて行ったことを突き止めた。
マーティンとフィロミナもアメリカへー。
そこには、思いがけない結果が!!
☆ネタバレ
不本意なことから現役を退いたマーテイン、フィロミナの記事を書くことでまた第1線に戻ることを考えています。
フィロミナは、ただ我が子に会って「一日もおまえを忘れた日はない。おまえも私のことを思ってくれていたのだろうか?」と言うことが聞きたいだけ。
誰も恨んではいないし、子供を産んだことにも後悔も反省もない天真爛漫なフィロミナ。
敬虔な信仰を持ち、恋愛小説が大好きな乙女心いっぱいのフィロミナとマーティンの珍道中や会話が面白いです。
全く違う世界の二人が出会い、旅をします。
二人の間にはいつしか奇妙な友情が通い合いました。
フィロミナの誠実な人柄にマーティンは魅せられたんだと思いました。
結局、フィロミナは愛する息子に会えなかったけど、息子の人生の軌跡をたどり、息子の心情にもたどり着きました。
涙のラストでした。
いい作品です。
オススメ!!