マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

アンナ・カレーニナ

2013-04-12 16:38:22 | 映画ー劇場鑑賞

ーアンナ・カレーニナーANNA KARENINA

2012年 イギリス

ジョー・ライト監督 レオ・トルストイ原作 キーラ・ナイトレイ(アンナ・カレーニナ)ジュード・ロウ(カレーニン)アーロン・テイラー=ジョンソン(ヴロンスキー)ケリー・マクドナルド(ドリー)マシュー・マクファディン(オブロンスキー)ドーナル・グリーソン(リョーヴィン)ルース・ウィルソン(プリンセス・ベッツィ・トヴェルスカヤ)アリシア・ヴィキャンデル(キティ)オリヴィア・ウィリアムズ(ヴロンスキー伯爵夫人)エミリー・ワトソン(リディア・イワノヴナ伯爵夫人)カーラ・デルヴィーニュ(ソロキナ嬢)

 

【解説】

ロシアの文豪LN・トルストイの代表作を実写化した大作ドラマ。19世紀ロシアを舞台に、青年将校に惹(ひ)かれたのを機に政府高官である夫との愛のない結婚や社交界から離れようと決意した女性に振り掛かる試練を追う。メガホンを取るのは、『つぐない』『ハンナ』などの鬼才ジョー・ライト。『つぐない』でライト監督と組んだキーラ・ナイトレイが、許されぬ恋に身を焦がしながらも自分らしく生きようとするヒロインのアンナ・カレーニナを熱演。実力派スターが集結した豪華な共演陣、豪華絢爛(けんらん)な衣装や美術も見どころだ。

 

【感想】

19世紀末のロシア。政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)の妻にして、社交界の花として人々から注目されるアンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)。しかし、華やかな生活の裏で夫との愛なき結婚に空虚なものを抱いていた。そんな中、彼女は離婚の危機に陥った兄夫婦の関係を修復させようと、彼らのいるモスクワへ。駅に降り立ったアンナは、そこで青年将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と出会う。彼から強い思いをぶつけられて戸惑う彼女だが、自分にも彼を慕う気持ちで胸がいっぱいだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

どろどろの不倫話かと覚悟して見に行ったら、舞台仕立ての風変わりな展開で、それはそれで楽しめました。

 

19世紀末の帝政ロシアと呼ばれていた頃のお話。

ペテルブルグに住む政府高官カレーニン(ジュード・ロウ)の妻アンナ(キーラ・ナイトレイ)は、兄夫婦のいざこざを治めるためにモスクワにやってきた。

 

兄も役人だが、女遊びがひどく、今回は娘の家庭教師に手を出したところを妻のドリー(ケリー・マクドナルド)に知られ、離婚まで持ち出す騒動となった。

 

アンナはドリーに「自分が苦しまないように兄の行為を許せ」と諭した。

 

オブロンスキー(マシュー・マクファディン)は、ドリーの妹キティ(アリシア・ヴィキャンデル)に求婚しようと田舎の領地からやってきた。

でも、キティは青年将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)からのプロポーズを待っていた。

 

ドリーに誘われて舞踏会に出たアンナは、みんなの憧れの的となった。

特にヴロンスキーは、アンナの美貌に心を奪われてしまった。

モスクワに帰るアンナを追いかけて来た。

二人は一目もはばからずふるまい、ヴロンスキーは離婚を迫った。

二人の間に赤ちゃんまでできたが、難産でアンナは生死をさまよう。

 

カレーニンとヴロンスキーは和解するが、アンナが回復するとまた関係は険悪となり、なかなか離婚に応じない。

一人息子もアンナから取り上げて、世間からも隔絶され、アンナはどんどん精神不安定になる。

最後にはヴロンスキーに女性がいると疑い出し、希望をなくしたアンナは列車に身を投げて自殺してしまう。

ヴロンスキーは戦地へと赴く。

 

一方、ヴロンスキーに去られて傷心のキティは、再び勇気を奮って求婚したオブロンスキーを受け入れ、彼の領地で生きることを決心する。

 

先にも書いたように、舞台仕立てで淡々と進んでいくので、誰に思い入れをするというふうなドラマではありませんでした。

キーラの演じるアンナは強い女性で、自分のしたことの結果として悲劇の結末となったのは同情の余地がないと思いました。

 

カレーニンは冷静な男で、アンナにとっては面白みのない年上の夫だったのでしょう。

でも、ヴロンスキーは後先考えない若造で、二人の恋には最初から未来がありませんでした。

この物語、私はキティが救われたお話だと思いました。

真の男、オブロンスキーと一緒になれて、キティが幸せになれたのはアンナのお陰?

人生は皮肉ですねー。

 

帝政ロシア時代の豪華なドレスや宝飾品は、本当に素敵。

目の保養になりました。

 

ヴロンスキーは、まるで宝塚の男装のようだと思いましたが、彼を演じているアーロン・テイラー=ジョンソンは、「ノーウェアボーイひとりぼっちのあいつ」でジョン・レノンを演じていたし、もっとびっくりは「キック・アス」の主人公なんですね!!

 


仕立て屋の恋

2013-04-12 16:33:58 | 映画ーDVD

ー仕立て屋の恋ーMONSIEUR HIRE

1989年 フランス

パトリス・ルコント監督 ミシェル・ブラン(イール氏)サンドリーヌ・ボネール(アリス)リュック・テュイリエ(エミール)アンドレ・ウィルム(刑事)

 

【解説】

殺人事件の容疑者として、仕立屋のイールという男が浮かんだ。だが彼こそは、真犯人を知る唯一の人物だった。向かいのアパートに暮らす、アリスという女性をのぞき見しているときに、殺人事件を目撃してしまったのだ。アリスは彼が何処まで知っているかを確かめようと接近してきたが……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

仕立て屋の恋、この恋は悲しい結末でした。

 

若い娘が殺された。

容疑者に浮かんだのが、町内の変わり者、仕立て屋のイール氏(ミシェル・ブラン)。

陰気な風貌、中年の独りもの。

刑事(アンドレ・ウィルム)が聞きに来ても愛想が悪い。

 

イール氏の密かな楽しみ。

迎えのアパートに住むアリス(サンドリーヌ・ボネール)の部屋をのぞき見ること。

アリスには、結婚を望んでいる恋人エミール(リュック・テュイリエ)がいた。

 

アリスはひょんなことから、イール氏の存在に気が付いた。

アリスはある思惑を持ってイール氏に近づいていく。

 

☆ネタバレ

殺人事件の真犯人はエミールだった。

あの夜、殺人事件を起こしてしまったエミールはアリスの部屋に来て証拠品を始末した。

それをイール氏に見られたのかどうか?

アリスはそれを確かめたかった。

 

イール氏にもアリスの魂胆はわかったが、エミールを諦め自分と一緒に故郷に帰ってくれるかどうか、大きな賭けに出た。

その結果は…!?

 

イール氏には、最悪の結果となった。

しかし、イール氏は一言も弁解せず、悲しい愛の言葉を一言吐いて、死んでいきました。

 

こういう恋もあると切ない気持ちになりました。

よかった!!

 

冷静に考えると、覗き見は犯罪だし、覗き見するような男は絶対好きにならない。

でも、こうして名匠ルコントの手にかかり作品となってみると、イール氏の心理の深さと、アリスの残酷さが浮き彫りになっていました。

さすが名作、すごいね!

 


ロレンツォのオイルー命の詩

2013-04-12 16:30:18 | 映画ーDVD

ーロレンツォのオイルー命の詩ーLORENZO'S OIL

1992年 アメリカ

ジョージ・ミラー監督 ニック・ノルティ スーザン・サランドン ピーター・ユスティノフ キャスリーン・ウィルホイト ジェリー・バマン マドゥカ・ステッディ ジェームズ・レブホーン アン・ハーン ザック・オマリー・グリーンバーグ ローラ・リニー

 

【解説】

不治の病、副賢白ジストロフィーに侵された息子を救うために奮闘する夫婦の実話を、「マッドマックス」のG・ミラーが映像化した作品。平凡な銀行員オーギュストの息子が、不治の病に侵された。病院の治療もむなしく、息子の容体は日をおって悪化していく。オーギュストと妻は、自分たちの手で治療法を発見するべく様々な文献を読みあさるが……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

私事ですが、孫ができました。

二人目の孫ですが、娘の子供なので、我が家で静養中です。

 

そんな中でこの作品を見ると、親の気持ちが身にしみる作品でした。

健康で育つ中でも、いろんな悩みが沸いてくるのが子育て。

それが、難病の子供を持つ親御さんのお気持ちは、大変なものがあることでしょう。

 

銀行に勤めるアメリカ人のオドーネ夫妻(ニック・ノルティ、スーザン・サランドン)は、最近赴任先のアフリカから本国に戻って来た。

ところが、愛する息子ロレンツォに異常が現れる。

突然乱暴になったり、転倒して大けがをしたり。

医師の診断は、不治の病、副賢白ジストロフィーALDと診断された。

 

夫妻は、あらゆる治療を試みるが、まだ発見されて間もない病気なので、実験台にされることもあった。

夫妻はこれではいけないと、文献を読みあさり、研究を始めた。

 

そして、専門の壁を越えたシンポジウムを開催したり、独自の研究を専門家に聞いてもらったりしながら、脱ミエリン化を起こす極長鎖脂肪酸(VLCFA)を低下させる一種の栄養療法であるオレイン酸とエルカ酸の混合物「ロレンツォのオイル」を作り出した。

 

この物語は実話であり、映画の最後にはロレンツォのオイルで助かった人たちが映し出されています。

ロレンツォを演じた子役の演技に、涙を禁じられません。

とてもいい映画でした。

 

その後日談がウィキペデアに掲載されていました。

「その後、ロレンツォは処置が遅れたため劇的な回復は見られなかったものの、簡単な意思表示や、絵本や音楽を楽しむまでには回復した。

母親のミケーラ・オドーネが20007月に肺癌により亡くなり、父親のオーギュスト・オドーネがその後も看病していたが、2008530日にロレンツォは誤嚥性肺炎のために死去した(30歳没)。」ウィキペディァより

 

この治療法は、効く人と効かない人があったようですが、いまでは発症前の患者を見つけ、早期から「ロレンツォのオイル」を投与して予防しているそうです。

 すごい功績ですね。