ーThe Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛ーTHE LADY
2011年 フランス
リュック・ベッソン監督 ミシェル・ヨー(アウンサンスーチー)デヴィッド・シューリス(マイケル・アリス/アンソニー・アリス)ジョナサン・ラゲット(キム)ジョナサン・ウッドハウス(アレックス)スーザン・ウールドリッジ(ルシンダ)ベネディクト・ウォン(カーマ)
【解説】
非暴力を貫いてミャンマーの民主化に挑み、アジア人女性初となるノーベル平和賞を授与された活動家、アウンサンスーチーの実録ドラマ。長きにわたる同国軍事政権との戦いと、それを支えてきたイギリス人の夫と息子たちとのきずなを、『レオン』『フィフス・エレメント』などのリュック・ベッソン監督が重厚なタッチで映し出していく。『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』のミシェル・ヨーが、ビルマ語のセリフを完全習得するだけでなく、本人のしぐさやなまりまでも研究し熱演。共演は『ネイキッド』のデヴィッド・シューリス。
【あらすじ】
ビルマ(現ミャンマー)建国の勇士として亡き後も国民から敬愛されている将軍を父に持つ、アウンサンスーチー(ミシェル・ヨー)。1988年、母の看病のためにイギリスから祖国のビルマへと戻った彼女は、軍事政権が若者たちの民主主義運動を弾圧するのを目の当たりにしてショックを受ける。そんな中、民主主義運動家たちが彼女の帰国を知って選挙への出馬を訴える。彼らの切実な思いを知って立候補を決意し、民衆の前に立つスーチーだが、それを機に軍事独裁政権から想像を絶する圧力をかけられ……。(シネマトゥデイ)
【感想】
劇場公開には行けなかったけど、ちょうど27年ぶりに来日を果たされたアウンサウンスーチー氏。
私にとってはタイムリーな鑑賞となりました。
ミャンマーは昔「ビルマ」という国名で知られ、日本でも竹山道雄の「ビルマの竪琴」で知られています。
これは太平洋戦争で日本が敗戦したときの物語ですが、その後、イギリスからの独立や軍事クーデターなど、激動の近代史の中をスーチー氏は生きてきたのです。
ビルマ建国の父として今も国民から敬愛されているアウンサン将軍の長女として生まれたスーチー。
彼女がまだ幼いときに父アウンサンは暗殺されてしまった。
1988年、イギリス人学者マイケル・アリスと結婚して、2人の男の子を授かり、オックスフォードで幸せに暮らしていたスーチーの元に、母の病気の悪化を知らせる手紙が届いた。
急遽帰国したスーチーは、軍事独裁政権が人々の民主化の運動を弾圧している現状を目の当たりにする。
そこから、家族の住むイギリスを離れ、故郷で民主化運動に取り組むスーチーの姿を追います。
長期間の自宅軟禁やハンガーストライキなど、さまざまな手段で非暴力の抵抗を続けたスーチー氏。
クライマックスは、癌を患った夫の死に目にあえなくて、電話でその訃報を聞き泣き崩れる姿でしょう。
この作品で強く描かれていたのは、夫であるアリス博士の強い支えでした。
あるときは体を張って、あるときはノーベル賞候補となるための資料作りや人脈確保など、考えられるすべてのことをなさったと思いました。
「鋼鉄の蘭」とも称されるスーチー氏の揺るぎない精神力は、彼女自身の強さもあるけれど、それを支えた夫や息子たちの力でもあると思いました。
ぜひこの機会にご覧になってはいかがでしょうか?