ー鍵泥棒のメソッドー
2012年 日本
監督・脚本=内田けんじ キャスト=堺雅人(桜井武史)香川照之(コンドウ/山崎信一郎)広末涼子(水嶋香苗)荒川良々(工藤純一)森口瑤子(井上綾子)
【解説】
『アフタースクール』の内田けんじが監督を担当した、さまざまな要素が詰め込まれた予測不能の娯楽作。ひょんなことから人生が逆転してしまった2人の男性を巻き込んだ物語の成り行きを、笑いとサスペンスを交えて描き切る。情けない主人公を演じるのは『ジェネラル・ルージュの凱旋』の堺雅人。そして『劔岳点の記』などの香川照之が、記憶をなくす前と後でまったくの別人に変身する男を怪演する。彼らが真剣勝負で挑む人生を懸けた戦いに胸が躍る。
【あらすじ】
35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井(堺雅人)は自殺にまで失敗してしまう。その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウ(香川照之)が彼の目の前でひっくり返り、頭を強打したせいで記憶を失ってしまった。桜井は衝動的に彼の荷物をくすねてコンドウに成り済ましたのだが、実はコンドウの職業は殺し屋で……。(シネマトゥデイ)
【感想】
これは、面白い!!
内田けんじ監督の「アフタースクール」も面白かったけど、これはさらにパワーアップしていますね。
殺し屋のコンドウ(香川照之)は、まんまと殺しを成功させたあと、踏切の渋滞に巻き込まれ、ふと目に入った銭湯に入ることにした。
売れない役者の桜井(堺雅人)は、自分のアパートで首を吊ろうとして失敗、やはり、銭湯にやってきた。
桜井が体を洗っているそのそばで、コンドウが石けんに滑って転んで、気を失っていた。
桜井の目の前にコンドウのロッカーの鍵が転がっていた。
とっさに、自分の鍵と取り替えてしまった。
コンドウの服を着て財布を盗み、コンドウの車に乗って逃げ出した桜井。
財布の中にはぎっしりと札束が詰まっていた。
借金を返しに回った桜井。
別れた恋人にもお金を返しに行くと、彼女は結婚するというので引っ越しの真っ最中。
「そうそう」と言って、捨てるゴミ袋の中から出してきた、昔の写真。
車の中で大泣きする桜井。
コンドウは、病院で目を覚ました。
でも、自分の名前すら思い出せない。
「桜井?」
税金の督促状を見て、自分は桜井なのかと思う。
お金がほとんどない。
桜井は病院を訪れ、コンドウが記憶喪失になっていることを知る。
コンドウのマンションに入り込み、その豪華さに驚いていると、工藤(荒川良々)から電話で呼び出された。
☆ネタバレ
この二人に、何が何でも12月には結婚したくて、婚活をしている雑誌の編集長香苗(広末涼子)が絡んで、ドタバタコメディのような面白さです。
三人三様の事情が、手際よく語られて、見ている方は物語にどんどんのめり込んで行きます。
そして、パズルがぴたりと納まるように、みごとなラストを迎えます。
よくできた脚本と、ぴたりとハマったキャスト。
いままで、広末涼子ってうまいのかなあ?と思っていた私。
今回は、ばっちりでした。
面白かったですよ。
お勧めしてくださったアボガドさん、ありがとうございました。