ーマイティ・ソーーTHOR
2011年 アメリカ
ケネス・ブラナー監督 クリス・ヘムズワース(ソー)ナタリー・ポートマン(ジェーン・フォスター)トム・ヒドルストン(ロキ)ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ教授)コルム・フィオール(ラウフェイ)レイ・スティーヴンソン(ヴォルスタッグ)イドリス・エルバ(ヘイムダル)カット・デニングス(ダーシー)浅野忠信(ホーガン)ジェイミー・アレクサンダー(シフ)ジョシュア・ダラス(ファンドラル)クラーク・グレッグ(コールソン捜査官)レネ・ルッソ(フリッガ)アンソニー・ホプキンス(オーディン)
【解説】
『スパイダーマン』などでおなじみのマーベルコミックの中でも、特に人気の高いヒーローの一人、マイティ・ソーが活躍するアクション大作。地球に追放された神の世界の最強戦士ソーが、巨悪の敵に立ち向かう。監督は『ヘンリー五世』のケネス・ブラナー。主演は『スター・トレック』のクリス・ヘムズワース。ソーをサポートする“ウォリアー・スリー”のホーガン役で浅野忠信が出演する。スリリングな戦いの行方と、迫力のアクション映像に注目。
【あらすじ】
神の世界では最強の戦士といわれていたものの、横暴でごう慢な性格が災いとなり、地球へ追放されてしまったソー(クリス・ヘムズワース)。神の世界での力を失ってしまったソーに凶悪な敵たちが次々と襲い掛かり、ソーは地球でも戦いの日々を送ることに……。(シネマトゥデイ)
【感想】
この作品は北欧神話が下敷きとなっています。
北欧神話は、フィンランド神話をのぞく北欧に残る神話ですが、比較的早い時期にキリスト教化されて、それ以前の神話が残っていないゲルマン系の民族にとっても、失われた神話に近いものと考えられているようです。
中世ドイツの「ニーベルンゲンの歌」や、J.R.R.トールキンの「指輪物語」も、キリスト教以前の北ヨーロッパの固有の信仰に影響を受けた物語として知られています。
この北欧神話の独特の世界観を、ケネス・プラナー監督はじつに簡潔にストーリーに取り入れて、さらに、現代の方の中心人物に物理学者をおいて、「我々が魔術と読んだものを君たちは科学という」というふうに、説明して、観客を違和感なくファンタジーの世界に誘ってくれました。
主人公のソーは北欧神話のトールの英語読みで、雷神のことです。
かなり、知的な作品と言っていいのではないかな?
その昔、アスガルドの王であるオーディン(アンソニー・ホプキンス)は、ヨトゥンヘイムの霜の巨人の侵略から、ミッドガルド(地球)を守るために闘った。
戦闘の末、彼らのパワーの源である「箱」を押収した。
それから何年もたって、オーディンの息子ソー(クリス・ヘムズワース)が、王位に就く儀式の最中に、霜の巨人がアスガルドに侵入し、箱を狙った。
幸い、デストロイヤーの活躍により未遂に終わったが、儀式を台無しにされたソーの怒りは治まらない。
アスガルドの入り口には、寝ずの番をしているヘイムダムがいて、侵入者は見なかったと言った。
彼によって守られている魔法の虹の橋、ビフレストが他の国への唯一の道だった。
オーディンの制止を振り切り、ソーは弟のロキ(トム・ヒドルストン)や、幼なじみシフ(ジェイミー・アレクサンダー)や、ウォーリアーズ・スリー(レイ・スティーヴンソン、浅野忠信、ジョシュア・ダクラス)とともに、ヨトゥンヘイムに攻め込んだ。
しかし、激しい戦いとなり、オーディンが介入して一時は納まったが、両国の戦争への緊張は高まった。
自分の命令に逆らい、国を危機に追い込んだソーにオーディンは怒り、ソーのパワーを奪い追放し、ハンマーも投げ捨ててしまった。
地球に落ちたソーは天文物理学者のジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)やその指導者セルヴィク博士(ステラン・スカルスガルド)、助手のダーシー(カット・デニングス)と出会う。
ソーのハンマーも近くに落ちていたが、強く食い込んで誰にも抜くことができない。
宇宙の謎について調べている政府機関が早速周りを立ち入り禁止にして調べ始め、ソーは、自分のハンマーを回収しようとするが、今のソーにはそれもできず、失意の中で囚われた。
このジェーンとソーが引かれ合っていくのと、アスガルドの危機が同時進行で進んでいき、自分の思い上がりを心底反省したソーがまたパワーを取り戻していくというストーリーです。
ソーが、ものすごい乱暴者なんだけど、一途で純な若者に描かれているし、ジェーンも頑固だけど、一途な研究者なので、この二人が引かれ合うことにとても共感できました。
暴れまくって国を追放されるところは、日本のスサノオノミコトの話に似ていますね。
友情もうまく描かれているし、兄弟の複雑な感情もよかった。
オーディンも威厳があって素敵です。
ソーは英語の木曜日、thursdayの由来になっているそうです。
他にも、wednesdayはウォーダン(古英語形のオーディン)。
tusday のテュール、fridayのフリッグも北欧神話の神の名前だそうです。
ちなみに、mondayはムーン、sundayは太陽、saturdayはローマ神話のサターンから来ているそうです。
神話って、昔の人の世界観や生活感が想像できて、面白いですね。
古代の神は、どの国でもとても人間的で、想像力が膨らみます。
マーベルらしく、エンディングの後にも楽しいおまけがあって、続編も決まったらしいですよ。
それでも、3Dはいらないと思います。
2Dで十分楽しいと思うのに、私の見た映画館は3Dしかありませんでした。
3D料金、高いよね。